過去を参考に 未来にワクワク 今ココ自分! って感じでどうでしょうか。
2019年 03月 25日
【江戸の働き方と文化イノベーション】
岐阜聖徳学園大学教授、加納正二氏の心に響く言葉より…
江戸時代の武士は謹厳な勤務を強いられたようなイメージがあるが
三田村鳶魚によれば、江戸の武士は「三番勤め」といって三日に一
仕事量に比して武士の数が多すぎたため、ワーク・シェアリングと
建前としては、非番の日は武芸の鍛錬と学問を修めるための時間と
しかし武士は休日に副業を行うようになった。
江戸時代、下級武士が暇を持て余し、副業として文筆業を始めた現
筆者が考える江戸時代の文化イノベーションの時代は二度ある。
元禄時代と田沼意次時代である。
元禄時代は貨幣経済の発達に支えられ幕府の中央市場と諸藩の地方
これに伴い全国的な交通網も整備され、文物の交流も盛んに行われ
経済活動は社会を豊かにし、暮らしに文化をもたらすが、逆に文化
元禄時代には多くの書籍が版行される「出版イノベーション」が起
これら三大文人は異常な性格をもつといわれる五代将軍徳川綱吉統
一方、田沼時代になると田沼意次は革新的な経済政策を行い、自由
天明時代の人々は、四民(士農工商)の区別なく狂歌会に参加し、
中心となった人物は下級武士の大田直次郎である。
大田直次郎は大田南畝(おおたなんぽ)、四方赤良(よものあから
大田直次郎は七十歳を過ぎるまで役所に勤めながら、副業の文筆活
庶民からも支持される天明狂歌の大ブームを起こした武家文人大田
残念ながら五代将軍徳川綱吉も田沼意次も悪名高く、マイナスの部
『江戸の働き方と文化イノベーション』三恵社
徳川綱吉は暗君、馬鹿殿のイメージが強く、とりわけ「生類憐みの
確かに、動物を殺すと死刑になるという極端である意味メチャクチ
綱吉以前は、江戸市中でも喧嘩が絶えず、戦国時代の男伊達のよう
だから、文化が発達した。
また、同時に農業改革を行い、以前は五公五民の税の分配だったが
また、貨幣の中に占める金銀の含有率を少なくし、貨幣の供給量を
実際、新井白石の発案で金銀の含有量を増やしたら途端にデフレに
また、賄賂政治のイメージが定着している老中、田沼意次だが、農
そのため幕府の税収が増えたため、その余波が商人や庶民にいきわ
つまり、貨幣経済を重視したといわれる。
その悪い面が出たのが賄賂の横行だ。
歴史をみれば、どの時代であっても、経済が豊かにならなければ、
そして、豊かになれば同時に、働き方も変わる。
AIやロボットやデジタル革命により、今後ますます、余暇は増え
江戸時代と同じように、三日に一日という出勤も当たり前の時代が
「江戸の働き方と文化イノベーション」
未来を見通すため、今一度、江戸の時代を研究する必要がある。
上記の【江戸の働き方と文化イノベーション】については
人の心に灯をともすより引用しています。