物を大切にしている人は継続を大切にしている人

ー杉浦佳浩

物を大切にしている人は継続を大切にしている人


2021年 03月 15日

【今週の自戒】
〜物を大切にしている人は継続を大切にしている人〜

日本各地の素敵な【田舎】へ出かけると
道具(モノ)を大切にしている場によくよく遭遇します。
掃除道具が整然と並んでいる
どこに何が収まっているかすぐにわかる
先日は数百年使った石臼
金槌、鑿などの道具を見る機会があり
使い込んだ年季物、
金槌の柄の部分は人の手に
馴染んだカタチに変形しているのが分かります。

また普段使いしている、
使い込んだ筆記用具も
手に馴染む感覚大切にしているからこそ。

モノや道具を大切にすることそれは
【継続している】ということに
繋がっていると感じました。

3年5年芽が出なくとも、
いろんな人から揶揄されても
じっくり継続している人は本当に強い。
10年継続している人が如何に少ないか。
モノを大切にしていることに通じると思いました。
そして
事業を、仕事を大切に
人を、人の縁を大切に

大切を
続けた人でありたいと思います。
今週もよろしくお願い申し上げます!

【勝者とは、始める人ではなく続けた人】
ダヴィンチ研究者、桜川Daヴィんち氏の心に響く言葉より…

《勝者とは、始める人ではなく続けた人のこと》
石は、火切り鉄に叩かれたので、びっくりして声を荒げていった。
「どうして私をいじめるの。人違いでしょ。私を苦しめないでくれる?私は誰にも迷惑をかけていないのよ」。

すると、鉄が答えた。
「我慢すれば、素晴らしい結果が生まれるはずさ」。
石は機嫌を直してじっと苦痛に耐えていると、やがて素晴らしい火が生じた。
その火の威力は、無限に役立つことになった。
これは学習を始めたばかりの初心者が、自己を抑えて、地道に学びを続けた結果、偉大な成果を生み出すことにたとえられる。
(レオナルド・ダ・ヴィンチ/アトランティコ手稿)

「私は続けるだろう」…こんなつぶやきが、晩年のダ・ヴィンチ・ノートに書き残されています。
何を続けようとしたのか、肝心なことが省略されていますが、とにかく続けることを意識の中心に置いていたのがダ・ヴィンチでした。
ダ・ヴィンチが生涯続けたことは、自己表現のアウトプットであり、自分のメッセージを伝えることです。
万能の活躍をしたように見えて、実は「調べてノートに書き続ける」、そして「とにかく絵を描き続ける」という2つのシンプルな繰り返しからすべては生まれました。

続けるけることが自尊力にもつながり、次第に周囲からも認められる存在になりました。
生涯、地道に研鑽(けんさん)を続けていった結果、科学者としての数々の業績を残しながら、偉大な芸術家となったのです(おまけに後世、そのノートと絵画は、共に世界最高額で落札されました)。

日米通算467安打を放ち、45歳まで現役を続けたイチロー選手も、まさに続けた人。
試合前には決まったメニューのトレーニングをこなし、試合中は打席に向かう動作をルーティンとして守り、試合後は必ず道具を磨く。
遠征先には枕を持ち歩き、自己管理を徹底しました。

大きな成果を上げるには、「新しいことを始める人」とイメージしがち。
でも「石と鉄」のたとえからもわかるように、「続ける」をダ・ヴィンチは徹底したのです。
何かが生まれるのはその先。
この順番を間違えてはいけないのでしょう。

『超訳ダ・ヴィンチ・ノート』飛鳥新社

桜川氏は本書の中でこう語る。
『AI時代には、専門分野を極めたスペシャリストが淘汰されやすいと言われています。
ダ・ヴィンチのようにマルチな才能を持ち合わせ、さまざまなジャンルのものを創造できる人間が求められているのです。
「1つのことを追求するだけでも大変なのに、どうやったら同時にできるの?」
「才能のある人ならできるけど、自分にはそんな才能ないから無理だよ」
ダ・ヴィンチは決して生まれながらの天才でも超人でもなく、努力と戦略によって成果を上げ続けていった「人間」です。
失敗や挫折を経験したダ・ヴィンチが、数々の偉業を成し遂げていく過程で、どのようなスキルを身につけ、使ったか。
それは、夢や目標を叶えるための、地球史上最強のアプローチ法と言っても差し支えありません』

また、ソフトバンクの孫正義氏は、こう語る。
『レオナルド・ダ・ヴィンチはテクノロジーとアートをクロスオーバーさせた。
当時最強のテクノロジーだった医学、物理、化学を操る頭脳を持ち、「モナ・リザ」のようなアートまで描いた。
アートとテクノロジーをクロスオーバーさせた最強の1人目がダ・ヴィンチだとすると、2人目はスティーブ・ジョブズだと思います。
単なる電化製品は世の中にたくさんありますが、アートと呼んでいい初めての製品がiPhoneだった』

ダ・ヴィンチは人体の解剖学に関する研究をし、数多くのきわめて精密な解剖図を作成し、解剖学の基礎を築いたといわれる。
それを称(たた)え、現在ではダ・ヴィンチという名前の手術支援ロボットが開発されている。

また、今まで我々は、ロジカルシンキング(論理思考)やサイエンスを重要視してきたが、昨今はそこにアートの感覚を取り入れるようになってきた。
モノがあふれかえっている今、さらなる価値を創造するためには、アートやデザインの感性が必要だからだ。
まさに、ダ・ヴィンチは、500年以上前からそれを実践していた。

長く続けることは、多くの人間にとって、最強の武器となる。
長く続けることができる人でありたい。

上記の【勝者とは、始める人ではなく続けた人】については人の心に灯をともすより引用しています。

写真の言葉、【もの思う物たちへ】は、月刊「PHP」2021年2月号 裏表紙の言葉です。以下に文章を。

私たちの周りにあるたくさんの物、それら一つひとつの物には人と同じように心があると考えればどうだろう。
机にうず高く積まれた本たちにマイクを向ければ、「いつになったら読んでもらえるのか待ちくたびれています」という声が返ってくるかもしれない。
海底に眠るプラスチックごみに話を訊けば、「自分はこんな所に来るつもりはなかった。魚に危害を与えるつもりもない。早く居るべき場所に戻してほしい」と言うのではないか。
元々自然のものすべてに神がいるというのが日本であり、日本人は物を大切にする。”もったいない”の精神だって健在である。
ただ物を持つことが豊かさの象徴となり、日本人の幸福感を高めたのはよいけれど、質の向上、量の過剰、嗜好へのこだわりが、始末する上で困難な世の中になっては意味がない。物には寿命がある以上、すべてを適切に処理するためには、半永久的な努力は必然であろう。
人間だけではない。時にはもの思う物の気持ちになって、適切な処遇に心したい。