遠回りの大切さもなんとく分かってやってきてよかった。

ー杉浦佳浩

遠回りの大切さもなんとく分かってやってきてよかった。


2022年 03月 28日

【今週の自戒】
〜遠回りの大切さもなんとく分かってやってきてよかった〜

・最小の資本と人で最大の付加価値を上げる
短期間でありましたがKEYENCEの基本として
一番体感できたと、体内に擦り込めたことが
感謝しています。
KEYENCEで入って学べたことには、
コミュニケーションレベルの高さ、
一騎当千
課題発見能力
こんなところだと思います。
仕事の中でこの最大の付加価値追求を上げる
しかも最短距離、効率化という前提を掲げて。
今もこの教わったことを大切にしながら
遠回りの大切も理解して、行動している自分もいます。
自分の中でのイメージはハイブリッドエンジンを
持ちながらって感じ。

縁距離を大切に この書、言葉を見てまさにと
思いました。
時間軸、距離感、頻度、ご縁が深まっていくことに
効率化は対極にあるように思います。

なんとなく何十年というところから
じっくりやることも大切。
薄っぺらいご縁、短期的、強烈なスピードでお互い走って
ガードレールにぶつけて大怪我するようなことも
今までたくさん見てきました。
遠距離は縁距離。そんなことを意識をして
春の出会いのシーズンに突入したいと
思います。
今週も
よろしくお願い申し上げます。

【遠くすること】
萩本欽一氏の心に響く言葉より…

ぼくが番組を作ってた時にやっていたことは、“遠くする”ことだけなんです。
例えば、番組にちっちゃい子を出演させたいと思ったとするでしょ。
するとテレビ局の人間はすぐに「じゃあ、児童劇団に電話をしましょう」って言う。

「少なくとも100人は来ますから、その中からオーディションで選びましょう。すぐに決まりますよ」
「なるほど。それ、やめてくれる?」
「えっ? 今までずっとそのやり方できたし、それが一番早くて確かなのに……。じゃ あ、どうやって探すんです?」
「それはぼくからは言えない。でもそれを考えたら、必ず番組は当たるよ」

ぼくにそう言われたディレクターは、若いスタッフ二人を呼んでこう言ったの。
「番組で必要なのは、小学校に上がる前くらいのちっちゃな子。以上。探してこい!」
二人はいろいろ考えて、毎日夕方、幼稚園の前に立つことにしたわけ。
ずいぶん怪しかったんでしょうね。
二回、警察に連れていかれて、事情を聞かれたみたい。

そして二カ月後にディレクターが「大将、一度、我々が探した子どもに会ってください」って言ってきた。
「ぼくが見て、この子、よくないねって言ったら、お前たちが警察に連れていかれたことも、二カ月かかったことも、全部が無駄になるんだよ。ぼくはそういう無駄はしたくない。その子に決まるまでの物語を聞いただけで、当たるのはもうわかってる。 だから本番に連れてきなさい」
スタッフはちょっと不安そうだったけど、二人が見つけてきたその子で視聴率は 二〇%いきましたよ。

それが、“遠くする”ってことなんです。
児童劇団に電話したら一日で決まることに二カ月かけた。
それでずいぶん遠くなってる。
警察も、遠くするのにひと役買ってくれた。
そこにちゃんと物語が生まれて、しかもいい物語になっている。
物語っていうのは、すごく大事なの。

伝記を読んでご覧なさいよ。
出世した人、成功した人で物語のない人は一人もいない。
貧乏したとか、悲しい思いをしたとか、苦労したとか、なかなか芽が出なかったとかって話が溢れんばかりに書いてある。

遠くする、ことで、何もないところに物語が生まれて、その物語が豊かになってくる。
それだけの物語があったら、成功する のはもう決まったも同然なんです。

“遠くする”っていうのは、ぼくが笑いの修業をしてきた中で、最終的に気づいたこと。
一番難しくて、一番笑いになることの急所はこれだって。
今、若手と作っている 「軽演劇のレッスン100」で言えば、九十九番目。
これは、芸をしっかり覚えることだけじゃなく、他のいろんなことに当てはまるんじゃないか、と思って試してみたら、確かにぴたりとはまった。
テレビも、野球も、全部。

ぼくはすぐに手が届くっていうのはよくない気がする。
なんでもいいから、“遠くする”のをおすすめしたいですね。
そうすると、すぐに手が届いたときとは違うものが 手に入ったり、感じたりできると思う。
ひと味違う成功が、手に入るんじゃないかな。

『人生後半戦、これでいいの』ポプラ新書

「遠くする」ことは、自分が「少し損して生きる」ことと似ています。
我々は子どもの頃から、「最短で」「最小の金額で」「手間を減らす」「面倒をなくす」という効率を最大化する方法が善である、と教えられてきました。

しかし、遠くすると、少し「時間がかかっても」「お金がかかっても」「手間がかかっても」「面倒でも」やってみよう、行動してみよう、という価値観となります。
すると、「お先にどうぞ」が言えたり、「人にゆずること」ができたり、「手間がかかっても丁寧な仕事」をしたり、「面倒なことも」進んで引き受けたりできるようになります。
そして、鋭(するど)さが消え、おおらかさや、やさしさ、あたたかさが出てきます。

吉田松陰のいう「狂愚まことに愛すべし、才良まことにおそるべし」です。
頭のいいだけの理性や理屈の人間は、鋭(するど)すぎて、まことにおそろしい。
愚かしい人間こそ感性豊かで、どこか抜けていて、味があって、素朴で、誠実で、情があって、時々ボーっとしていて、どっしりしているということです。

効率も必要ですが…
ときには、「遠くする」というアプローチも大事です。

上記の【遠くすること】については人の心に灯をともすより引用しています。