第141回ご縁結びのコーナー 株式会社All Personal 代表取締役 越前谷 匡史さん 〜「結局、組織は『人』でしか変わらない。外側の戦略だけでは動かない現場に、同じ熱量で潜り込む『当事者型 実行パートナー』の覚悟〜

ー杉浦佳浩

第141回ご縁結びのコーナー 株式会社All Personal 代表取締役 越前谷 匡史さん 〜「結局、組織は『人』でしか変わらない。外側の戦略だけでは動かない現場に、同じ熱量で潜り込む『当事者型 実行パートナー』の覚悟〜


2026年 10月 03日

株式会社All Personalのコーポレートサイトはこちら: https://allpersonal.co.jp/

【はじめに】

世の中には数多くの組織コンサルティングや人事支援のサービスが存在します。しかし、どれほど立派な経営戦略や、他社の綺麗な成功事例を模した人事制度を構築したとしても、それが現場の「日常」に溶け込み、実際に運用されなければ、真の組織進化は起こりません 。多くの経営者が、高額なコンサルティングを受けた先に「理想と実行の溝」が残るという課題に直面し、深く頭を悩ませています 。

今回ご紹介するのは、そうした形式的なサポートに終止符を打ち、戦略策定から具体的な運用の定着までを一気通貫で伴走する新しいパートナーシップを提案している、株式会社All Personal(オールパーソナル)の代表取締役、越前谷 匡史(えちぜんや まさふみ)さんです 。

「結局、組織は『人』でしか変わらない。そして、人は『戦略』だけでは動かない。」 そう語る越前谷さんは、30年間にわたり採用や事業の現場、会社の立ち上げ、そして人事支援というフィールドを泥臭く、しかし真摯に歩み続けてきた「職場のプロフェッショナル」です 。単なる外側からのアドバイザーではなく、お客様と同じ熱量で現場に潜り込む「当事者型 実行パートナー」として、中堅・成長企業の採用や組織変革に伴走し続ける越前谷さん 。その歩んできたキャリアの変遷や事業への熱い想い、そしてその根底にある一貫した問いについて、じっくりとお話を伺いました 。

今回特に越前谷さんの人となりの部分で強く感じたことを先にお伝えしておきますと、ご両親からの多くの愛情を受け取りながら学生時代、リクルート時代を通じて、『楽しいイキイキ』がまず根底を形作っていること、ここが一番大切。
多くの企業で見かける、窮屈かつ杓子定規な、マイクロマネジメント、人を人として扱わずに数値のみのKPIマネジメント等では組織、企業は全うな成長を成し得ないこと。そこを現場に入り込んで徹底的に改善していく『今』に通じるお話しだと感じ入っている次第です。


【最近の越前谷さん】

 

◆ 幼少期の原体験:警察官の父が示した「正義」と、母の愛が育んだ「仕組みをやり抜く力」

越前谷さんの「当事者として徹底的に現場の人間と向き合う」という誠実な人格、そしてロジカルに組織を捉える構造的把握能力の根底には、幼少期のご両親との関係、そして家庭環境が非常に大きな影響を与えていると今回のインタビューで感じました。

北海道札幌で育った越前谷さんのお父様は、厳格な「警察官」という職業に身を置いておられました。お父さんのお仕事の関係で小学校から中学校まで計5回転校の経験があります。その影響からか、すぐにコミュニティに慣れるコミュニケーション力が自然に培われたと感じます。またお父さんのお仕事の影響からか、日々、社会の安全と正義を守るために規律正しく生きる父親の背中を見て育ったことで、越前谷さんの中には「人として決して嘘を突かないこと」「誠実であること」「ルールや約束を守ること」という強固な倫理観と、人間としてのブレない軸が自然と形作られていきました。

一方で、お母様は非常に深い愛情をもって、越前谷さんの知的好奇心と「物事を一から組み立ててやり抜く力」を静かに支えてくれた存在でした。幼い頃、お母様は越前谷さんに「プラモデル」をよく買い与えてくれたと言います。説明書を読み込み、数多くの細かなパーツを自分の手を動かしながら一つずつ繋ぎ合わせ、一つの立体的な造形物を完成させていくプラモデルの世界。

「なぜこのパーツがここに組み合わさるのか」「どういう順番で組み立てれば、全体が美しく機能するのか」

この、母から贈られたプラモデルに没頭した日々こそが、大人になった現在の越前谷さんが持つ「複雑な人事評価制度を構造的に理解し、美しい仕組みとして現場に落とし込む」という、極めて高度な設計能力やロジカルシンキングの確固たるベースになっていたのです。父が示した人間としての「規律・正義」、そして母が育んでくれた「仕組みを愛し、やりきる力」。このお二人の教育の素晴らしいバランスが、現在の越前谷さんの背骨となっています。



【2026年5月】

◆ 学生時代の葛藤:学級委員での「合意形成」と、陸上部で知った「正論だけでは人は動かない」という真実

進学した中学校・高校時代、越前谷さんは周囲からの厚い信頼を集め、何度も「学級委員(学年委員)」を任される存在でした。しかし、その役割は決して綺麗なことばかりではありませんでした。多様な価値観を持つクラスメイトたちの意見をまとめ、一つの目標に向かってクラスを引っ張っていく過程は、生々しい人間関係の調整と、深いレベルでの合意形成力の訓練そのものでした。相手がなぜその主張をするのか、バックボーンにある思いに耳を傾けるという姿勢は、この時代に徹底的に磨かれました。

さらに、越前谷さんの人生観、そして現在の「組織論」に決定的な影響を与えたのが、青春のすべてを捧げた「陸上部」での原体験です。

「どんなに正しい戦略や理屈であっても、それを伝える側の熱量や、受け取る側の感情・モチベーションに寄り添わなければ、人は絶対に動かない。」

チーム(短距離リレーチーム)がバラバラになりかけた苦悩の中で、越前谷さんは「1人1人の葛藤やコンディションを理解し、同じ目線で伴走すること」の大切さを身をもって知りました。この陸上部での「正論だけでは組織は動かない」という痛烈な気づきこそが、まさに現在のAll Personalが標榜する「外側の綺麗な成功事例を押し付けるのではなく、現場の感情や文脈を理解する」というサービスコンセプトそのものへと、一本の線で繋がっているのです。

◆ ビジネスキャリアの原点:個人の可能性を社会へ繋ぐ、リクルート時代からの問い

大学卒業後、越前谷さんはリクルートへと入社します 。1991年に北海道札幌南高等学校を卒業し、慶應義塾大学商学部に進学した越前谷さんは 、常に「人と社会の繋がり」の最前線に身を置くことになります 。

リクルート入社後は、人事部での新卒採用業務からキャリアをスタート 。リクルートの人事部=人事のエリートであったことは今も昔も変わりません。その後、人材紹介をはじめとする多岐にわたる事業に携わることになります 。特に越前谷さんのその後の確固たる姿勢を形作ったのは、市場の先駆けとなるような新規事業や、社会的意義の深いプロジェクトの立ち上げ・推進経験でした 。

2002年からは、まだ市場で確立されていなかった「第二新卒領域」の人材紹介事業をゼロから立ち上げ、マネジャーとしてその基盤を強固なものへと築き上げました 。さらに、その経験を活かして「プロアスリートのセカンドキャリア支援事業」も並行して立ち上げます 。JFA(日本サッカー協会)やNPB(日本野球機構)との強固な連携を実現し 、競技引退後のアスリートたちが次の一歩を踏み出せる仕組みを具現化していったのです。

このアスリートのキャリア支援をきっかけに、スポーツやサッカークラブの経営そのものにも深い興味を持つようになり、2015年にJリーグが設立したスポーツ経営人材の育成・輩出プロジェクトである「Jリーグヒューマンキャピタル(JHC)」の1期生として学びを深めた経験も、越前谷さんの多彩な視点を支えています 。

  • 「ホンキの就職」での圧倒的実績 そして2012年には、リクルートのCSR活動である「ホンキの就職」(現「WORK FIT」)の立ち上げに参画 。就職困難な状況にある若者たちへの支援プログラムを強力に推進しました 。現場で若者たちと向き合い、プログラムを磨き続けた結果、受講者数をわずか2年半で3倍以上に拡大させ、多くの就業者の増加に直接的な貢献を果たしました 。

新卒採用、第二新卒、プロアスリート、短距離ランナー、そして就職困難な若者たち―― 。向き合う対象や環境は違えど、越前谷さんは常に、学生時代の陸上部から続く一つの重要な問いに向き合い続けてきました。

「個人の可能性をどう引き出し、社会と繋げるか」

このリクルート時代に培われた、人と組織に対するどこまでも誠実で深い視線こそが、現在のAll Personalにおけるサービスコンセプトの強固な土台となっています。

◆ ゼロイチの起業・事業売却を経て、All Personalへの参画へ

2015年末、長年勤め上げたリクルートを退社した越前谷さんは、次なる挑戦として自らゼロイチの起業へと踏み出します 。新卒領域におけるアセスメント事業を完全にゼロから立ち上げ、事業を軌道に乗せた後、人材会社への事業売却(M&A)までを経験しました 。

自ら事業を立ち上げ、組織を作り、それを大手人材会社へ売却するという経営者としての生々しい葛藤や喜びを肌で知った越前谷さんは、2018年より、株式会社All Personalへと参画することになります 。現在は同社の代表取締役に就任し 、中堅企業や成長企業の採用・組織変革の現場の最前線に立ち、多くの経営者たちの苦悩に寄り添い続けています 。この事業売却には、かなりの心労、資本構成の問題等々が発生し、越前谷さんの中でも一番苦しみながらも大きな経験価値を得た時期だと私は感じました。

◆ サービスコンセプト:“当事者型 実行パートナー”としての3つの在り方

昨今、多くの組織で「自律型組織」や「当事者意識の醸成」という言葉が飛び交っています 。しかし、外側から綺麗にデザインされただけのコンサルティングでは、戦略と現場の間に深い分断が生まれてしまいます 。All Personalは、そうした「綺麗な絵を描いて終わり」のコンサルタントとは一線を画すため、以下の3つの拘りを徹底しています 。

  1. 現場へコミット

「いつだって成長の兆しは“現場”にある」という強い確信のもと、越前谷さんたちは経営会議の机上だけで物事を判断しません 。クライアント企業のあらゆる現場へ直接潜り込み、そこで働く一人ひとりの従業員の表情や会話、生々しい空気感の中から、その企業にしか描くことのできない唯一無二の成長ストーリーを見出していきます 。

  1. 実行こそ価値

合理的なロジックや判断だけでは、組織の人間は動きません 。組織を動かすのは、学生時代の陸上部で痛感した、そこで働く一人ひとりの「感情」や、これまでの「文脈(コンテキスト)」です 。All Personalは、その泥臭くも大切な個人の感情を深く理解し、制度を作って終わりにするのではなく、日常の現場に根づくまでのプロセスを徹底的に伴走します 。

  1. 葛藤の理解者

組織変革や人事制度の刷新には、必ず痛みが伴います 。そこには誰もが正解と言い切れるような“絶対解”は存在しません 。痛みを伴う決断を迫られる経営者や人事担当者の孤独な苦悩を誰よりも理解し、心の拠り所として寄り添い続けることこそが、彼らの目指す在り方です 。

他社の成功事例をただ持ってくるのではなく、クライアント企業がこれまで培ってきた大切な風土や、育んできた独自の文化を組織の最大の「持ち味」として活かす 。これこそが、All Personalが提供する、揺るぎない競争優位性を共に築き上げるためのアプローチなのです 。

◆ 百戦錬磨のプロフェッショナル集団が深く寄り添う強み

株式会社All Personalの強みは、単なる組織コンサルティングの枠に留まらず、「今いる従業員の定着と、その先にある活躍」をどこまでも深く探求し、独自のメソッドを磨き上げている点にあります 。その支援を支えるのが、組織づくりのプロフェッショナル陣です。

同社のディレクター陣は、全員が数十名から数百名規模の組織で自らマネジメントを実践し、数々の試行錯誤を繰り返してきた「職場のプロフェッショナル」たちです 。だからこそ、お客様の置かれたリアルな事業環境や風土文化を踏まえた、血の通った伴走が可能になります 。

さらに、プロジェクトを共に組むコンサルタント陣は、同社のコミュニティに所属する百戦錬磨のスペシャリスト集団です 。幅広い業界や職種への深い知見を有し、多種多様なプロジェクトの最前線に参画しているため、All Personalとしてのソリューションの幅を無限に広げ、お客様にとって常にベストな提案を導き出しています 。

経営メンバーにも、リクルートにて中途紹介事業のマネジャーや広域エリアの事業責任者を歴任してきた取締役の半坂崇さんや 、株式会社インテリジェンスの創業期からJASDAQ上場までを支え管理本部担当取締役も務めた前田徹也さん 、システム開発歴20年以上の鶴田真也さん 、公認会計士でありSaaSスタートアップのIPO準備や資金調達を牽引してきた梶原大樹さん 、リクルートでの豊富なマネジメント・部長職を経て2025年に参画した鈴木一雄さんなど 、各領域の第一線を走り抜けてきた強力な布陣が名を連ねています 。

【百戦錬磨のプロフェッショナルメンバーと】

◆ 具体的なご支援実績:現場のインサイトから生み出す真の組織変革

All Personalが手がける支援の具体例には、その圧倒的な「現場主義」と「実行力」が如実に表れています 。

【事例①:中央可鍛工業株式会社様】

長年(10年以上)運用されてきた人事制度および評価制度の刷新プロジェクトに参画しました 。

  • 課題:等級制度の運用が形骸化しており、制度の複雑さから社員の理解が全く進まない状態でした 。また、昇進と賃金テーブルの連動性が薄く、昇進・昇格に伴う変化を社員が実感しにくいという根深い問題がありました 。
  • 支援内容:各等級に求められる役割や成果指標を明確に再定義し、社員が自身の成長を具体的にイメージできるようにしました 。さらに、経験豊富な社員が役職定年後も専門性を活かして貢献できる新たなキャリアパスとして「専門職」を新設 。これまで目標管理制度が導入されていなかった層を含む全社員に対して、期初に目標設定を行い、期中も上司が部下の育成に継続的に関与する「目標管理制度」を導入しました 。
  • 運用の工夫:導入プロセスにおいては、役員会等の重要な意思決定の場だけでなく、社内の細かなすり合わせの場にも頻度高く出席し、顧客内部の情報共有と確実な合意形成を徹底的にサポートしました 。

【事例②:Orbray株式会社様】

生産工程に従事する期間社員の評価制度構築プロジェクトに参画しました 。

  • 課題:製造現場における生産工程の人事評価に大きなバラツキがあり、職場のコンディションが悪化していました 。その結果、正社員への登用基準も曖昧になり、優秀な人材を確保するチャネルが機能不全に陥っていました 。
  • 支援内容:期間社員向けに自己評価を導入し、上司からのフィードバックと目標設定を半期ごとにしっかりと実施する仕組みを改定・構築しました 。形骸化していた正社員登用制度をゼロから再構築し、評価結果を含む明確な応募条件と試験プロセスを確立しました 。
  • 運用の工夫:導入当初、不慣れであった「自己評価」の運用について、継続的なフィードバックを繰り返すことで、社員が制度に慣れ、自己成長に繋げる意識を持てるよう定着支援を行いました 。また、意思決定者だけの意見を聞くのではなく、母から与えられたプラモデルを組み立てるように緻密に現場を紐解くため、制度の対象となる現場の期間社員に対して「個別インタビュー」を泥臭く実施し、対象者の生々しいインサイトを深く理解した上で並走を行いました 。

経営陣の綺麗な理想を語るだけでなく、現場の一人ひとりが「これなら納得できる」「自分の成長に繋がる」と実感できるまでトコトン付き合う姿勢こそが、All Personalの真骨頂です 。

◆ 会社概要

  • 会社名:株式会社All Personal(All Personal, Inc.)
  • 代表取締役:越前谷 匡史
  • 設立:2017年6月
  • 本社所在地:〒106-0045 東京都港区麻布十番2-20-7 麻布十番高木ビル
  • 従業員数:20名(業務委託含む)
  • 売上高:2億3400万円(2026年5月期)
  • ビジョン(Our VISION):「当事者型実行パートナー」一社一社に丁寧に寄り添い、人と組織の確かな進化に伴走し続ける
  • 主要事業:
    1. 組織変革事業(人事制度導入支援、人材採用支援、人材育成支援)
    2. 組織診断事業(職場の活性化のチャンスを見出す”職場の訪問調査”、組織コンディション把握ツール”Factory HR Survey”)
  • 主要取引先:Orbray株式会社、中央可鍛工業株式会社、株式会社デジタルガレージ、株式会社エイチアンドエフ、株式会社デリバリーコンサルティング、アサヒ物産株式会社 ほか累計160社(2025年1月現在)

◆ インタビューを終えて(代表世話人・杉浦の目線)

越前谷さんという経営者にお会いして、そして幼少期から学生時代に至るまでの非常に深い原体験を伺って、胸のすくような感動を覚えるとともに、彼の語る組織論のすべてのパズルが美しく繋がった確信を得ました。

警察官のお父様から授かった「ブレない正義と規律」、お母様がプラモデルを通じて育んでくれた「仕組みを愛し、構造化する力」。そして、学校での学級委員や、陸上部での『正論だけでは人は動かない』という、身を切るような生々しい挫折。これら子供時代、学生時代のすべての「事実」が細胞レベルで今のAll Personalの理念と寸分の狂いなく結びついています 。

世の中の多くのコンサルティングが、経営層に向けた「綺麗に整えられた報告書」を提出して一区切りとする中で、越前谷さんの率いるAll Personalの皆さんは、陸上部のチームメイトと向き合ったあの日のように、現場の従業員一人ひとりのインサイトに深く耳を傾け、日常の定着に至るまで一緒に泥にまみれて汗をかきます 。この「理想と実行の溝」を埋めるための、人間味とロジックを兼ね備えた徹底的な伴走姿勢は、本当に素晴らしいの一言に尽きます 。

企業の真の変革を支え、そこで働く人々がイキイキと自律的に活躍できる社会インフラを作っていく 。All Personalという「当事者型 実行パートナー」は、これからの日本の中堅・成長企業が激動の時代を勝ち抜き、確かな進化を遂げていくために、なくてはならない存在になっていくと確信しています 。

越前谷さんが描く、人と組織の確かな進化が連鎖する社会の実現に向けて、私も一人のシニアとして、そしてご縁を繋ぐ黒子として、全力で応援し続けたいと思います 。本日は、胸が熱くなる素晴らしいお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました!


【一緒に徳之島にも一番前左に越前谷さん】

◆越前谷さんの良き相棒である半坂さんに語っていただきました

越前谷との出会いは、私がリクルートに入社した時まで遡ります。彼は私にとって「初めての上司」であり、それ以来、気づけば20年以上の付き合いになります。現在は株式会社All Personalの取締役として、共に経営の舵取りを行っていますが、彼の根底にある本質は出会った当時から何一つ変わっていないと感じます。

当時から越前谷は、決して「上司然」とした態度を取らない人でした。権力や役職で人を動かそうとするのではなく、とにかく一人ひとりを肯定する「承認の量」が圧倒的に多い。だからこそ、仕事の不満や文句、ちょっとした弱音も含めて、「この人の前なら何を言っても大丈夫だ」と思わせてくれる。そんな安心安全な環境を創り出す天才でした。そうした心理的安全性があったからこそ、当時のメンバーはみんな、萎縮することなくのびのびと、ある意味勝手に(笑)仕事に挑戦できたのだと思っています。

彼の最大の魅力は、崇高なビジョンを声高に「掲げる」のではなく、日々の仕事や生き様の随所から自然と「染み出す」価値観を持っている点です。決して大風呂敷を広げるタイプではないし、綺麗な言葉で格好よく周りを動かすこともしない、どこまでも等身大の人物。でもその一方で、自身が培ってきた価値観には絶対のこだわりを持っていて、そこは決してブレない。私は、彼のその譲らない一線に信頼を寄せています。

今のAll Personalが掲げる「当事者型 実行パートナー」というコンセプトは、まさに彼の生き様そのものだと感じます。クライアント企業の現場に同じ熱量で潜り込み、日常に定着するまで一緒に泥にまみれて汗をかく。この徹底的な現場主義と伴走姿勢は、彼が昔から大切にしてきた人間味そのものだと感じます!


【越前谷さんと半坂さん2011年10月トレイルラン参加時】

◆今回のインタビューについて越前谷さんに語っていただきました

杉浦さん、今回はこのような貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。

杉浦さんの温かく、そして本質を突く問いかけにお答えしていく中で、自分自身のこれまでの人生とキャリアをじっくりと振り返ることができました。私自身、「ああ、あの時の経験がすべて今につながっているんだな」と、パズルのピースがピタリとはまっていくような深い気づきを得る時間となりました。 

警察官だった父の背中から学んだ規律、母が育んでくれたプラモデル作りに没頭した日々。陸上部でキャプテンとして味わった不完全燃焼の思い。リクルート時代に経験したマネジメントの挫折、そして独立後に味わったどん底の苦しみ。お恥ずかしい話ですが、かつての私はどこかプライドが高く、人からよく見られたいという虚栄心が先行して空回りしてしまうこともありました。しかし、幾度となく鼻っ柱を折られ、苦しい時期を過ごす中で、家族の支えのありがたさに気づき、そして「不器用でも真剣にお客様にぶつかっていけば、必ず認めてくれる人がいる」という商売の原点に立ち返ることができました。

遠回りもしましたが、そのすべての生々しい経験があったからこそ、現在のAll Personalが掲げる「当事者型 実行パートナー」という揺るぎない理念にたどり着くことができました。綺麗な戦略だけでは人は動かない。泥臭く現場に潜り込み、一人ひとりの感情や文脈に寄り添うことの大切さを、私自身の失敗と痛みから学んできたのだと改めて実感しています。

これからも、孤独に悩む経営者の皆様や、現場で奮闘する社員の皆様の「感情」に寄り添い、一社一社の確かな進化に伴走してまいります。私の不格好な歩みも含めて、ありのままを引き出してくださった杉浦さんには感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。今後とも、末長いご縁をよろしくお願いいたします。

これからますます楽しみです!この度も有り難うございました。