第82回ご縁結びのコーナー ネクストプレナー大学 河本さん 五味田さん  〜事業を継ぎ、起業する。 ゼロからではない次代のスタイルで プロ経営者人材を育成・輩出する〜

ー杉浦佳浩

第82回ご縁結びのコーナー ネクストプレナー大学 河本さん 五味田さん  〜事業を継ぎ、起業する。 ゼロからではない次代のスタイルで プロ経営者人材を育成・輩出する〜


2021年 11月 11日

ネクストプレナー協会 HP:https://association.nextpreneur.jp/

ネクストプレナー大学HP:https://nextpreneur.jp/

経営者としての勉強、プログラムは数多ありますが、座学だけではない経営体験ができる場ってなかなか聞いたことがありません。私自身もしそんな場所があれば良いな、関わりたいな、と思ってここ10年が経過していました。大廃業時代と言われるようになってきた昨今、さらに問題意識を持ってきたそんな時に、五味田さんのご紹介でお会いしたのが、Growthix Capital 株式会社の中島さん、河本さん、単純なM&A仲介だけでは終わらない。経営者にとって一番大切な事業継続に主眼を置いた活動が大切。アントレプレナーでもない、企業内に留まるイントレプレナーでもない、第3の立ち位置として【ネクストプレナー】を世に、次代に輩出していこうとその意気込みに共感した、私の仲良しの方々が賛同、参集し、さらに紡ぎ紡がれながら参画する皆さんの想いが結集、ネクストプレナー協会が誕生しました。今回はこのネクストプレナー協会の活動、特にネクストプレナー大学にフォカースして五味田さん、河本さんにインタビューをいたしました。

昨年6月に、サステナ社団として文字化した記事 【ご縁結びのコーナー 第65回 ホワイト財団&サステナ社団 五味田 匡功さん 39歳で事業引継ぎを完了!〜新しいチャレンジの概要とは⁈~】は今回の前段となる記事となっています。こちらと併せてご覧いただけますと概要が一層にわかりやすいと思います。

 

◆ネクストプレナーの目指すこれからの新しい事業承継のスタイル
① 0→1ではない起業のスタイル・・・自らが会社を経営できる人材となり、事業承継難に苦しむ会社の承継者となることで、多くの雇用や知見を引き継ぎながら、時代の潮流に合わせた新しいチャレンジを行う「温故知新」を踏襲した起業スタイル。

 

② 親族内承継を前提としない文化・・・世の中の親族承継が終わっていないのは、ちょうど良い実⼒を持つ親族が、ちょうど良いタイミングにいる必要がある。その結果として事業承継が進まない現実がある。

 

③ 権限移譲の最終形とする・・・事業承継を難しく考えるのではなく右腕(営業系、開発系)、左腕(管理系)を育てることをまずは実施することが必要。その後に右腕、左腕のバランスを取るための頭脳を⼈に渡せば、⾃ら頭を使わなくても決済をするだけことが済む。分解して考えることで、もっと事業承継が進んでいく。


上記を新しい事業承継のスタイルと捉えて、その促進に合わせて、企業の後継者候補となるネクストプレナー(プロ経営者⼈材)の育成から、⽀援者マッチング、事業承継までをトータルでサポートしていくことを協会の柱に活動をしています。

めちゃくちゃありがたいのは、この協会のプレジデントメンバーとして私も名前を挙げていただいていること。嬉しい限りです。そのページはこちら。ネクストプレナーの皆さんに伴走できるように頑張りたいと思っています。

 

ネクストプレナーの手引書として、今年の9月24日に、著者河本さんにて、『今日から1年後に社長になる方法 今ある会社を継いで、想いと事業を育てる「ネクストプレナー」』が出版されました。こちらでさらに理解が進むと思いました。

◆ネクストプレナー大学について

まずはこちらの動画を。経営者を輩出、今までになかった社長を作っていくその意気込みがこの動画からも伝わればと思います。

他との違いってなんですか?と尋ねると『一番のポイント、競合なし、他にはない内容なんですよ!』と河本さんから元気に返事が返ってきました。

単純な座学のみで終わる研修が数多ある中、

・実際に経営に近い立場に参画し実地研修があること→まさにリアル

・後継者不在企業とのマッチング(紹介)を行う  →自分で探すのは大変です

・マッチング後に事業承継支援を行う       →あとは自分ひとりで、それでは経営者は育たない

・特別講義6ヶ月を実施する           →座学も必要実践度高くそしてあり方まで説く

・ネクストプレナーのコミュニティ組成      →仲間が大切ですね

この5つをプログラムとして実施していきます。

特別講義のプログラムの概要は上記になります。

10のテーマで構成される経営基礎研修プログラムで中小企業経営に必要な力が身につきます。

 

◆ネクストプレナー大学のセッションに登壇して

『ネクストプレナーの経営に伴走する力強いプレジデントメンバーが揃っています』という言葉が記載されている協会のHP。そこにプレジデントメンバーのご紹介。恥ずかしいのですが私の写真が。。。しかも熊平さんのお隣に。これだけでも光栄なことなのですが。さらに光栄だったのが、0期生に引き続き、1期生の皆さんとの対話の機会を得たこと、そこに西村ノリさんが加わってくださって、8時間の特別セッションの機会を。。。

ちょっとフラフラになりましたが、私自身勉強になった連続でした。

その時のことはこちらにアップしています。私のHPより。

私からは事例、この場面では、社長は十人十色なんだ、経営、社長のモノサシはバラバラ、でも想いはなにかしら必要、そんなことから10名の経営者についてお話しさせていただきました。活発なご質問を多数いただけたり、私自身の活動に興味を持ってもらったり、やる気がそもそもある皆さん、めっちゃ刺激がありました。

当日、ご参加の皆さんとたくさんの不思議な接点もあり長いお付き合いができればと思いました。

【ネクストプレナー大学1期生でのセッション ノリさんと】

 

◆ネクストプレナー大学を運営していて感じること

河本さんに0期生、1期生を運営していてなにが大切か?と投げかけると、『一人でチャレンジはしんどい、仲間をこの大学で見つけて、コミュニティーとして、自らも発信しつつ、経験のシェアができるようにしていって欲しい。孤独になってはいけない、経営者がそもそも孤独になりがちな中、仲間として一緒に成長できる場作りを注力して、ネクストプレナーの皆さんも参画して価値あるコミュニティーを組成していきたい』これがまず一番に返ってきました。

 

どんな人にネクストプレナーとして来て欲しいか? →『世の中の社会課題に向き合い、自分が後継者不在問題で活躍したいと本当に思っている人に来て欲しい。お金払うから紹介してもらえるんでしょ的なお客さん感覚では引き継いだ先で社長力を発揮できるはずがない。単純にお金儲けだけの感覚では長続きはしません、個の力を磨き続ける意志があり、踏ん張れる人、人脈づくりもどんどんできる関係を作って行ける人に、是非来て欲しい、最大限のサポートをやっていきます』と力強い。お金払ったからお客さんだからでは、経営者になれるそれは私も無理だと思います。

 

実地研修での鞄持ち、中小企業現場で働く人達とのコミュニケーション力、それにとどまらずやるべきこと、学ぶべきことはたくさんあります。へこたれずに、引き継ぎができるメンタリティーも大切だと思います。

 

◆ネクストプレナー協会としてフォーカスしていること 事業引き継ぎについて

協会がスタートした時点では、ネクストプレナーの方々が自由にマッチング先を選択ができるようにしいこうと考えていましたが、まずは【型作り】、事業引き継ぎ、スムーズな経営参画できるように型を作っていこうとしています。

河本さんからは、『自分で好きかどうかよりもまずはここでやってみよう。勝ちパターン、方程式を社長として実績をまず作れるように。まず型を習得した後に第2、第3の事業承継に携われるプロ経営者になっていって欲しいと考えています。』このことは私も賛同しています。全産業全業態OKってなかなか簡単ではないと思います。

このインタビュー時点では、業界としては、6次化に近い状況の農業とFC化の可能性のある飲食店をまず候補に考えているそうです。困っているレベルが高いこと、型決めしやすと感じます。

この型決めのパターンを増やしていくことを検討し業種領域を今後増やしていく計画です。

 

◆実際に事業の引き継ぎスキーム

ネクストプレナーの活動をお金の面で支援するスキームの中にファンドの存在があります。

先代経営者・ネクストプレナー・投資家の3者がWin-Win-Winの関係を構築できるよう、日本式サーチファンド型M&Aを実現できる仕組みを整えています。

このファンドの設立により、社長候補であるネクストプレナーにとって大きな課題である、社長就任へのスムーズな流れが出来つつあるということになります。

上記記事は、2021年9月7日付の日本経済新聞朝刊2面にて紹介されました。サーチファンドを活用した承継であり、ネクストプレナー大学が設立されるに至った事例です。河本さん自身がネクストプレナーを実体験し、買収のための資金作りも自ら経験、箱だけ創って中身は別的なことではなく実体験をもってこのスキーム構築に取り組んでいることからもやる気度レベルが違うと感じます。

 

◆今後について 

河本さん、五味田さんに今後について、構想も含めて最後に聞きました。まずは河本さんから。

多くのチャレンジングなマッチングをやっていく、そこで投資家との連携の機会を提供し、事業引き継ぎに、資金面での【当たり前】の場を創出できる立場となっていきたい。米国のように個人投資家、プライベートエクィティの世界ではスタートアップだけではなくM&Aの世界では当たり前が確立している、日本のスタンダードを創っていくために、地方銀行との連携、規模の大きなIFAとの連携とコミュニケーションをとっていきたい。

今回の1期生に銀行員3名が手が上がっています。2名が地銀から会社の命を受けて、1名の都銀マンは個人としてネクストプレナーを目指しています。

これから事例を一緒に作っていくというところ、そんな中でも、リスクをとってこのプログラムに参画してきた仲間であるネクストプレナーの皆さんを守らないといけない立場でもある、しっかりした基盤を創ってキャリアをワンランク

上げていく手伝いが出来るかどうかも我々の頑張らないといけないところだと認識しています。

最後に五味田さんから、

ネクストプレナーは、外部人材の事業承継を想定してスタートしましたが、その方々に限らずに2代目、3代目社長候補、家督を継ぐ親族承継の前に、武者修行にどうかと、実力を付けていくのに、後々買収するような流れも良いと思っています。あらゆる承継の方法を駆使して、まさに総力戦でこれからの時代やっていかないといけない、それくらいでないと。

若い世代がDXを活用しつつ早い段階で今の時代に合うモデルで事業を引き継ぎ、グローバル化へもチャレンジしていく

そこに金融機関との連携も加速して。現状まだまだM&A仲介報酬ばかりのためにやっているプレーヤーが跋扈している時代が早く変わることが大切、規模が小さいところはM&Aをやらないという現状にも課題感を持っています。

士業などのM&A専門家に伝えていることには、出資をして株価を上げるという関わり方もありでは?と 

税理士、社労士などが、関わる企業の費用、報酬を安価にして、周囲で固めて、社長をサポートができるパッケージができると事業承継もスピードアップすると感じている

1期生の方が、今、五味田さんの鞄持ちになっているそうです。平日打ち合わせ入ったり、補助金申請もやっていたり、人脈が構築できる、事業構想を着想できる、事業モデルの勉強、まさに実地研修となっている。士業連携でレベルアップも早期に達成できると感じている。

 

このお二人のコメントからもまさに黎明期これからが楽しみです。プレーヤーもたくさんの立場が折り重なってはじめて日本の事業承継が総力戦となっていきます。

事業を引き継ぐ、そこには多く関わりがあるととがこの記事で伝わり、そこに一杯の水を持ち寄る感覚で自ら参画する人たちが増えることになれば日本はまだまだ楽しみがあると思っています。