ご縁結びのコーナー 第48回 おおさか法務事務所 川原田慶太様

ー杉浦佳浩

ご縁結びのコーナー 第48回 おおさか法務事務所 川原田慶太様


2019年 01月 01日

おおさか法務事務所
〜儲けに走らない、お客様に寄り添う専門家集団〜

◆お会いして15年ほどになる川原田さんについて今回はお伝えしたいと思います。関西では業界内では知らない人はいないというくらいの組織に成長されている司法書士法人おおさか法務事務所の代表です。ココ最近は東京でご活躍の場面、私とお会いすることも多く『そろそろ、事務所の名前を変えたほうが良いのと違いますか?』と言いつつも、オオサカに拘って頑張っていらっしゃいます。私との出会いの中で一番思い出深いのは、私がサラリーマンを50歳で辞めると決断した際、独立起業でいろんな経営者さんに相談に乗っていただく中に、川原田さんもいらっしゃいました。会社で倒れ入院中のベッドの中から私が川原田さんに連絡をさせて頂き、法人設立のことについてご対応のお願いをさせて頂きました。代表世話人 株式会社設立は川原田さんがいらっしゃってこそ設立できた次第です。

 

 

細かい話ですが、まだ私が在職中だったこともあり、当初の設立時、会社名は代表世話人㈱ではなく【株式会社布施】→地元、出身地愛で名付けて、法人代表は父親にしました。退職後に法人設立することより、まずは決めたことを実行したいと思う私の意を汲み取っての面倒くさい、何の収益にも貢献しないにも関わらずでしたが、まさに【寄り添う】感じで丁寧に対応くださったこと今も鮮明であり感謝しています。

おかげで今年の1月1日に会社設立から無事5年目を迎えられたと思っています。有り難うございます。

 

 

◆儲けに走らない?ってどういうこと

私が、川原田さんが素敵だと思うもう1点に【儲けに走らない】と感じる部分があります。電車の車内広告やCM等々でやたら目につく、債務整理の広告が大量に発信されはじめてもう何年になるのでしょうか?同業界では、高層ビルでだだっ広い事務所に多数の人員、コールセンターを構える事務所も多出している中、川原田さんも元々の規模感からもこの手続業務に舵を切ろうとされてもおかしくない立ち位置だったと思いますが、一切踏み込もうとしなかった、儲けに走らない姿勢にある意味感動した次第です。そこには、世間からどう見られるか?やりたいか?カタイ仕事を積み上げて来た上に、司法書士として【結果】に対して、【手続き商売】に向かうのではなく、【予防司法】に注力してきた自負があったからこそ、この債務整理等を本業化されなかったと思っています。まさにお天道さまの下で何が大事か?自問自答の繰り返しでここまで地道に頑張ってこられたのだと思います。

リーマンショック時はさすがに惑うこともあったそうですが。。。

 

◆なぜ司法書士を目指したのか? それは子供の頃からのお話をお聞きしながら。

川原田さんに質問をいくつかお聞きしました。

・子供の頃のエピソード、どんな子供時代でしたか?

毎日友人たちと外遊びや野球に明け暮れる、勉強大嫌い少年でした。小学校の高学年あたりからなぜか世界の国々との接点を持てる職業につきたいと考えるようになり、子ども向けの経済年鑑や地図帳を眺めながら、異文化の国々を実際にこの目で見てみたいと妄想することを楽しんでいましたが、概して、まじめにクラブ活動をし、お勉強にいそしんだ子ども時代を過ごしました。

 

・学生の頃(高校・大学)どうでしたか?何に夢中になっていましたか? 起業は意識されていましたか?

 

高校に進学したのちも、バスケットボールにいそしむ気満々でいたのですが、身体を壊してしまい、激しいスポーツのできない身体になってしまいました。これがその後の人生を規定することになろうとは当時はつゆ思わずでしたが、少年時代の「世界をまたに」を夢に見て外交官となるべく、京都大学法学部に進学しました。

 

・司法書士を志した理由

 

外交官になるためには外交官試験に合格することに加え、身体検査をパスしなければなりません。ところが、高校時代からの体調不良がひどくなっており、そもそも一般的な身体検査には通らないことが発覚します。大学4回生の終わりの頃には、身体のあちこちに不調が出始めており、夢破れるわ、身体はつらいわで、絶望のドン底に突き落とされていました。

 

 そのとき、司法書士資格を目指していた、当社のもう一人の代表の北村が私を見かねて「一緒に勉強をしよう」と手を差し伸べてくれたのが司法書士を目指したきっかけです。お恥ずかしながら、当時は夢破れた直後でしたので志もへったくれもなかった、というのが実際のところで、「何か食いぶちを探さねば!」という、追い詰められたものしかありませんでした。

 

と、そもそもは外交官を目指しながらも、健康上の理由と友人とのご縁で司法書士を目指すことになります。このあたりのお話をお聞きしていても、身体を悪くして、大企業の社員や官僚になれなかった事を一切悲観、悔やむことは無く、ならなくてよかった。

士業になることで、多種多様、背景の異なる方々に接する仕事を天職と感じ、本業に集中していくことで研ぎ澄まされていく感覚がたまらない、達成感がありますと、話します。まさにプロフェッショナルだと思います。

 

◆事務所の概要について

 

川原田さんの事務所の創業を見て、えっ?昭和58年とあります。これは川原田さんの師匠から事業を引きついで今があるということ。その師匠の信頼関係から今の発展に繋がっています。関西中心に、東京と5拠点を構えて、総勢40名ほどになっていらっしゃいます。

 

川原田さんが有名になられた一端には、日経電子版のコラム連載を5年に亘って記事を書き続けられたことが大きいです。

https://style.nikkei.com/money/DF280120166587

上記がそのコラム、そこから書籍も発売、大きな話題にもなりました。

成年後見、相続、事業承継、企業法務等々、対応される領域が多岐に渡っていらっしゃいます。

 

◆同業者との違いと強みについて、そして目指す世界観

同業の事務所との大きな違いが事業構成比だと感じます。司法書士事務所の大きな収益は不動登記に関わるところ、しかし、川原田さんの事務所は50%程度、企業法務関係25%、法定後見関係20%、その他5%というようなところ。これから世の中から必要とされる【予防法務】にいち早く着手し経験を積んでいらっしゃいます。以下に関わっていらっしゃる事業について事例を教えて頂きました。

 

・企業法務関係について

 

事業承継と一口に言っても、その会社ごとで様々な承継の仕方があります。事業承継では、会社株式あるいは会社経営権を誰が引き継ぐのかが重要となります。典型的なケースではどちらも息子さんが継承することですが、それ以外にも、株も経営権も親族が継承するケース、あるいは株は子どもたちに継承させるが経営権は生え抜きの会社役員に任せるといったケースもあります。

 

わたしたちの仕事は、株式を通じて財産権や会社経営権を確実に次代へ継承させる体制づくりです。種類株式、民事信託、従業員持株会、受益権の複層化などなど「技」の部分を担当します。一方で、現オーナーの気持ちや継承する次期オーナーの気持ちをしっかりと理解し、それ以外の当事者の方々の気持ちも踏まえた「交通整理」を行うことも同等に重要な仕事だと考えています。

 

というのも、いくら財産権や会社経営権といったハード部分を安定的にしたとしても、会社を動かすのは「人」です。会社の当事者たちの関係性というソフト部分が円滑に機能しない限り、有機体である企業がうまく行くという保証がないからです。

 

 会社の売上規模が何百億であっても数億であっても、同じくその家のドラマがあり、当事者の人たちの思いがあります。そうした部分から関わることで円滑な事業承継の実現に役立ち、日本経済貢献の一翼を担っていきたいとつよく願っています。

 

・相続、成年後見関係について

 

事例1

 遺言書を作成するお客様の作成理由を詳細に遺言書の内容に記すお手伝いをしました。お客様は、自分が晩年に病気で苦しんだことから、病気の原因を研究する研究機関への寄付を希望されておりました。お客様の死後、遺言執行者として、同研究機関への遺言者ご本人の希望を伝え、寄付を当事務所が行いました。研究機関からは、お客様への感謝状が発行され、親族にお渡しし、ご本人の意思が伝わったと喜んでいただけました。

 

事例2

 親族のいない当事務所が後見人を務めるご本人の誕生日には、誕生日カードを毎年作成しお渡ししています。ご本人は、誕生日カードを大切にお部屋に飾ってくれています。また、施設訪問時には、施設に事前に了承を貰い、ご本人が好きな手巻き寿司を持参して、喜んでもらいました。

 

事例3

 任意後見契約を結んだお客様が、自宅から施設への住み替えを検討していて、施設見学への同行を希望され、付き添いを行いました。施設の建物のチェックポイント、食事の内容、どのような方が入居しているか、契約内容等の確認を一緒に行いました。施設への検討する際のポイントが分かり、施設に入居するための資金の準備や自宅の荷物の整理など、今後のライフプランでやるべきことが分かり、安心ができたと喜んでもらいました。

 

上記のコメントを御覧頂いただけでも、起こった結果の対症療法ではないことがお解りだと思います。まさにこれから起こり得るトラブルを未然に防ぐことが、司法書士として大事なこと。高齢化、社会の複雑化から起こる多種多様な社会課題をクライアントに寄り添うことを第一義に活動、活躍されると確信しています。