第107回ご縁結びのコーナー ザシードキャピタル株式会社 廣澤 太紀さん 〜柔和な笑顔にはっきりした芯を持った方 秒速で志に共感した次第です!〜
2023年 12月 12日
ザシードキャピタル社(以下、THE SEED)のコーポレートサイトはこちら。
年齢でチャンスに差をつけるのはフェアじゃない。20220826リクルート社の記事
渋谷のTHE SEEDさんにお邪魔する、オフィスに入ったとたんとにかく若さの熱気が洪水のように溢れ出す感覚があります。何かここにはたくさんの会社、有能な人々が機会を得られる場所、そんな想いを感じ入りながら毎回訪問しています。そこの主である、廣澤さんは31歳。26歳でVCを設立し、5年で成果、結果、そして成長を積み上げています。柔和な中にはっきりした芯を持った人だからこそたくさんの起業家、学生、応援者の方々が集うその真髄を今回お伝えしたいと思います。
【廣澤さん 笑顔がいいですね】
◆廣澤さんとの出会い そして感じていたこと さらに確信したこと
まだ出会って1年。でもその1年が濃い感覚。廣澤さんのおかげで私の世界が広がった、そう感じています。
2022年9月に、FinTの大槻さんにご紹介で初めてお会いしました。大槻さんが杉浦さんに紹介したい人ということで、嬉しい思い出。大槻さんも20代の起業家、日本の素晴らしさを世界にと頑張っています。その大槻さんのご紹介ということもあり会う前からワクワクしてお会いしました。その写真が以下です。お話をして当時から自身の実現したい未来を熱心に語る人でありスピード感を感じる方だなと思っていました。
【2022年9月28日に初めて会いました右端が廣澤さんその隣に大槻さん】
私自身未来を作るのは我々世代ではないと感じていたこと。まさに若い方々に機会があることが明るい日本の未来に繋がると感じていました。そこを実践しているのが廣澤さん。
想いを語るだけ、他責口調の人は多く見てきましたが、ここまで実践しているのかと思い知ったのが、上記写真の「THE FUTUREX」を2023年3月に開催した、廣澤さん。都内、ベルサール渋谷ファースト1700平米でたくさんの起業家、学生、多くの投資家、スポンサーの数々。この日に私もご招待してくださって、忙しい中、たくさんの方々をご紹介くださったその気遣いに頭が下がりました。
◆廣澤さんの今に通じるお話をお聞きしました
廣澤さんのプロフィールについて。
1992年生まれ 大阪府出身
2016年3月31日 関西学院大学 商学部 卒業
2016年4月1日 イーストベンチャーズ株式会社 入社
2018年5月31日 イーストベンチャーズ株式会社 退社
2018年6月1日 ザシードキャピタル株式会社 創業 代表取締役に就任
大阪堺のご出身、いつ頃から起業家、会社経営、VC設立を考えていたのですか?とお聞きすると全くその気持ちはなかったですと答えが返ってきました。
どんな学生時代を送っていましたか?中二病(「(日本の教育制度における)中学2年生頃の思春期に見られる、背伸びしがちな言動」とウィキペディアに記述がありました)が中二に終わらず高校時代も含めて継続していましたと。成功の理由って何?自分はどうなりたいのか?どうありたいのか?そんなことは全くなかった。とにかく自分が考えた仮説を証明したいと考える学生生活。合理的意思決定もしくは感情的意思決定どちらなんだ。意思決定のプロセスを考えていくうちに、人間の行動、意思決定、行動経済学について学びたくなっていき大学にいきたくなっていったと話してくださいました。
テレビにも出演していた大学教授に連絡を取ったりして、その教授が在籍する大学に入れなかったものの、その教授から自身が入学した大学でも優秀な先生がいると教えられ、紹介を受け、その授業に出るようになったそうで、そこで、エンジェル投資、スタートアップへの投資の話を聞くにつれ、なんだろう?そんな世界があるのか?というところからVCへの興味を持つようになっていきました。大学2,3年の頃は、ベンチャー企業でインターンをしたり、バイトをしたり、スタートアップのイベントが都内であると、夜行バスに乗って出かけたり、同様に都内でサマーインターンとたくさんの経験値を実践していきます。就活もしていましたが投資家になるため、VCになるためには何をしたらいいんんだろうという感じで過ごしていました。
成功が成功を呼ぶループ、スタートアップエコシステム、日本版ファンド、自分の中で仮説を立てそれを証明していきたい、いつしかVCへ就職前提のインターンにと意思決定が進みます。それが大学3年生の終わりの頃。
ここまでお話をお聞きして、私から、どうして仮説を証明したいという強烈な想いとなっていったか何か幼少期のエピソードはありますか?と投げかけました。廣澤さんから、経営者家系に育ったこと、小さな時から何かをやりたい時にそれをやりたい意味、どれくらいのお金が必要か?という問いが廣澤さんにセットで投げかけられていたそうです。例えば、小学校高学年で携帯電話がほしいと思った時、家族全員の携帯の費用の見直し、各社キャリア、機種の値段帯、自身の携帯が一台増えても結果として値段が下がる提案をしていたそうです。まさにビジネスマインド。会社経営の基本を小学生の時から学んでいたことが素晴らしいと感じました。
◆会社設立から今について
経歴にある2016年4月1日 イーストベンチャーズ株式会社その1年前から同社で長期インターンを開始します。当時を振り返って、衝撃だったこと。それはまだ何者でもなかった自分に、東京生活スタートに必要な【家】の提供をしてもらえたことと、インターン3日目に給与が振り込まれたこと。ここまで手厚く迎えられ、廣澤さんは、大学4年生で大学に通ったのはたったの1週間だけ、残りの時間はインターン生活にフルコミット。こんな自分でもやっていけるのか?加えて何かを教えてもらうこともなかった不安の中で、とにかく朝イチから会社に行き鍵を開けて、オフィスにいるとたくさんの起業家が訪問してきて、そこに同席することで起業家について学ぶというOJTを実践し続けていきます。スタートアップイベントにもたくさん顔を出すことで全体像を自分で掴んでいきました。奇跡の大学卒業(本人談)を勝ち取り、そこから2年半社員としてVCで活動をします。
その時、投資実績は?の問いに、『ないです』というのが実際のところ。候補先案件の発掘という意味では数社あったが、投資検討の書類を作った訳でもその決定会議にも出たことはなかったそうです。
でも、独立した先輩から『いつ自分でやるんだ?』の問いかけに、やめる意思決定を先にして独立、ファンドの設立に向かいます。(なかなか痺れますね)その後を時系列は以下に。
2018年9月 シードファンド「THE SEED」を設立。
2021年3月 2号ファンドの設立を発表
現在、1、2号で約16億円、追加出資用ファンドを5億円にて運用。
20代の若手起業家へ創業出資。スマートコーヒースタンド「root C」、地域のJA向けDXソリューションやバイオスティミュラント資材の研究開発を行うAGRI SMILEなどへ創業投資。2023年3月、投資先建設DXの「Arent」が上場
いつかは独立のいつかとはいつなんだろう、助言をもらったその先輩に言われたのが24,5才の頃、自分で意思決定し、翌月には、勤務先代表に伝えて、5ヶ月後に会社を設立に至ります。
ありがたいことに、退職してファンド作る時には協力するからという声がかかるほど、退職から10ヶ月後にはファンド組成に至ります。これも日々の活動を熱心に行っていたからの結果だと感じます。現在20億を超えるファンド運用にはやはり廣澤さん活動に賛同する方が多いからだと感じます。
【元インターンの田山さんと 2023年7月】
ある、廣澤さんのファンドにLP出資をしている会社の方から、廣澤さんのことを聞く機会がありました。たくさんのファンドからLP出資の声がかかるその会社代表、廣澤さんが訪問した際にちょうど潤沢な資金が手元にあったときだったそうで、そこから資金を捻出することに。それだけでも運がある人であると。またその後の廣澤さんの【姿勢】も素晴らしいという評価。お金を出してそのままというファンドも多い中、ことあるごとに小まめに報告・相談を怠らない。そのきちんとした対応も評価されているそうです。
◆関西における活動に共感
大学生がスタートアップと触れる機会が以前から少ないと感じていた関西。しかもスタートアップ村の住人と呼ばれる支援者側のメンツも私も含めて高齢化が進み、いつも同じ顔ぶればかり、これは完全に澱んだ世界と感じておりました。全く同様の課題意識を持っていた廣澤さん、関西の学生は東京に次ぐ大学の規模感でありながら、起業に関しての情報や事例も極端に少ない、無給インターもまだまだ多い、多様な投資家、支援者側の層も薄い、東京本社の大企業にとって新卒採用の草刈り場になっているという問題意識も話してくださいました。この関西においても単なる問題意識だけでなく、創業当初から関西の学生、京都大学、大阪大学をスタートに各大学へのアプローチも開始して、今年の10月には大学生の参加希望だけで200名を超えるイベントを開催します。それがスタートアップ関西でした。このイベントについての詳細はこちらから。当日私もご招待をいただき、おそらく最高齢で参加させていただきました。
ここでも多くの大学生の起業への燈に火をつけることになったと感じました。
若い世代には若い世代のことを理解した人が関わることの大切さを思い知りました。(気持ちだけは私も若いつもりですが)この日もたくさんの方々とのご縁を廣澤さんから繋いでくださったことに感謝しております。
スタートアップ関西のHPを見てみると、大阪府、大阪市、京都市、大阪大学共創機構という公の後援を取り付けていること。これも本気の姿勢を行政や大学が認めているからこそと感じます。
【スタートアップ関西に(多分最高齢で参加)2023年10月】
◆廣澤さんの会社で元インターンであり 現在起業家の田山さんに廣澤さんのことを
元々THE SEEDのインターンだった田山さん、現在は、同社ファンドから出資も受けている起業家です。私と初めて会った時に、YouTube見ました!と元気に声をかけてもらえたことに感謝しています。その田山さんに廣澤さんやTHE SEED社についてコメントをお願いしました。
①廣澤さんとの出会い、印象に残っていることをお聞かせいただけないでしょうか?
最初は、高専の先輩から廣澤さんをご紹介いただいたのがきっかけです。当時、25歳でTHE SEEDを創業されたというところや数々のスタートアップ企業への知見や繋がりがあったことに非常に印象的でした。また、お会いした当時から若者や起業家が成功していく過程に関して非常に興味関心があるということを感じました。
②田山さんがインターン時に廣澤さんの仕事ぶりに何か感じたことやエピソードがあればお聞かせください。
仕事をすることにおいて時間ではなく、その仕事のコアバリューが何なのかを常に考えて行動されている印象がありました。そのため、私自身もTHE SEED及び起業家の方々にとってバリューになることは何なのかを考えて仕事に取り組んでおりました。
③THE SEED社について、田山さんの想い、どんな会社?特徴?をお感じのところをお教えいただけないでしょうか。
THE SEEDはファンドを通して私たちのような起業家の成長や成功を投資先はもちろん、スタートアップ起業家にチャンスをいただける会社だと思っております。常に起業家の話に紳士に向き合う廣澤さん、宮城さんの姿勢はとても起業家やその人自身を年齢関係なく尊重されているところが魅力的であると感じています。
【某地銀さんをお連れしてMTG 2023年8月】
◆廣澤さんの良き相棒の宮城さん 廣澤さん、THE SEED社についてお聞きしました
宮城さんが、THE SEEDに入社をした理由を下記 記事にまとめていらっしゃいます。
プロ野球選手になれなかった私は、シードVCで「ヒト」に投資する 廣澤さんの良き相棒である、宮城さんにもコメントお願いしました。
①廣澤さんとの出会い、印象に残っていることをお聞かせいただけないでしょうか?
出会い:前職のユーザベース時代に参加した、2022年のB Dash Campが廣澤さんとの出会いでした。同世代でVCとして独立している数少ない方だったので一方的に知っていて、私から話かけたのを覚えています。
エピソード:ユーザベース時代はCVCや事業会社の方達との繋がりが多かったので、B Dash Camp中にご紹介をしたら感謝をしていただき、東京に帰ってから食事に誘っていただきました。その食事の時に25歳の時にVCとして独立した時の話やどんな想いでVCをやっているのかを聞きました。起業家にとってどんなVCであるべきか、成功の再現性はどこにあるのかについて話を聞かせていただき、情熱があり誠実な人柄に惹かれたのを覚えています。
②宮城さんが廣澤さんの仕事ぶりに何か感じたことやエピソードがあればお聞かせください。そしてジョインを決めたきっかけ等何かあれば。
仕事ぶり:誰よりも働く方だなという印象が強いです。投資先のスタートアップよりも他のVCよりもTHE SEEDが一番成長するとう想いが、毎年新しい打ち手ができている理由だと感じています。(イベントや大学連携、毎年新しい打ち手が増えています。)
ジョインを決めたきっかけ:元々、私もシードVCをやりたかったです。その上で廣澤さんがTHE SEEDを設立した理由と、ヒトに投資をするVCである事が自分がやりたかった事とマッチした事が一番の理由です。実は入社前に投資先の方々が集まるBBQに呼んでいただきました。投資先の起業家の方々にお会いして、全員応援したいと思う人達で感覚的になりますが、個人的にも相性が良いのかなと思いました。後で聞きましたが、廣澤さんは私は起業家の方からどう思われるかをテストしていたみたいです。何人かの起業家の方から、THE SEEDに入社しないならうちに来て欲しいと言っていただけたのが、良かったみたいです。
③THE SEED社について、宮城さんの想い、どんな会社?特徴?をお感じのところをお教えいただけないでしょうか。
THE SEEDへの想い:廣澤さんと一緒に5年後、10年後には日本一のシードVCにしたいです。
どんな会社か:起業家の方へ敬意とリスペクトを持ち、起業家の方にとって求めらるVCとは何かを追求し続ける会社だと感じてます。
◆未来について廣澤さんにお聞きしました。
未来に向かっていく廣澤さんにまず、今の課題をお聞きしました。課題ですか、それは山積みです。と回答が返ってきました。組織運営の経験もしてきていないこと、これから組織の壁にも当たっていくことになる。採用に関して、戦略的採用をした経験がない。人手不足の真っ只中。組織を作っていく上でも乗り越えていくべく取り組もうとされています。
その先には、日本一のシードファンドを作る。この業界自体のレイヤーを上げていく。多種多様な産業界に関わっていきたい。また産業界同士を橋渡しできるようなことを自身として関わっていきたい。そのために日々何に時間を費やすか?中2病が今も継続していて、より大きな成功ってなんだろう?そんなことに想いを巡らしながら、たくさんの読書をし熱心に勉強も継続しています。
未来に向かって、評価されなかった人、会社を経済的な、融資、ファンド機能を活用したエクイティーで評価をして、機会を得られなかった人、評価されずにいた人々に光をあて、より経済的リターンを広げていきたい。例えば、研究者がお金がないそんな優秀な人々に資金提供できるようになっていく。経済的な成功を生むように事業領域を大きく広げていきたい。世の中により良いインパクトを作って行こうと思います。と語ってくださいました。微力ではありますが私も何かしらお役に立てるように頑張ります。
◆最後に廣澤さんに今回のインタビューに関してコメントをお願いしました
杉浦さんには、1年前にお会いしてから、私だけでなく、THE SEEDメンバーや投資先、イベントの参加者に対してまで、本当に心強いサポートをしていただいています。
THE SEEDとしては、杉浦さんのような心強い多くの先輩方にご協力いただき、年々実施したかったことを思う存分に出来る状態になっていると感じています。精一杯やるべきことに集中し、結果と向き合い続けられたらと考えています。まだまだ道半ばですが、引き続きお力添えいただけますと幸いです!!
【2023年2月に起業家の皆さんと】
と、どこまでも直向きさ、熱意、エネルギー、周囲を巻き込む力に溢れた廣澤さんとご一緒できますように!今回のインタビューにお付き合いくださって感謝申し上げます。
有り難うございました!