肩の力を抜いてみよう世界が広がる、そして領域外へ行こう

ー杉浦佳浩

肩の力を抜いてみよう世界が広がる、そして領域外へ行こう


2020年 07月 13日

【今週の自戒】
〜肩の力を抜いてみよう世界が広がる、そして領域外へ行こう〜

昭和の毒舌、破天荒と思い浮かべるのは
今東光さん、無茶苦茶オモロイおっさんでした。
僧侶、小説家、政治家という経歴、幅広さ。
言い放った言葉には、
・遊んで遊んで遊びつくせば、何かに突き当たって、つかむものがある。
人生とは、何もやらない虚無よりも、たとえ失敗しても、
傷心の方がはるかに貴いものなのだとオレは思っている。
空々寂々たる人生なんて、糞食らえ、と思うべし。

・平和になりすぎたら文明も文化も栄やしない。
世界は一つにとか何とか甘いこと考えるな。
そんなふざけたバカなこと考えちゃいけない。
常に破壊と建設、建設と破壊というものは縄をなうようにしていって、
そこに人間の生活が生まれ繁栄していき、人生を形づくっていくんだ。

この言い放つという心地よさ。《行儀良く》ということに
あまりにも縛られた世の中へ今こそ必要に思います。

先日お会いした、大手企業の方、
同じ会社に四半世紀は勤めている感じ、
現状の仕事は、現場で働く社員さんの
サポート業務だそうで。
ご本人から出てくる言葉は、
『現場の指導しています』を連発、
私からいろんなお話を展開しても、
自分の会社の枠組み内のみ、
現場への上から目線、という感じでした。
私から
『社外とのリレーションは?』と聞くと
『全くありません』という返事。
これでは、指導される方もタマッたもんじゃない。
現場に寄り添う、現場とのコミュニケーション
得られる情報の大切さ、指導というより
情報の循環をやってます、くらい言えないのか?
と感じました。

また、ある経営者の事業概要をお聞きする機会で
立て板に水とはこのような話し口。
素晴らしいの一言。
しかし、狭い自社領域に話が終始、
今の時代が継続するという仮設、架空設定での
事業説明でした。変化はもっと激しい、
この激動の世の中、今の時代が10年先まで
保証されるものでもないと感じます。

このお二人に共通するのは
もう少し肩の力を抜いてみること、
もっと世の中、世界は広い
領域外の世界をもっと見ようよ
と伝えましたが、聞く耳はないようでした。。。。

今一度、視野を広げる、
広げられる1週間に。
今週もよろしくお願い申し上げます!

今東光さんが言い放った言葉で
一番好きなものが、
『人生はな、
冥土までの暇つぶしや。
だから上等の暇つぶしを
せにゃあかんのだ。』
この言葉を初めて聞いたのは
私が、小学校か中学校、
自分への時間投資の大切さを
強烈な印象、昭和の怪物に教えて
もらったと思っています。感謝。

新しい領域へ行くためには
大きな時間投資をしないと
行き着きません。短期間では
すぐに追いつかれる。
簡単便利は禁物です。。。。

【新しい領域へのGiveをスタートすること】
小山龍介(りゅうすけ)氏の心に響く言葉より…

これまでの領域から離れて、新しい領域で事業を開始するには、当初、かなりの投資が必要になります。
投資はお金というだけでなく、時間というもっとも貴重な資源の投資が絡みます。
人生の時間は有限であり、一刻も無駄にできません。
お金以上に、そうした時間投資を最小化するための方法がリーンスタートアップでした。

投資というのは、もちろんリターンを期待して行うものなので、投資をするにあたって「儲かるかどうか」「報われるかどうか」が、投資の判断基準になるかと思います。
確率は低いけれども大きなリターンが期待できるからと、ベンチャー事業に投資する人たちもいます。
しかし、問題は「いつ」このリターンを得らえるような投資をするのか、ということです。
このリターンを短期的なものに設定すればするほど、すぐに結果が出ることばかりをやることになるので、領域の広がりは限られてしまいます。
事業の射程がどんどん短くなっていくのです。

将来に向けて大きく発展する事業をやっていきたいと思えば、遠くのターゲットに向けた射程の長い、できるだけ遠い未来にリターンが戻ってくる投資をするべきです。
じっくり時間をかけて取り組む事業です。
時間がかかる事業であればあるほど、他人からキャッチアップされることも難しく、それだけ競争優位が働くともいえます。

別の言い方をすれば、たくさんの時間を投じたあとに、ようやく自分の利益を得ようという考え方です。
この意味で長期的な投資というのは、本質的に贈与性を帯びています。
すぐに利益を期待していないからです。
企業のR&Dも同様です。
既存事業の収益を、企業の未来、社会の未来に向けて贈与している。
そんなふうに考えることもできます。

よく、さきにTakeを考えるのではなく、GiveしたあとにTakeする「Give&Take」という話がありますが、これは贈与の原則を語っているものです。
そしてこれは長期的な人生の投資も同様なのです。

こうした贈与を、昔は自分の所属している企業に対して行っていました。
人生の時間をGiveすることによって終身雇用というTakeがある。
その関係が成り立っているときにはよかったのですが、あのトヨタ自動車でさえ終身雇用制度は難しいと言っているときに、Giveの対象は所属企業だけでよいとは言えなくなってきました。

そんな時代においては、新しい領域へのGiveをスタートすることが重要です。
これは早ければ早いほどいい。
それだけ時間というリソースを長い間、投資できるからです。

『在宅HACKS!』東洋経済新報社

小山氏は本書の中で、『“場”とGiveの関係』についてこう語っている。

『場の研究所の清水博先生は長年、場を研究されていく中で、その根本原理に与贈循環があると指摘されています。
与贈というのは、贈与をひっくり返した言葉で、贈与の中でも匿名での見返りを求めないものを言います。
この与贈が自分のいる《場》に対して行われると、その《場》が豊かになっていきます。
《場》が豊かになっていくと今度は、その《場》から自分への与贈が居場所というかたちで返ってきます。
循環が起こっているのです。

たとえば、家族のためにケーキを買って帰るとします。
そうすると家族との関係もよくなり、家庭という《場》が豊かになります。
そうすると、自分の居場所もできる。
与贈は居場所づくりの方法なのです。

在宅勤務になると、実はこの居場所づくりを意識的にやる必要が出てきます。
これまでは会社という、自動的に与えられた居場所がありました。
しかし、物理的にその場所から離れたときに、人は会社に居場所があるという実感を失います。
そのことが、やがてメンタルにも響いてくるのです。
今まで意識してこなかった、居場所を作るための取り組みが必要になるのです。
その居場所は、会社の中にとどまりません。
むしろ、会社という小さな枠組みにとらわれることなく、最終的には地球全体が私の居場所と思えるくらいのスケールで、世界と向き合うことも可能です。
そういう視野で活躍する人は、ものすごく大胆なプロジェクトを成し遂げていくでしょう。
在宅勤務は、会社という小さな居場所を失う働き方です。
しかしそのことによって、世界という大きな居場所を獲得する機会を与えてくれる働き方でもあるのです。』

R&D(研究開発)の、「R」は“Research”(研究)、「D」は“Development”(開発)を意味している。
長期の研究開発も、ここでいうGiveということになる。
短期のリターンを期待しないからだ。
年齢を重ねれば重ねるほど、自分の「場」がどれだけ(いくつ)あるかが大事になってくる。
もし、会社しか自分の「場」がないとすると、定年退職してからの人生は暗い。

GiveなしにTakeだけを求めようとする人は、自分の「場」をつくることはできない。
場づくりへの、時間と労力はすべて持ち出しとなるからだ。
その手間をかけることが嫌な人は、「場」づくりはできない。

長期の研究開発と同じで、どれだけ長期にわたって見返りを求めず、Giveし続けたか。
そして常に、新しい領域へのGiveをスタートすること。

自分の「場」という世界を広げたい。

上記の【新しい領域へのGiveをスタートすること】については人の心に灯をともすより引用しています。