ご縁結びのコーナー 第71回 KFSグループ 代表 小島 清一郎 様 〜厳しい環境下で事業承継をやりきったお話に感動〜

ー杉浦佳浩

ご縁結びのコーナー 第71回 KFSグループ 代表 小島 清一郎 様 〜厳しい環境下で事業承継をやりきったお話に感動〜


2020年 12月 10日

KFSグループ

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私も加齢のせいか、どうも涙腺が緩みがち、インタビューをさせていただきながら、時々ホロッとする時もあります。今回の小島さんのお話を伺っているときにはアツいものがこみ上げてくる、なかなか厳しい経営環境下で事業を引き継ぎながら大きく進展させて行かれたこと、感動領域でした。今年は、小島さんの本社がある福島に訪問させていただき、楽しい時間も過ごさせていただきました。小島さんの事業、今後の展開についてもお話を伺いました。

【KFSグループ代表の小島さん 現在39歳】

 

◆小さい頃からなんとなく事業を引き継ぐって当たり前だと思っていた
お父さんが税理士事務所を開業、その事業の引き継ぎについてお聞きしたところ、『福島の田舎育ちで、長男。その環境下で、引き継ぐものだと思っていました』と。小島さんが物心ついた頃にお父さんが独立、アパートの一室からスタート、いつしか小さな自社ビルを建てて事務所をもり立てて行く姿を見ていた小島さん、事務所の飲み会、事務所の行事、バーベキューなどへの同席が普通という経験を経て育ったそうです。私も父の仕事場に連れて行ってもらったこと、お客さんのところに連れて行ってもらったことが大きな意味があったと今感じています。仕事って楽しいな、社会構造の一旦ってこんな風になっているってことが、自然に学べたと思っています。小島さんのお父様も何かしら意味を持たせて小島さんを仕事場に連れて行かれたのではと感じました。

 

◆小島さんとの出会いとプロフィールについて

小島さんとは、あまり今までにない経験で出会いました。福島県で頑張る小島さんがずっと福島だけで事業を展開されていたのではお会いすることはなかったと思いますが、2018年の初めに東京に進出されていてそこにお勤めの細井さんとの出会いが最初。その出会いがこちらのイベントでした「杉浦さんのお悩み大相談会!」〜最強の時間短縮術〜powered by X-エックス-このイベントにこられていた細井さんと私が懇意になり、私から代表の小島さんに是非お会いさせていただきたいとお願いをして2年前の秋にお会いさせていただきました。X-エックスを主催されている川元さんのイベント登壇からご縁が繋がるという不思議なご縁です。川元さんに感謝です。

 

小さな頃からお父さんの事務所を引き継ぐことが当たり前と育った小島さん、大学で経済学を学びFP資格を取得したり、税理士資格取得のための勉学に現在も取り組んで、あともう少しで資格取得となるところに。事業を拡大展開しながら学問にも頑張るところご立派です。なんの資格も持っていない私からするとなかなか真似ができません。大学卒業後、資格取得を目指して専門学校にも通っている時に、強烈なバイト経験をされていました。それがグッドウィルグループの人材派遣会社での仕事でした。当初は製造業の工場内で実際に手を動かすところでバイトなどをしていたそうですが、なぜかすぐに内勤になり、バイトながらに正社員と同等の仕事を任されていたそうです。その内勤仕事では、派遣の人員の段取り、捌く(企業と派遣人員のマッチング)ことを実際にやっていました、あの過酷な会社で。いろんなビジネス、商売を見る経験が今に生きていると感じているそうです。この厳しい仕事を経験した数年後の20代半ばで地元、実家に戻ってお父様の事務所に入所しました。

当時の事務所のでは、12,3名の職員を抱えていて、これって会計事務所としてはそれなりに大きな規模ですね。20代は仕事漬けの毎日、夜中1時2時まで仕事をして家に持ち帰ってまた仕事、短時間睡眠後に6時過ぎに事務所に行って雪かきをしてから事務所で仕事を開始、また夜中まで。そんな毎日だったそうです。

 

後継者として、現場派で頑張っていながら、あまり教えてもらうこともなく、褒められることもなく、それでも新しい事業に自らチャレンジをして、財務コンサル事業で売り上げを上げたり、また目新しいことにも果敢にチャレンジしていたそうです。

30代に入ってリーダー、マネジメントと自然に仕事の領域も広がって行ったそうです。

 

◆事業引き継ぎを大相撲の大一番に例えて

転機はいきなり。福島に甚大な被害をもたらした、東日本大震災。その1年前に、お父さんと二人三脚で事務所を盛り立ててこられたお母さんが病に倒れ、急逝されたそうです。お父さんのワンマン経営(いわゆるパワー系)をカバーする形で優しく会社に寄り添うお母さんという立ち位置で事務所の事業を拡大してこられたのですが、この優しさがなくなり、事務所の経営も不安定に。1周忌が来る前に、大震災が来たことが事務所経営に追い討ち。経営も厳しくなって行ったそうです。

余談なのですが、今年のコロナ禍で、小島さんと会話する機会がありました時、お客様への対応をお聞きして、細部に渡り丁寧に、スピーディーに寄り添うことをお聞きし、感心したのはこの震災時の経験が生きていると感じました。

 

震災後、事務所の経営環境はますます不安定に、大きな問題も発生、ついに小島さんご自身が覚悟を決めて矢面に立って経営をすることになりました。それが34歳の時だったそうです。

 

瀕死の状況で事業を引き継いだ時には、社員が離反、社内も大荒れだったそうです。なんとかしないといけないということから、今の経営(KFSグループとして)スタイルを瞬時に構築してコンサルティング会社の代表に就任するに至りました。

その後の戦略、戦術も全て小島さん自身で実践、実行してきて、一切お父さんの関与はなかったそうです。

代表就任1年後にはお父さんの過去最大の売り上げを超える結果を残すことになったそうです。その売上達成の結果、お父さんが果たせなかった【夢】であった、交通遺児のために福島県に100万円を寄付すること。それが実行できることになったそうです。知事から表彰状を受け取る場面で、お父さんにその重責を譲りました。

その後に、お父さんから手紙が初めて小島さんに届いたそうで、【ありがとう】の文字と、【天国のお母さんも感謝している】と書かれていたそうです。この手紙をもらった小島さん、父からの承認をもらえて心から嬉しかったそうです。わたしもジーンときました。お父さんの築いた事業を大切にしながらさらにやりたいように事業に邁進していらっしゃいます。現在は60名の職員さんを抱える大所帯になって福島に限らずに東京、海外、そして事業領域も増やしていらしゃいます。

 

この事業承継の成功を、小島さんが面白い表現で例えて下さいました。平成3年、大相撲の世紀の大一番。千代の富士と貴乃花(当時は貴花田)が戦って千代の富士が負け、引退を意識したあの一番を事業承継の成功と重ねて話されています。(私もこの大一番は相撲の新旧交代まさに時代の変化を感じ取ったこと新鮮な記憶です)

父と子がまさに同じ土俵(同じ会社、職場)で戦って、圧倒的な状況でやり切る、打ち負かすそれが無いことでは承継はうまくいかない。そう表現されていました。たしかにそのとおりです。その圧倒的さがあったからこそ今の事業成長に結びついているのだと感じました。お父さんからの手紙もその感謝の現れですね。

 

◆福島へ訪問して

コロナ禍が始まって、地方の経営者に会いに行こう!と決めてスタートした、【ビジネスお遍路】、小島さんのおかげで16年ぶりに福島県へ訪問がかないました。当日はこんな感じ、楽しい一日を過ごしました。

小島さんの事務所には、私と大阪から、グッドマネジメント総合研究所の加藤さん(当日飛行機が満席で驚きました)、東京からお二人、meet inの齋藤さん、株式会社ディーの西海さんこの4名で福島市に集合。

小島さんから、20代の起業家に会ってほしいということで、Fukushima-BASEを訪問、中野さんと即席の事業プレゼンと4名からのメンタリングを実施、各方面からのお話に盛り上がりました。


【福島へ訪問した際の楽しい場面】

 

小島さんの事務所にも訪問、あまりに福島駅、駅前過ぎて一同ビックリ。東京でいうと丸の内、大阪でいうと梅田駅、駅前って感じでした。そこに50名近い職員さんが集っていらっしゃいました。

夜は、ライブ配信で、小島さんのクライアントさん向けのDX講座、スペッシャルゲストにダイアモンドプリンセス号の

陽性ゾーンを厚労省の依頼で除菌されたコーナンの轟木さんに、事業よもやま話、今後の展開、誰でもできるウィルス予防対策ミニ講演を特別にお引き受けくださいました。

貴重な経験も小島さんのおかげと感謝しています。

 

◆現在の事業、今後の展開について

今年の6月初旬まだまだ非常事態宣言の最中に、【リモコン】というサービスを繰り出された小島さん。KFSグループの顧問サービスをリモートで行うから【リモコン(リモート顧問)】口では言い始めたりしている税理士事務所さんはありましたが、【カタチ】にすることがいかに大切か?ということを行動実践で示して下さいました。以下にその際のチラシを掲示します。

アイデアマンで新たなことへのチャレンジをしている小島さん。海外進出支援についても伺うと、なかなか奥深い【想い】から実践されていることが浮かび上がりました。

海外進出支援を実行できる理由、それは東京に進出して良い状況で展開しているコワーキングスペースの【海外ビジネスコミュニティスペース「Digima〜出島〜 BASE」】です。私も何度もお伺いしているこの場所の存在も大きいと感じます。このコワーキングスペースを共同運営しているのが、株式会社Resorzの兒嶋さん、漢字は違いますが、同じコジマさんです。福島の小島さんが東京に進出の際に、あるご縁で出会った、兒嶋さん。たった30分ほどで意気投合し、このコワーキングの共同運営がスタートすることに。兒嶋さんが培ってこられた海外進出ノウハウと小島さんの想いが統合し、東京でのコワーキング経営と海外進出プログラムのサービス化を展開するに至ります。ここでの小島さんの想いとは?東日本大震災で多くの応援、支援を下さった海外の皆さんへの感謝の気持ちを伝えること、それが日本人として必要なことであり大切、その実行とはなにか?それは日本の企業と海外とがご縁で結ばれること、その一助になることのお手伝いを自社でできるようになれば、東日本大震災で受けたご恩の感謝の気持ちを自ら直接に伝えられる、これもジーンと来たお話、それを当たり前のようにサラッと小島さんは話してくれました。


【今年の3月に「Digima〜出島〜 BASE」で新令和経営道場を開催】

経理・財務のコンサルティング、、コワーキング運営、それ以外に、地元福島で保険代理店の事業。ベンチャー企業への投資事業もされています。新たな成長企業を外側からのコンサルティング支援だけでなく、株主参加としてより近い立場で企業支援に参画していこうとされています。

 

このコロナ禍以降は、会計・税務の前段階として経理代行業務のニーズも増えてきていると小島さんは語ります。雇い入れてもすぐに辞めてしまうことが多い経営理人材、もしくは採用コスト高から雇えない場面も。税務・財務の後処理の支援の経理・総務周りのアウトソースニーズを確実に捉えてさらにデジタル化シフトのお手伝いをしていこうとされています。DX化のさらに先には、士業ネットワークを構築して、安価で本格的な手厚いサポートを目指す【知恵の輪】のローンチも近々めざしているそうです。智のネットワークづくりも楽しみですね。

最後に小島さんからコメントをいただきました。

未曽有の新型コロナウイルス感染症の流行により、日本の多くの企業が変化を迫われています。

次世代の日本により良い社会を繋いでいくために、自分が源になって多くの企業に貢献していきたいです。

杉浦さん これからもよろしくお願い致します!!

 

お父さんとの事業承継を成功したこと、それを認めてもらってから人に恵まれていると話す、小島さんの実行・実践がこれからますます楽しみです。有り難うございました!