変化に柔軟には当たり前、物語があるのか?引く力があるのか?

ー杉浦佳浩

変化に柔軟には当たり前、物語があるのか?引く力があるのか?


2020年 08月 24日

【今週の自戒】
〜変化に柔軟には当たり前、物語があるのか?引く力があるのか?〜

これだけ時代が変わる、
周囲の景色が一変する、等々
もう当たり前ですね。
その先に必要なこと、
考えたり、聞かれたり。

歴史ある会社、事業を継続的に
人との縁が切れない人
思い浮かべたり、訪問したり。

『お爺さんに大変お世話になりました』
とか
『社名変更をするのに大騒動があった』
取り巻くお客さん、社員さん、
関わるたくさんの方々が人垣となり
時代を経て【礎】となっていく。

1000年続く会社が9社あるそうですが、
その中でも食べ物を出しているのは1社(店舗)だけ
1店舗のみ(京都の炙り餅)
賞味期限は当日限り
ECもやっていない
記録がないので実際は何代目かわからない
1000年前から同じ場所、同じ味。
そこにはたくさんの物語があります。
食べるお守り
神社へお参りの帰りに食べる神餅
無理をしないで、やるべきことを
淡々と積み重ねて1000年、
ここには、たくさんの物語と
もう一つ、【引く力】の存在が
あるからこそだと思いました。

時代は、アピールしたものがち。。。
以前から、このアピール、アピールに
私はどうかなと思うところがありました。

その表現、説明に使っていたのが、
【手のひら】でした、
そのまま見るのでなく、
手のひらを90°傾けて見ると
薄っぺらい。(当たり前ですね)

薄っぺらい部分を見せずに、
手のひらだけを見せようとしている
そんな人が昔いました。
手の甲もあれば、線に見えることも。
手のひらという広い面だけで
自分を表現している人はまさに
薄っぺらい。アピールだけ。
飽きられることも早く、
人垣も気づけば崩れている。
5年も経てば付き合う人も
様変わり。。。
それじゃ、1000年なんて夢のまた夢。

これってまさに【引く力】
物語と引く力双方が相まって
変化に順応していく大きな力へ。

これから、ますます
あの人に会いたい
あの人と仕事がしたい
あの人と話したい
ということが、
大事な時代へと入っている。

たくさんの失敗談や
おもしろ話を持ちうる人生を。
今週もたくさんの出会いに感謝。
よろしくお願い申し上げます!

以下のお話は
まさに引く力の話。
引くからこそ見えてくること
たくさんありますね。
私も社会人スタート時
証券会社入社前に
何も勉強していない自分がいました。
変に隠し事することなく
自分は全く素人
一から勉強しようと
開き直ってからが
強かった。
バカで上等。
人生まさにそこからですね。

【なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか?】

レストラン ラッセ オーナーシェフ、村山太一氏の心に響く言葉より…

僕は東京の目黒で「ラッセ」というイタリアンレストランを経営している料理人です。
店を開業する前は、伝説のイタリア料理店「ダル・ペスカトーレ」で修行していました。
イタリア国内で最長の26年間三ツ星を保ち続ける、世界最高峰のレストランです。

そのレストランで僕は、ファミリーを除いたトップの副料理長に日本人で初めて就任しました。
また、史上初のシェフ代理として、オーナーシェルの不在時に1週間ほど店を任されました。
たとえるなら、日本人の僕がサッカーのイタリア代表にいきなり選ばれて、毎日ワールドカップの決勝戦を戦うようなものです。
本当に刺激的な日々を過ごしました。

その後2011年に帰国し、今の店をオープン。
半年でミシュランの一ツ星を獲得して以来、9年間にわたり星を保ち続けています。
はたから見れば成功しているように見えたかもしれませんが、実際は長時間労働が常態化し、人間関係は最悪。
経営もギリギリでした。
スタッフは幸せじゃないし、僕も幸せじゃない。
このままではまずい。

そう思って、サイゼリやでバイトして学んだら、人時生産性(従業員1人の時間当たり生産性)が約3.7倍になり、劇的に経営を改善できたんです。
その結果が、こちらです。

●スタッフ1人当たりの年間売上850万円→1850万円(約2.2倍)
●経常利益率 8%アップ
●労働時間 16時間(8時~24時半、休憩30分)→9時間半(10時間半~22時、休憩2時間)(約4割減)
●従業員数 9人→4人(効率化により少人数で店を回せるようになった)

生産性がどんどん上がっていくと、ストレスもなくなっていくので、スタッフ同士も仲良しになりました。
僕も、みんなも、どんどん幸せになっていったんです。

その後、さらなる危機が訪れました。
新型コロナが世界中で蔓延し、困難な時代が続いています。
今回の危機で、多くのレストランは大打撃を受けました。
特にキツかったのは、3~5月の3ヶ月間。
多くの店は自粛や時短で売上が立たず、資金がものすごいスピードで底をついていきました。
名店と言われる星付きレストランでさえも、バタバタと閉鎖に追い込まれていったんです。

僕はいつも、スタッフを幸せにすることを考えています。
絶対に倒産させてはいけない。
赤字にするわけにはいかなかったんです。
そのことだけを考えて、僕は無我夢中で動き続けました。
もちろん、スタッフの命を第一に優先しながらです。

そうしたら、3~5月が黒字だったんです。
「飲食業界の奇跡だ」とまで言われました。
コロナ禍で黒字を達成できたのは、僕が原理原則を守っていたからだと思っています。
この原理原則に沿っていれば、どんな困難な時代でも必ず生き残れます。
あなただけの幸せを築き、守っていくことができます。

イタリア最高峰のレストランでキッチンを任せてもらえたのも、帰国後にオープンしたレストランがミシュランの星を9年連続で保ち続けているのも、そのレストランの経営改善を続けて黒字体質になってきたのも、僕が毎日楽しく幸せに生きているのも、僕が原理原則を守り続けてきたからなんです。
その原理原則とは、「より良い方向に変化し続ける」ということ。
当たり前のことではありますが、これ、できていない人が多いんです。

それを法則化してみて、気づいたんです。
「これ、必勝法じゃん!」
僕の知っている成功者も、やっていることばかりでした。

その必勝法とは「落とし穴に落ちない」で「最短で成長する」というものです。
具体的には、この2つです。
●サバンナ思考…「危機感×気づき×即行動」のサイクルを高速で回す危機回避術。
●マヨネーズ理論…一流や世界一のやり方をマネして丸パクリするショートカット術。

この2つの必勝法は、全てバカの強みを生かしていくものです。
ちなみに僕がどれくらいバカだったかというと、高校の成績はビリから2番目で、偏差値は37!
学校の宿題はいっさいしませんでした。
好きなことに時間を使うと決めていたので、高校を卒業できたのは奇跡です。

バカって決して恥ずかしいことではないと思うんです。
むしろ、吹っ切れちゃえば強みですらあります。

『なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか?』飛鳥新社

村山氏はサイゼリヤに勤め始めたときのことをこう語る。
『「ミシュランの星付きシェフがバイトに来るって本当かよ?」
2017年4月、サイゼリヤ五反田西口店はザワついていたようです。
それは、僕がサイゼリヤでのアルバイトを始めた日です。
僕はと言えば、人のお店で働くのはMUJI(イタリアからの帰国直後、頼まれて仕事をしていた)に勤めていたとき以来なので、7年ぶり。
初心に返ってワクワクしていました。
「よろしくお願いします!」とその場にいた店長さんやスタッフに頭を下げました。
ツールの置き場所や料理をスムーズに提供する動線など計算されつくしていて、仕組みやマネジメントのレベルが群を抜いていることはわかりました。
何より、僕が衝撃を受けたのは、サイゼリヤには上下関係がほぼないところです。
高校生からシニアまで、さまざまな年齢、立場の人が一緒に和気あいあいと働いているので、「なんなんだ、この楽しい世界は!」と感じました。

僕がずっといた高級店の世界では、「仕事は盗んで覚えろ」が常識。
仕事をロクに教えてもらえないし、先輩は常に上から目線で下にいばり散らしていました。
ところが、サイゼリヤでは高校生でも「こっちのお皿から洗ったほうが早いですよ」なんて教えてくれる。
僕がモタモタしていても怒鳴られることはないし、手を貸してくれる。
働きやすい職場とはこういうものなんだ、と僕は感動のあまり涙ぐんでしまったぐらいです(笑)。
その日の夜、僕は今までの自分の行動を振り返りました。
今までに修行した店では、厳しい職人の世界と言えば聞こえはいいけど、不条理で不合理なやり方がまかり通っていました。
本当は、僕はそんな世界が大嫌いでした。
でも、いつしかそんな思いは忘れてしまっていた。
僕も先輩たちと同じように、スタッフに丁寧に仕事を教えないし、「黙ってオレの言うことを聞いていればいいんだ」的な考えに支配されていました。
その結果、スタッフは委縮していつまで経っても仕事を覚えられないし、僕の顔色を窺うようになっていました。
ピリピリしたスタッフたちがお客様の前で喧嘩して、それが不快だったというレビューがグルメサイトに投稿されたこともありました。
僕は、それはスタッフのメンタルが弱くて、力量がないからだと思っていました。
しかし、人が定着しない、殺伐とした生産性の低い構造をつくった僕が全部悪かったんです。
スタッフにも幸せな人生を送ってもらいたいと思っていた、かつての僕の理想郷がサイゼリアにはありました。
外の世界に飛び出してみないと、自分のしていることはなかなか客観的に見られないものです。
今の環境とは違う世界に身を置いてみると、たくさんの気づきが得られるのでオススメです。』

飲食のシェフで、これだけの経験を積み、名声を得ているのに、サイゼリヤでバイトをする、という人を絶えて聞いたことがない。
それは、高級店が上で、ファミレスが下だという訳ではないのに、ほとんどの高級店のシェフは客単価の低いチェーン店やファミレスをバカにしているからだ。
しかも、バイトに行った先で、高校生が上司となっても、嫌な顔をせず、「はい、はい」と指示にしたがう。
驚くべき謙虚さと、偉そうにしないその姿勢だけで、この本は読む価値があるかもしれない。

多くの人は、年を重ね、経験を重ね、役職が付いたりすると、偉そうな気になってしまう。
つい、言葉遣いもぞんざいになり、後輩に対して上から目線の命令口調になってしまい、威張るのが常だ。

謙虚に学び、成長し続ける人でありたい。

上記の【なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか?】については人の心に灯をともすより引用しています。