【今週の自戒】素敵な言葉選びができる人に。

ー杉浦佳浩

【今週の自戒】素敵な言葉選びができる人に。


2024年 06月 24日

【今週の自戒】
素敵な言葉選びができる人に。

上皇后 美智子様の言葉素敵ですね。
出来なくなったことを嘆くのではなく
出来ていたことを喜び
出来なくなったことに感謝を
全てを受け入れることができる人に。

先日、ある二人の経営者さんが
対話されている近くでお話を聞く
そんな場面がありました。

Aさん、役員が成長しない
社員の生産性が低い
新商品がうまく行かない
出来ていないことを嘆き
他責になりがちの発言の繰り返し。

Bさん、自分の状況を把握し
何が出来ていないか
今何が必要か
そして全てを受け入れ
未来へ一歩を踏み出す
勇気と覚悟、腹が座った物腰
全てが自責で話していました。

過去から現状にかけて
Aさんは昔の良かった資産で生きている
Bさんは厳しい環境ながら、前を向いている
数年後、おそらくBさんは右肩上がりに。
そんなことを考えながら二人の対話を
聞いていました。

この世に生を受けた時は、
何も持たずに歩んできた
同様に起業当初は何もなかった
そのことを思い浮かべながら
今恵まれている状況は全てが感謝へ。
どんな厳しい環境であっても
受け入れる素養を身につけて行きたいと
写真を見ながら、二人の経営者の対話を聞いて
想い感じ入りました。
素敵な言葉選びができる人でありたいと思います。

今週もよろしくお願い申し上げます。

【南無地獄大菩薩】
藤尾秀昭氏の心に響く言葉より…

強く心に残っている話がある。
ずいぶん昔に禅の高僧、松原泰道師から伺った話である。
A氏とB氏は二十年来の俳句仲間である。
共に経営者だが、経営の話などしたことはない。
ところが、B氏が事業に失敗する。
再建に奔走するが万策尽き、やむなくB氏はA氏に援助をお願いした。

黙って話を聞いたA氏は「私にとっては大金なので即答しかねる。
明朝九時に拙宅(せったく)にお出でいただきたい」と答えた。

翌朝、約束の時間にB氏はA氏を訪ねる。
通されたのは茶室だった。
だが、A氏はなかなか現れない。

茶室の床の間に一幅の軸が掛けられていた。
書かれているのは筆太の文字で「南無地獄大菩薩(なむじごくだいぼさつ)」。
もし願いが叶わなければ破産、自殺するしかないいまの自分を迎えるのに、こんな軸を掛けるとはどういうつもりか、とB氏は苦味(にがみ)を飲み下すように思いながらA氏を待った。

だが、それでもA氏は姿を現さない。
やむなくB氏は床の間の「南無地獄大菩薩」を見つめていた。

すると、その文字がじんわりと心に沁みてくるような思いにとらわれた。
いままでの自分は地獄から逃げよう、逃れようとばかりしていた。
だが、自分が直面している現実からは絶対に逃れられない。
ならば思い切ってこの地獄に飛び込み、死んだ気になってやってみよう、という思いが湧き上がり、次第にそこに固まっていった。
決意が定まると、心の中に一条の光が射し込むような気がした。

その時、A氏が現れた。
待たせた詫びを言い、一服の茶をすすめる。
飲み終えてB氏が礼を言うと、A氏が質問した。
「この軸は白隠の書いたものだが、何かを感じさせましたか」。

B氏は答えた。
「この文字が私に初めて、人の嫌う地獄を大菩薩と素直に受け入れる気持ちになれ、ということを考えさせてくれました」
「破産の痛手に自決を覚悟していた私には、この軸は天来の教示(きょうじ)です。 すぐにおいとまして、地獄の底破りに努力いたします」

この話の出典は柴山全慶(ぜんけい)老師の『越後獅子禅話(えちごじし)』である。
一語(いちご)よく人を生かした典型のような話である。
言葉は偉大な力を持っているが、同時にその言葉を受け取る側の力量も問われる。
真実の言葉を受け取り、受け入れるだけの人間的器量を養っておきたいものである。

『小さな幸福論』致知出版社

行徳哲男師の「感奮語録/致知出版社」にこんな話があった。

『「大事到来、いかにしてこれを避くべくや」という禅の公案がある。
「酷暑到来、酷寒到来、いかにしてこれを避くべきや」。
その答えは「夏炉冬扇(かろとうせん)」。
そんなに暑かったら囲炉裏にあたっておけ、そんなに寒かったら扇をつかっておけ。
暑いときには暑さの中へ入れ、寒いときには寒さの中へ入れ、そしてそれを突き抜けろ、ということである。』

絶体絶命の大事と出合ったら、逃げずにそこに入り込み、浸りきることが唯一の解決策だというのである。
逃げれば、不運が追いかけてくる。
地獄に行ったら、とことん地獄に浸りきる。

「これより他に道はなし」、という気持ちになることだ。
寝食を忘れて、懸命に目の前の一事に打ち込めば、運命は必ず好転する。

「南無地獄大菩薩」という言葉を胸に刻みたい。
上記の【南無地獄大菩薩】については人の心に灯をともすより引用しています。