明るい未来図を描こう、耐えることに慣らされず、かくあるべしという意志を明示していこう。

ー杉浦佳浩

明るい未来図を描こう、耐えることに慣らされず、かくあるべしという意志を明示していこう。


2020年 12月 28日

【今週の自戒】
〜明るい未来図を描こう、耐えることに慣らされず、かくあるべしという意志を明示していこう〜

この写真の通り日本人の民度は高い
彼方の国だったら、暴動が頻発している
そんなレベルの話も多いと感じます。

暴動を起こそうとは思わない
起こったとして加担する気もない
しかし、耐えることだけに
強いられるのもおかしい。
国家レベルでなく、
企業レベルになった瞬間
自社の強みにフォーカスしているにも関わらず
なにか大変だ!怖い!厳しい!と
ご丁寧にネガティブオンパレード。
悪いことだけを書かせる教育もあるまい。
だめなことばかりを書く日報もあるまい。
良かったこと、楽しかったことを
綴ることがセットであるはずなのに。

私自身は明るい未来を空想
妄想することは毎日の日課。
もっと仲間を増やし、
叡智を結集できる1年にしていこうと
思います。

そのためにも口先だけでの人にならずに
行動できる人でありたい、行動あるのみ。

今週もよろしくお願い申し上げます。
そして来年も。

【上手に語る人より「動き出す」人になれ】

桑原晃弥(てるや)氏の心に響く言葉より…

《上手に語る人より「動き出す」人になれ》
商工業を盛大にしなければいかぬという(中略)政治家、学者などもたくさんあったであろうが、そういう人々は自ら商売人に成りもせぬ、また成れもしなかった。(渋沢百訓)

トヨタには「診断士ではなく治療士なれ」という言葉があります。
生産現場を診断して問題を指摘しても、問題を改善しなければ意味がないという意味です。

物事は、批評するとか理想を語るだけではダメで、それを成し遂げて、初めて世の中に貢献したと言えるのです。
渋沢栄一が役人を辞した明治初めの頃は、官職に比べて商工業を一段下に見る傾向が強くあっただけに、理想を語る人はいても、「やってみよう」という人はとても少ないものでした。

官職を辞するにあたり、渋沢はこう言っています。
「学問があるとか、気力があるとか、知恵があるとか、そのほか一芸一能ある者は、みな官職に就くという傾向になって、民間に人物が少しもいない。
だから、上下のつり合いがとれず、国家の実力を発展させることができない。
このため自分は明日、辞表を提出する決心である」

将来を嘱望される中で、官から民へ転出するというのは、常識的には考えられないことでしたが、渋沢にはみんながやらないなら、自分がやってみせるという強い決意がありました。
大切なのは、理想を上手に語ることではなく、現実にやってみせることです。
実行こそが世の中を動かし、変えていくのです。

『逆境を乗り越える 渋沢栄一の言葉』リベラル社

本書の「はじめに」に渋沢栄一のこんな紹介がある。

『渋沢栄一は、2024年度からは新1万円札の顔としても登場します。
渋沢が約500もの企業の設立や運営に関わったことはよく知られていますが、それ以上に注目すべきは約600とも言われる教育機関や社会公共事業の支援を行ったことや、悪化の一途を辿っていた日米関係を改善するために高齢の身を押して幾度も渡米するなど民間外交に力を注いだことではないでしょうか。
渋沢ほど世界に目をむけた活動をする一方で、弱い立場の人たちに目を向け、かつそれを生涯実行し続けた企業家は世界でも稀有な存在と言えます。
大政奉還が行われた時フランスに滞在していた渋沢はヨーロッパに繁栄をもたらしている資本主義経済に触れ、銀行の果たす役割や株式会社のありようなどを懸命に学びますが、それはまさに明治維新の日本に最も必要な知識の1つだったのです。
帰国後、静岡藩、明治政府を経て実業界に転じた渋沢は目覚ましい活躍をしますが、その際、最も大切にしたのが「道徳に基づいた経営」であり、「自分のことよりもまず社会を第一に考える姿勢」でした。
資本主義はとかく弱肉強食の世界であり、格差を当然のように生みますが、渋沢が目指したのはそこで生まれる弱者に対しても優しい目を持つ資本主義でした。』

渋沢栄一には「論語と算盤(そろばん)」という名著がある。
自分の利益だけでなく、公の利益になる行為をするべきだという。
そして、経済と両立する道徳観を打ち立てるべきだ、と。

そのために必要なことは、学びを継続し、人格を磨くこと。
『上手に語る人より「動き出す」人になれ』

口先だけない、実践の人でありたい。

上記の【上手に語る人より「動き出す」人になれ】については人の心に灯をともすより引用しています。

写真のことばも下記に掲載します。

今年もはや年の瀬を迎える。ふり返ると、やはり山あり谷あり、そして、かつてない国難に苛まれたものである。

世界の情勢は厳しい。日本の世情もまた然り。政治は紊乱しているに近く、国民第一、公正無私が貫かれているとは言い難い。

その一方で、日本人は落ち着いたもの。災害に遭って感情を乱さず、忍ぶ力に長けている。身の丈にあったつつましい幸福のありかも知っている。それは成熟した大人の国民だからであり、高い民度のゆえであろう。

とはいえ、耐えることに慣らされたお人好しであってはならないのではないか。もう少し社会の矛盾に公の怒りを示し、是は是、非は非を叫ぶこと。誰もがかくあるべしという意思を明示できれば、暮らしは必ず上向きになろう。

さて来年。どんな社会が出現するのだろう。不安を煽る風潮もある中、だからこそ今、衆知を集め、未来を語りあうべきではないだろうか。国民の総意と努力で楽土を築けるという夢に賭けてみたい。明るい未来図を描ける日本の底力を世界に示したいものである。

この写真は月刊「PHP」2020年12月号 裏表紙の言葉を転記したものです。