ご縁結びのコーナー 第64回 GOODGOOD 合同会社 CEO 野々宮さん〜GOODGOOD な人生に踏み出されている、野々宮さんのお話し〜
2020年 05月 11日
いつお会いしたか、どなたの紹介か、よく判らないながらも、タイミング、ご縁の数々がすべてGOODGOODな感じで、繋がり、広がり、事業、しかも本業となって展開が始まっていらっしゃる。一次産業の中でもなかなか新規参入が難しいと言われる畜産業、そこで見事に結果を残し、これから事業を大きく拡大していこうとされている野々宮さんにお話しを伺いました。
【今から4年前の野々宮さんと】
◆出会った頃は弁護士事務所の事務局長さんでした。
恐らく、7、8年前だと思うのが、当時の肩書を私が覚えていたから。不確かな記憶を辿る際に、野々宮さんのプロフィールの年代別にお聞きしている時に、2012年秋頃〜翌年の春頃までにお会いしたのが初めてということだと認識しています。当時、弁護士事務所の事務局長という肩書、珍しいなというところ、どうも只者ではないという事だけは私も感じることが出来たので、頻繁にお会いするという感じではなくたまに情報交換をする関係でいました。
【弁護士事務所に訪問して、2014年6月頃】
◆学生起業家としてしかもなかなか聞かないスキームを活用して
ある時に、野々宮さんから学生時代、また社会人になってからのお話しをお聞きする機会がありました。当時ビックリしたポイントを。
・19歳で起業し、配当受益権の流動化スキーム、その後不動産の流動化、日本の金融自由化が始まる前から同様のスキームを活用するなど金融の新しい仕組みを自身で組成し、実現していくことを30歳までに経験していた
・大学生時代には自身の事業で富裕層へ
・一転 数億円の負債を抱える20代半ばで
・死物狂いで働き、その負債、借金を20代で完済
30歳までの10年間でジェットコースターのような人生を送っていたそうです。
起業することは以前から考えたいた野々宮さん、親御さんに頼らず自力に拘り、会社を立ち上げます。当時を振り返って、国民金融公庫に創業融資の相談に行った際、『大学生?親の連帯保証は貰える?』そんな会話しかなく、あてにならないところから、その後は起業資金をアルバイトで稼ぐ日々だったそうです。
ガソリンスタンドでバイトをしている時に、野々宮さんは高級車両を運転している人が来店すると進んで窓拭きをしながら大声で挨拶、そこから仲良くなった常連さんに自分の起業の夢を語っていたそうです。私もこの想いが今の野々宮さんの【原点】だと思いました。夢を語るからこそ周囲が応援してくれる。そのガソリンスタンドでの常連さんが野々宮さんのスポンサーとなってくれたそうです。
◆順調な起業家としてのスタート、そこから奈落の底へ
バイトで貯めた起業資金は200万円、それだけではやりたいことを始めるには全く足りない。せめて2000万は必要。自己資金を除いて1800万円を【大金持ち】【投資家】に出資を頼んでみたところ、誰からも色好い返事はなし。『1800万円の投資が無理だったら、いくらだったら出してもらえますか?』と質問を変えてみたところ『200万円だったらOK』という返事。さらに『200万円を出してくれそうな経営者の知り合いをあと8名紹介して下さい!』という依頼をしてみたところ8名の紹介へこぎ着けます。それで自己資金をプラスして2000万円資金で起業を事業をはじめます。まさに少人数私募債という形式で立ち上げに成功、この資金で飲食店を開店することになりました。
これが事業として大きな成功を収めることに。開店初月から黒字、地方都市に情報格差を利用しながら、平日でも来店が見込める、しかもこの事業に投資した投資家が自ら客として来る。友人知人を連れてくる、ある意味【社交場】のように活用され、当時の大学生では考えられない収入を手にしていたそうです。そのサクセスストーリーを見聞きした人たちから、事業のM&Aの相談が舞い込むようにもなり、野々宮さん自体が事業家から投資家的な立ち位置に変化していったそうです。経験値も上がり金融の勉強もし、順調に会社も成長しているように見えましたが、野々宮さんに当時のご自分のことを振り返っていただきますと、『ノリと勢いだけでやっていました、至らなさと限界も感じていた』冷静な部分もありながら、現場の大切さが見えずに大きな負債を抱えて事業継続を断念しました。それが20代中ばの頃だそうです。
◆大きな負債を見事に完済、その後 大仕事をやりきり 共同代表の地位に
事業がたち行かなくなって、目の前にある借金をどう返済するか?そこで手を差し伸べてくださったのが、当初の事業の【投資家】のお一人から、関係する上場会社との合弁事業の責任者として、野々宮さんを抜擢してくださることに。そこでは主に、不動産の流動化スキームを活用した事業を行い、折から金融と不動産とを組み合わせた【商品】がブームとなっており、その追い風で野々宮さんは必死に頑張り、借金完済にまでこぎ着けます。それも3年弱で。
事業開発、立ち上げに天賦の才能があられるからこそと感じます。
その才能が注目され、ある大手企業の再建の大所を託されることに。その大仕事をやりきり、結果を示した野々宮さんが迎えられたのが、クオンタムリープ社でした。SONYの元社長だった出井さんの会社ですね。
2度目に野々宮さんにお会いした際は、同社の共同社長の名刺を渡されひっくり返るほどビックリしたことを思い出します。その頃が30代半ばと記憶しています。
◆自分の事業を第三者に任す、そのあっさり具合にも驚きました
私と出会った頃、弁護士事務所の事務局長をしながら、その弁護士さんとの共同事業の一環で、【家賃保証】の会社を立ち上げていた野々宮さん、当時弁護士事務所が大阪、家賃保証の会社が東京と距離感もありなかなか事業が進展していないことを感じていそうです。事業家としてのお手本にと、たまたまご紹介した東京の経営者、虎石さん。紹介後すぐに意気投合、その後前述の家賃保証の会社を本当に価格を抑えて虎石さんに譲渡したとお聞きして驚きました。
決断のスピードもそうですが、人を見極める眼力もなかなかだと。おかげで私と虎石さんとの関係もより強固なものになりました。有り難いお話しです。
◆GOODGOODな人生を歩むため方向転換を決意
その後、野々宮さんは、元SONYの出井さん、元シャープ社長の片山さんと投資会社を設立、スタートアップへの投資、そこからのハンズオンでの事業開発、大手企業との連携に注力されていました。その設立当初にもお会いさせていただきました。私が感じましたのは『この人、どこまでも人としての伸びしろがある人だ』と感じました。経済界での実力者を巻き込んでの会社設立、しかも対等の関係性を保って。なかなかここまでやりきった人は見たことがありません。
金融と事業開発の世界で日々鎬を削って奮闘し、どこまで事業家としてやりきるのか?と思っていた矢先に、野々宮さんから『相談したいことがあります』と連絡をいただきました。
そこで出てきたのが、【GOOD GOODな世界観】ピリピリ張り詰めたビジネスの世界だけではなく、これからの人生、地球規模での問題を解決できること、その中でも【食】への危機感を事業ドメインに据えて頑張りたいと打ち明けてくださいました。しかも全く今までのキャリアとは程遠い、一次産業、畜産業に携わりたいと。お会いした当初から会うたびに驚きの連続でしたが、この時は一層驚きましたね。まさか一次産業へとは。
私から、その知見、知識拡充に役立てばと思って、熊本の産山村の放牧牛、北海道のどろぶたこちらに繋がる方々をご紹介させていただきました。
◆さすが!事業の立ち上げのスピード感にビックリ
2016年の夏頃と記憶していますが、熊本と北海道双方に放牧されている牧場に訪問された、野々宮さん。そこからじっくり勉強されてから事業を打ち出すのかと思いきや、ほどなく連絡があり、『自分が追い求めた畜産、放牧とまさにドンピシャのイメージでした!』という報告と共に『一緒に事業をやる約束を取り付けました!』と続きました。そのスピード感にはさすが事業開発のプロフェッショナル、今まで経験したかどうかは関係なく、やるかやらないかの判断軸で突き進んでいかれるのは業界は関係ないそう感じました。
その翌年春にはお店(精肉店とイートイン)が苦楽園にオープンしました。GOODGOODMEAT苦楽園店として、ご本人自ら店頭に立ち、接客しながら、大きな手応えを感じたそうです。牛が本来食べない、穀物などで無理やり作った霜降りの塊を和牛と称して食するのではなく、肉本来のうまみに拘った、牧草牛を提供し【美味しい】を発信していらっしゃいます。
【GOODGOODMEAT社のポリシー、まさにソーシャルグッドです】
現状は、
業務販売→牧草牛のレベルの高さを理解する、高級レストランを中心に卸売をしています。
ネット販売→実店舗とオンラインを組み合わせた販売を展開されており、エリア外からの集客にも注力しています。
実店舗→苦楽園の次に、札幌へも出店を計画中だそうです。
生産→当初は生産委託のみでしたが、阿蘇市に200haの直営農場を保有しています。またさらに違うエリアにも進出を計画しています。
【GOODGOODMEATナンバ店にて、2019年4月頃】
NYで飲食店のあこがれのイベント(ブルックリンの毎週末開催の食フェス→簡単に出店できるものではないそうです)、【スモーガスバーグ】が大阪で開催された際に、たった1店のみが本場NYに出店する権利を勝ち取るグランプリにGOODGOODMEATが選出されました。これも【美味しい】を実践され続けてこられたからこそだと感じます。素晴らしいですね。そのイベントはこちらです。
◆野々宮さんにコメントも寄せていただきました
20代のころ僕は、資本や権利を扱う切った貼ったの菩薩様も避けるような世界で仕事をしていました。30代になりやっとそれらと上手に付き合える技術を身につけました。
深化と多様性の時代、消費者も成熟し、「仕事」を「仕事」としてやってると、通用しなくなってきました。ですので、僕は「仕事」を「遊び」のようにマニアックに楽しみながら進めることにしました。
大好きなお肉を1000年後も食べ続けらる世界であるように、これまでの事業創造や金融のスキルをお肉の世界に集中投下しています。
お肉の価値や、畜産に関連する有形無形の資産を流動化させ、インテリジェンスとリスクマネーがもっと畜産界に流入すればイノベーションが加速するはずです。
お金が増え金融資産の価値が目減りする一方、相対的に文化資本の価値が上昇しているように感じます。
トコトンやらないと文化なんかうまれるハズがないので、とりあえずまぁ自分の好きな雰囲気のお肉周りをトコトン掘り下げています。
結果、他業界の同じような人と仲良くなって、お互いの「遊び」を紹介し合っています。
とても楽しいことなんですよ。
杉浦さんと出会ってからは、人生の要所要所で、相談と言うよりは、半ば勝手な宣言のようなかたちでお話をお聞きいただいています。
ちょうどお地蔵さんにお参りするような感じですね!そうしたらなんと、お地蔵さんはいつも、その後の人生に必要なモノをスッとさりげなく与えてくださるのです。
僕が今の生き方を実行出来ているのは、間違いなくお地蔵、、杉浦さんのおかげです。
そうして、モノゴトが不思議と順調に進み、そのお礼参りにお会いすると、これまたいつもニコッーとBig Smileで応えてくださいます。
お礼参りの帰路、お地蔵さんにしてはあまりにマブしいあのお姿、ありゃもしかして菩薩様だったのかな??と思うのです。
野々宮秀樹
上記のコメントを寄せていただきました。私も野々宮さんの素敵な笑顔がますますグッドグッドになられていくこと、私の喜びでもあります。私も長いお付き合いをお願いしたいと思います。
最後に、4月早々に嬉しいリリースが2つ発表されました。
一つは、【次世代型畜産ベンチャーGOODGOODが世界初の「和牛メゾン」構築にむけて、北海道厚真町と契約調印】というもの。以前から伺っていてワクワクするお話しがようやく。震災復興も相まって素晴らしいリリースとなっています。詳細はこちらです。
そしてもう一つが、資金調達のリリース。【畜産ベンチャーGOODGOODが、ロート製薬などの出資により、約1.9億円の資金調達を実施(2020年3月31日現在)】という見出し。株式会社フェリシモ(東証1部 3396)のCVCである株式会社hope forをリード投資家とし、ロート製薬株式会社(東証1部 4527)、サラヤ株式会社、株式会社フジヒサリアルエステート、農業法人有限会社アズ、その他エンジェル投資家を引受先とするシリーズAラウンド増資に名乗りを上げました。なかなか有名所が応じていらっしゃいます。資金調達に関する詳細はこちらです。
ご相談いただいてたった4年でここまでの事業組み立てと実践、素晴らしいと思います。ますます野々宮さんの活動を注視していきたいと思っています。