第102回ご縁結びのコーナー K&Pパートナーズ株式会社 松村 伸也さん 〜会社設立10周年おめでとうございます!経営者に寄り添い続ける姿勢を学ばせていただいています!〜

ー杉浦佳浩

第102回ご縁結びのコーナー K&Pパートナーズ株式会社 松村 伸也さん 〜会社設立10周年おめでとうございます!経営者に寄り添い続ける姿勢を学ばせていただいています!〜


2023年 07月 06日

第102回ご縁結びのコーナー K&Pパートナーズ株式会社 松村 伸也さん 〜会社設立10周年おめでとうございます!経営者に寄り添い続ける姿勢を学ばせていただいています!〜     

K&Pパートナーズ社のコーポレートサイトはこちら。

今回は会社設立10周年という節目にインタビューにお応えくださった、K&Pパートナーズ 代表 松村さんにご登場いただきました。ご本人からも滅多とインタビューには出ない、記事化されていることもない中、記念の年ににちなんでご登場くださいましたこと感謝をしています。松村さん、そしてK&Pパートナーズ社についてお伝えしたいと思います。

【K&Pパートナーズの松村さん HPより】

◆松村さんのこと、K&Pパートナーズのことについて

松村さんのプロフィール(HPより)→大学卒業後、2001年に東証一部のベンチャーキャピタル(以下:VC)、日本アジア投資株式会社(以下:JAIC)に入社。国内基幹ファンドや大手コンサルティング・地銀との共同ファンドの責任者として投資業務を遂行。最大180社のポートフォリオをチームにてマネジメントし、製造・サービス・不動産・ICT分野など、多業種の投資育成活動を行う。2013年3月退職後、当社を設立。

そしてHPには、短いながらも、意味深いメッセージ。【ベンチャーキャピタルをもう一度考える】その次に、【志の高い経営者を尊敬し、その思いをより深く理解したく設立した独立系ベンチャーキャピタルです。】とあります。

クドクド書かない、言わない、想いがまず重要、自分の経歴、投資先など詳細の説明を省いてのこと。結果に固執せず、今と未来に向かって行こうとされているのだと理解しています。

◆松村さんの子供の頃、経営者に寄り添いたい そこに通じるお話

町工場の社長(お父様)、飲食店の社長(お母様)、経営者が家に二人も居るそんな環境で育った松村さん。会社員の家庭ではない中で育ったこともあり、キャピタリスト、金融関連の人ぽっく見られないのも頷けますね。熊本県八代市で育った松村さん、4歳の頃からお父様に『社長になれ!』と言われ続けて育ったそうです。

二人の経営者さんが大きなダメージを負ったそれが、バブル崩壊。足繁く通っていた銀行員はパタっと来なくなり、180センチの長身でカッコイイお父様が背中を丸めてしょんぼりしている姿、ある日からあれだけ言っていた、『社長になれ!』とも言わなくなったそうです。同様に常連さんが来なくなったお母様のお店の経営も厳しいこれほどの変化になかなか中学2年生だった松村さんも受け入れ難い変化だったそうです。経営者二人この劇的な変化を見続けていて、自分は経営者になるのではなく、経営者を支える仕事がしたいと思うようになっていったそうです。

【2019年12月博多での忘年会 宮嵜さんと】

 

◆経営者に寄り添う仕事 新卒でVCに入社して 3年間芽が出ない、そして大きな転機も

学生時代に、ベンチャーキャピタルの仕事を知って、まさに経営者を支える、寄り添うことができる仕事ができると選択して、入社が現実に。当時 東証一部上場企業のベンチャーキャピタルへ。配属も東京に。

ご本人も話していらっしゃいましたが、全く何も知らない(経営経験、IPO経験、金融知識)で入ったばかりの若造に会社の資金調達や、株式の話が通用するはずもなかった。3年間東京で頑張りましたが全く厳しい状況で結果がなかなかついて来なかったそうです。

そんな大きな転機が訪れます。大切な弟さんが病気で他界をするという経験。焦燥感溢れ、弟さんの夢だった教育の世界に行こうと決意し、また塞ぎ込んでしまったご両親を支えようとして、上司に福岡への転勤を申し出ます。それはまずは実家に近いところで、教員資格の勉強をしながらVCの仕事を行うという選択。厳しい環境で東京で頑張った結果が福岡でで始めることに繋がります。すっかりVC業界を辞めて違う道に、そう思って福岡に行ってみると、温かい経営者に出会い続けます。投資実行も増えていき、投資先の上場も出るようになっていきます。

大きな転機、勝手ながら、お兄さん想いの弟さんが応援してくれたことそれが今に通じているように感じた次第です。

【2021年10月森清華のLife is the journey」に出演時

東京での厳しい3年間、その時の上司、その方は、K&PパートナーズのHP上に名前がある、中垣さん(アドバイザー)、松村さんからは厳しく 鍛えてもらった 中垣さんへの恩も大きいと話していました。

 

◆松村さんが考えているベンチャーキャピタリスト像について

ベンチャーキャピタリストという仕事、キャリアについて語っている番組があります。それが、K&Pパートナーズ第一号社員でもあり、松村さんも新卒で働いていたベンチャーキャピタル企業の後輩新卒入社だった、森さん、森さんがパーソナリティーを務めるFMラジオ番組でその詳細が聞くことができます。それが森清華のLife is the journeyの第258回の放送になりますこちらから聞いていただけます

キャピタリストになったら投資実行することが仕事と思われがちですが、実はそうではない。リターン目当てで職業として選択しない方が良い。投資実行するにも何年も経過し、さらにそこから数年(それは早い方)から10年ほど経過して上場となっていく、その確率は、国内VCのおおよその平均は10%程度と言われている(要は90%は上場できていない)。その投資実行も数百社〜数千社との出会い、対話から実行に至るもの、1年に一社投資できるかどうか?その出会いを継続しながら、関わっている企業の採用面接への同席、営業同行、自社以外の資金調達等々 経営者に寄り添い続ける、想いが高い、起業家を排出していくという想い、社会的意義に感化されていないとやっていけないと話します。

【2021年3月芦屋駅でバッタリ 松村さんが珍しく大声でびっくりして】

 

◆K&Pパートナーズ設立経緯について

リーマンショックの頃、IPOが年間10社程度まで落ち込んでいた中、松村さんが所属していたベンチャーキャピタルにおいても投資環境がかなり厳しくなっていったそうです。

小さい頃からお父様に言われていた、『社長になれ!』という言葉、バブル崩壊で経営者に寄り添うことを仕事として選択したベンチャーキャピタリスト、そして投資したくてもできない環境。その3つが重なった、その解が、自分でベンチャーキャピタルを立ち上げること、自分が経営を担っていくという選択をすることにしました。

その松村さんの意思決定に、所属していた会社も応援してくれること(これは本当に凄いこと、同業として独立する人を応援して今も仲良しという素晴らしさ)になり、共同創業者として、神尾さんも加わることになった。

神尾さんについて、松村さんは、会社員時代から存在は知っているものの、一緒に仕事をしてきたことはあまりない、ただ1度ある案件について関わった際に、先輩後輩の上限関係なく、理路整然と、物事を論理的に話している姿を見て、自分にはない素質があると感じていたそうです。実際その素質のおかげで、何度も起業後助けられて来たとも話していました。

【2017年5月うるる社の上場お祝い会】

 

◆私との出会い、ご縁の繋がりについて

私との出会い、それはたった30分、紹介者の同席もなく、飯田橋のカフェでお会いしたのが最初。松村さんからして創業したばかりで資金もない時に、怪しい?でも印象に残ったそうです。嬉しいですね。その時、お互い人を紹介し合うという約束をしたことを覚えてくださっているそうです。私の記憶には、VCの消化率に問題があるという話が記憶に鮮明です。消化率とは、ベンチャーファンドの投資実績を積んで行かないとファンドには満期があり、消化という考え方が存在します。そもそもその消化率が、投資実行が目的化して、起業家への支援がおざなりになっているという危惧に繋がるというお話でした。

私がご紹介した会社さんもIPOを果たして、そこからの連なご縁に大いに感謝してくださっていることに、私も感謝しています。

【2020年のK&Pパートナーズ社の新年会で】

 

◆20周年に向かって 考えていること 

私がK&Pパートナーズの投資実績や、投資方針、行動方針が好きなのは、決まったセクター、決まった企業ステージ、決まったエリアに投資実行をしていないところ。IT以外にも積極的、東京の会社にも以外にも、若い経営者にかぎっているわけでもなく、縛りを設けていません。それも、起業前からの経営者を応援し続けるという姿勢からこの実績に繋がっていると思います。それもとことんに。(会社員時代に最初に上場を果たした会社はお父様と同業界の製造会社だったそうです。)

次の20年に向かってどうですか?と質問を投げてみると、変わらないことが大切。トレンドにも流されない起業へのお手伝いをし続けること。上場しても応援をし続ける。K&Pを卒業したメンバーで3人が起業もしている、内側にいた人、外側も関係なく関わった人々がいつまでも仲良く繋がっていく10年にしていく。

 

◆このインタビューを記念に関わりの深い4名の方々にコメントをお願いしました。

質問の概要

→①松村さんってどんな方でしょうか。

 ②松村さんとの思い出に残る何かエピソードを教えてください。

 ③K&Pパートナーズについて、過去、現在、未来、どの部分でも結構ですので、

  何かエピソード、想い、等についてお教えいただけないでしょうか。

 

◎神尾さん  K&Pパートナーズ共同創業者 取締役

①松村さんってどんな方でしょうか。

良くも悪くも善人です。会社を作る際には経営者である父親から、「お前は優しすぎて会社を潰すから絶対に辞めとけ」と反対されたようです。わかりやすく、悪い人に騙されてしまいそうな雰囲気を醸し出しているので、結果として内部外部に忠告を促すコミュニティが自然形成されました。彼は運が良いと言っていますが、それが必然なのか偶然なのかはわかりません。

幸いにして弊社は今年10周年を迎えることができましたが、最近、「私は運が良い」だけでなく、「私の周りも運が良くなる」とたまに発言される点が気になります。ただし圧倒的な善人が大笑いしながら、みんな運が良くなると思い込めば、本当に運を呼び込むのかもしれません。そんなところを尊敬しています。

 

②松村さんと思い出に残る何かエピソード教えてください。

創業から1年が経過した頃になります。先輩に間借りしていたオフィスを卒業し、ようやく自分達の城を持てる状況が整いました。最初のオフィス探しは想いも溢れるためとても慎重です。複数の候補で悩んだ挙句、近くにほか弁あるという唯一の理由で意思決定をしました。

そんなほか弁にはとてもお世話になりました。中国人夫婦が経営されており、唐揚げ弁当をいつも頼む松村さんは店長に顔を覚えられおり、いつも唐揚げを一個多くしてもらえることを自慢げに語っていました。ある日事件が起きます。

そのほか弁が集客のために朝から割引券を配っていました。弊社メンバーは女性陣を含めて全員受け取っています。しかし松村さんにだけ一向に配布されません。そんな状況が来る日も来る日も続きました。珍しく悲しそうな顔をするとともに、「優良顧客にそんな仕打ちをするお店には二度といかん」と言っておりましたが、週が明けると心新たに毎日通い始めました。まさに優良顧客でした。

 

③K&Pパートナーズについて、過去、現在、未来、どの部分でも結構ですので、何かエピソード、想い、構想についてお教えいただけないでしょうか。

弊社メンバーは前職時代にVC業界にてリーマンショックを経験しています。その際、多くの方にご迷惑をおかけした反省を踏まえた上でK&Pを設立致しました。経済には波がありますが、良い波の時に背伸びをし、悪い波の時に実態との差分が露出し耐えられなくなる。リーマンショック時に受けたのはそのような印象でした。

このような背景がございますので、背伸びをしないことを念頭に置き弊社は2013年にスタートしました。一つの基準として、18時には仕事を終え飲みに行けるよう心身に余裕のある状態を保つ、というものがございますが、大枠では10年間その状態を維持できたのではないかと思います。

ただ飲むのが好きなだけで、副作用として体重が増加傾向のメンバーがいることも事実ですが、笑っている時間の長さは業界内でもトップクラスの組織になれたのではないかと自負しております。今後も重視すべき一つの基準として維持をしていきたいと考えております。

 

◎新家さん K&Pパートナーズ ベンチャーパートナー 松村さんの先輩

①思い浮かんだフレーズとしては、”真っ直ぐな男” 。VCという仕事への想い、古巣JAICへの想い、K&P創業から関わる全ての方への想い、九州への想い、そして親兄弟への想いなど。彼の熱い心に人は動かされるのだと思っています。天性の「人たらし」であることは間違いないです笑。

 

②二人三脚で取り組んだJAICの新卒採用の仕事は、今でもなかなかの最強コンビだったと思っています。2人とも若かった!!

 

③JAICで私たちが日々真摯に向き合い大事にしていたVCとしての価値観やカルチャーをK&Pという形で、繋いで紡いで今まで10年育ててきてくれていたことにまずは感謝です。VCという仕事がメジャーになった今だからこそ、このような存在を待っている経営者は全国にまだまだたくさんいると信じていますし、改めて一緒に仕事ができることを心から嬉しく思っています!

 

◎森さん K&Pパートナーズ 社員第一号 且つ ラジオパーソナリティとして松村さんが出演

①松村さんってどんな方でしょうか。

ひたむきで少年のような心を持つ方

 

②松村さんと思い出に残る何かエピソード教えてください。

お昼を食べる時、休憩の時、移動する時など、投資したいと思う起業家との出会いや事業の魅力などを、何度も何度も嬉しそうに語る姿が忘れられません。

 

③K&Pパートナーズについて、過去、現在、未来、どの部分でも結構ですので、何かエピソード、想い、等についてお教えいただけないでしょうか。

立ち上げ当時、松村さんと神尾さんと3人で毎月大阪に出張していました。その帰りに必ず「柿の葉寿司」を買い、2つしか入っていないサバを誰が食べるか?と、毎回新幹線の中で”サバ争奪戦じゃんけん”をしながら、今日のプレゼン良かったね、今後はこうしていきたいよねなど、皆で楽しく熱く思いや構想を語り合ったことを思い出します。K&PのPleasureの精神は、今もこれからも大切にしていきたいと思っています。

 

◎宮嵜さん V&Mパートナーズ株式会社 代表取締役

①松村さんはどんな方か?

松村さんは経営者の資質、能力を瞬時に見分ける事ができる方です。ただ経営者の資質、能力の優劣で相手に対する態度を変える事もなく『常に経営者をリスペクト』されて色々な経営者と接されている方です。

因みに私の最終学歴は中卒です。その私に対して『ベンチャーキャピタルになろうぜ』と言っていただき一般的には高学歴の方にしかなれない仕事にお誘いしてくれるなど常識に流されない懐の深さを持たれている方です。

また仕事とプライベートのオンオフがはっきりされていて、例えば盛り上がった飲み会の翌日、隣のデスクから無言で長時間、集中して仕事をされている姿を見て昨夜の方と別人かな??と何度も感じた事があります。

また成功されている投資家と聞くとドライなイメージを持たれる方が多いと思いますが、松村さんは勿論ドライな一面もありますが、それを上回るウエットな面を持たれていて、情に流される事はないが情に熱い方です。

とわざとらしいぐらい松村さんの良いところをあげさせていただきましたが、お会いされると皆様も松村さんの素晴らしさ、魅力を感じていただけると思います。

 

②松村さんとのエピソード

私が在籍していた約一年半という短い期間の中で特に記憶に残っているエピソードは、

・その年、国内で2番目の大型M&Aイグジットとなる案件に関与したこと。

・その後IPOを果たす(株)アイドマホールディングス様、(株)BTM様、(株)ピー・ビーシステム様への投資

などを間近で勉強させていただいた事です。(勿論、私は何の力にもなっていませんが、、、)

超大手の役員など約20人相手にプレゼンをされた時、少しも物怖じされずにプレゼン開始から5分ほどで相手の警戒心を解くどころかオフィス全体が笑いあり説得力爆発の松村劇場になった時は隣で心底スゲーなと思って横で見ていました。

 

③K&Pさんとのエピソード

仕事は最先端の環境、情報の中で行なっていますが、プライベート関係はとても昭和的な会社です。松村さん神尾さんのご自宅でお好み焼きパーティー、鍋パーティーを頻繁に開いていただいたり、飲み会は、赤提灯からカラオケ、神田の接待を伴うお店などが多くとても親しみやすい会社でした。私は3人子供がいますが、しっかり勉強して社会経験を積んで、K&Pに入れさせていだだけるよう言い聞かせています。

 

◆最後に松村さんにコメントお願いいたしました。

・K&Pパートナーズの「K」には我々が大切にしたい「感謝」の頭文字が含まれます。創業して10年があっという間に経過しました。杉浦さんとの出会いにより、K&Pの未来が開けました。メンバー一同、心から感謝しております。これからも末永く楽しい日々を一緒に過ごしていけたらと思っています。

 

ますます楽しみに感じています。松村さんこれからもよろしくお願い申し上げます。