第97回ご縁結びのコーナー Frontier M&A Partners株式会社 白石 隆さん 〜10年前から話していたことを会社を巻き込んでとてつも無い形で具現化へ スーパーな兄弟です〜
2023年 02月 09日
第97回ご縁結びのコーナー Frontier M&A Partners株式会社 白石 隆さん 〜10年前から話していたことを会社を巻き込んでとてつも無い形で具現化へ スーパーな兄弟です〜
Frontier M&A Partners株式会社のHPはこちら。
会社員時代からお付き合いとしては12年ほど、お互い会社の枠とはかけ離れたところで仲良くなり今も毎日のようにやり取りができる関係。それが今回の白石さんです。私が会社員時代に、講師役となり若手社員に喝を入れていただいたことが懐かしいです。その頃から自分がやりたいことを昨年具現化し、サントリーの社内ベンチャー第一号(サントリーの出資なし)として出向・起業というかなり珍しい形(さすがサントリー)で独立された白石さんについて今回はお伝えいたします。
【いつもパリッとした出立の白石さん】
◆白石さんのプロフィールとサントリー入社のきっかけについて
Frontier M&A Partners株式会社のHPに掲載から、プロフィールを。
1998年4月、サントリーホールディングス(株)入社。四国支店、大阪支社、東海支社で、一貫して飲食店営業に従事。MVPを2年連続受賞など圧倒的な実績を残した後、部長、支店長を歴任。
約1,200社の飲食企業への経営コンサルティングを実践し、数多くの企業が年商20億円越えを実現した「運の良さと目利き」が最大のセールスポイントである。
2022年9月、外食産業専門M&Aコンサルティング会社を起業。
M&Aを通し、経営者の想いと食文化を未来につなぎ、外食産業の価値向上に寄与することを生きがいにしている。
特技:成長する飲食企業発掘
趣味:A~C級グルメ店巡り、アメフト、バスケ、ファッション
資格:宅地建物取引士
私の存じている部分をちょっと付け加えておきます。
飲食店担当つまり大きな売り上げになるのは酒類ということ。しかし白石さんはほとんどお酒は飲めない。飲むことが仕事である部分も多いと聞きますが、お酒の付き合いで仕事するタイプではなく、飲食店の経営指導を無料で行う、経営者から感謝、賞賛の声を若い時から得ることで実績を積んでこられました。資格に記載が無いのですが、米国公認会計士(CPA)にも合格(未登録)されています。
学生時代、第一志望は金融業界(銀行・証券)、結構早めに内定をもらうという中で、入社予定だったところ、執拗にサントリーの人事担当者であり、高校のバスケットボール部の先輩から誘われ、面談しているうちにサントリーの企業風土、企業文化、社員の雰囲気重視に変化していき、入社をサントリーに変えて入社、最終的には体育会系のノリと企業カルチャーに絆されたそうです。学生時代からここまでオファーがあったのも白石さんの長けた能力とサントリーの目利き力があったということだと感じます。
◆白石さんとの出会い 最初の意思疎通(顧客への考え方)が大きかったと思います
白石さんと出会ったのは、12年前の夏頃、2011年だったと記憶しています。最初は飲み会でした。そこで意気投合をしたことを思い出します。飲み会の主催者がコスト削減系のコンサル会社。そこから普段お世話になっている方々との交流という趣向で私にも声が掛かり出席していたところ白石さんの考え方に親近感を持ったところから今に繋がります。当時はリーマンショック、東北大震災と続き会社経営の舵取りが厳しい時、本業に寄与すること、コストを下げること、経営全般を理解して経営者と話すことの大切さをお互い違う業界ではありました実践していたからこその親近感でした。酒類メーカーがお酒だけの話、損保会社が保険だけ語っても差別化は難しい、顧客の本業に関心を持ち、どれだけ理解できるか貢献できるかということが一番最初に意見交換ができたことで仲良しになりました。
顧客の本業への貢献について、白石さんの凄さは後段でお伝えしますが私なんか足元にも及ばない凄まじい実績でした。ただ髪型が当時と今も変わらぬということの共通点も大きく、お互いNOHAIRS、そこから兄弟、兄弟シリーズと双方で話すようになりました。共感は大切ですね。
【2011年 白石さんと会社の枠を飛び越えて】
◆仕事ぶり 思い出 毎年予算の300%を達成されていました
白石さんをご紹介するときのキーワードを列挙してみます
・年間予算を第一四半期に達成し、毎年予算の300%を達成している
・飲食店街がなかったエリアに有名店を誘致し、街づくりまで行っていた
・馴れ合いのような飲み会には一切参加しない 仕事は日中にすること
・飲食店経営者に経営手法を無償でコンサルして事業成長を指導していた
・今回の独立に際して、引き継ぎで350社をリアルで訪問した
・インバウンドブームが起こる遥か前から、訪日外国人向けの施策に興味
・経営の数値管理の大切さを飲食業界に伝えるため私の懇意の公認会計士とタッグを組んでいた
・300%達成法の勉強会を無償で業界問わずに開催していました
とにかく素晴らしいご実績、先見性、許容範囲が広い、それが白石さん。
サラリーマンスタート時点から順風だったのか?実はそうではありませんでした。最初の赴任地である徳島では営業に苦労していたそうです。酒販店、飲食店の営業、飲みニケーションができない、かわし方が分からなかった、ビール1杯で許してもらえるようになるにはどうしたら良いのか?自分から言うのではなく、仲良くなった人たちから言ってもらえるようになるとOK。
27、8才の頃営業成績も順調、この頃、大阪の北新地エリアを担当していた頃、会社の交際費をあっと驚くぐらい使っていました。20代で会社の交際費はいくら?って聞くと大体、多くて数十万?多くて100万円?って返事がありますが、白石さんは一桁どころではない桁数でした。それも実績があったからこそ。その順調な頃に、頭を打った経験がありました、出来ていると言う自分で安心していてはいけない、変化をし続ける自分であらねばならない。変わろうと思わないと変わらない。そこから顧客向けに無性のコンサルをすることに方向を定めていきいつしか、受発注の枠を大きく超えた頼られる頼もしい存在となっていきました。この気づきが大きかったと白石さんは話します。
【東海支店長時代に名古屋で。2022年1月】
31,2才の頃には営業の講師をやっていたそうで、そのころに宅建の免許も取得、不動産の知識を持つことで街づくり飲食店街作りまでやってしまう凄腕営業マンに。店舗誘致をすれば確率100%でサントリーの納入先が決まる、その街では自ずとシェア100%を達するまでに。45歳でCPAの資格に合格する頃には、社外からお誘いも多数あったそうですが、サントリー魂が本当に好きだった、やり残していること、圧倒的なことをやっていないのではないかと自問自答するうちに変化が社内から起こるようになりました。それが今回の社内独立の選択です。
◆Frontier M&A Partners株式会社 設立経緯について
10年近く前から、飲食、食に関係する専門のM&A専門会社がこの国に存在しない、特に寄り添う姿勢の会社はないと危惧されていた白石さん。いつか実現したいことがあるごとに私にも話してくださっていました。特にここ数年、コロナ禍で飲食業界の火が消えようとしている中、飲食店業界全体の再編・再興に貢献できる事業として飲食専門のM&A会社の必要度はさらに上がったと認識を深めていました。
またサントリーと言えば『やってみなはれ』の精神。しかし、同社を離れてスタートアップ、ベンチャー企業を起こした人は意外に少ない。そこにも問題意識を持っていました。創業家である鳥井副社長と昇格時研修でこの話をしてから数年後、彼自らが発起人となり、社内起業制度を立ち上げることを知り、その会話の場にいた自分こそが応募する運命にあると感じて手を挙げ、300人超の中から絞られたのが4件、その第一号が白石さんになります。しかし、もうひとつ理由があることを知ったのがラジオ出演でした。それも私が推薦人をさせてもらった番組。【森清華の Life is the journey】こちらを私もお聞きして5年前に病気をされたいたことを知り、人生いつ死ぬか判らない悔いのないようにやれることはやりきろうと覚悟を決めるという人生の中での大きなターニングポイントを経験されていました。そのラジオ番組はSpotifyでいつでもお聞きいただけます。こちらからアクセスできます。
「人生には、飲食店がいる」というサントリーのコピーライティング素晴らしいと見ていましたが、そのコンセプトに白石さんの事業が私は重なります。飲食店の課題に寄り添い、後継者探し、資本提携、事業再生を支援する素晴らしい事業内容だと感じます。
【森清華の Life is the journey収録時の写真】
◆白石さん、会社の今後について
ラジオ出演の際、夢を実現する方々へのメッセージをと聞かれた時の白石さんの言葉が【小さく始めよう】でした。これだけ大きな仕事を成し遂げてきたからこそ、目の前にできる一歩、行動を大切にされていることが理解できます。その姿勢で今後もチャレンジングな活動を起こしていかれるのだと確信しています。
会社の経営理念
ミッション →その想いと食文化を、未来につなぎ、外食産業の価値向上に貢献する
ビジョン →外食経営者がM&Aという経営オプションを当たり前に活用できる社会をつくる
バリュー →高い倫理観と使命感を持ち、飲食店存続のためのM&A仲介を実行する
まさに描いてこられた世界観に合致するものです。
【新橋で独立祝い会を開催したときの写真】
会社の大きな柱(事業内容)は4つ(飲食店に特化)
1.事業承継M&Aコンサルティング
→日本の外食企業の約70%が後継者不在と言われております。この問題を解決するのが、M&Aによる事業承継です。社内承継・親族承継とは異なる、もうひとつの「成長」の選択肢です。地域になくてはならない飲食店を未来へ継承し、創業者の想いを未来へつないでいきます。バトンを渡す側も、受け継ぐ側も、双方が不安なく新しい未来へ進めるよう、弊社が伴走させていただきます。
2..成長加速型M&Aコンサルティング
→経営は安定しているものの、成長戦略が頓挫したという外食企業様に対し、経営の安定を図り、事業拡大戦略を見据えた企業シナジーを高めるパートナー企業とのマッチングをご提案いたします。
3.企業再生を目指す経営支援コンサルティング
→飲食経営に精通した弊社メンバーが企業再生に向けた戦略を立案し、スポンサー企業と共に、経営再建に向けサポートさせていただきます。お困りの経営者様は、是非とも弊社へご相談ください。
4.経営大学院を起こし運営する(今年の6月予定)
→飲食経営は参入障壁が低く、経営を学ばずに参入してくるプレーヤーが後を絶ちません。当然、閉店のリスクも高くなります。しかし、店舗ビジネスで必要不可欠なマーケティングを学ぶことで、成功する確率を上げることができます。
経営大学院で学ぶ内容を、飲食経営にあてはめ、知識がない方でも挫折せず学び、実践で使える内容となっております。サーチファンド人材育成にもつなげていきます。
と盛りだくさんの事業内容。白石さんであればスピード感を持って形にしていかれると思います。今後がますます楽しみです。
白石さんの動きが早速、経済産業省 事業「出向起業等創出支援事業」に採択され、出向起業というテーマの中で5社中1社としてリリースも出ています。経産省のリリースはこちらです。
上記採択に関して、白石さんのインタビューもリリースされています。概要はこちらから。
【2022年夏 社内ベンチャー制度についてお聞きした時 名古屋にて】
◆白石さんからコメントをいただきました
まずは杉浦さん、いつもありがとうございます。
そして、ここまで記事を読んでいただいた皆様、ありがとうございます。私は自分を育ててくれた外食産業へのお返しがしたいとの思いで「外食専門M&Aコンサルティング会社」を起業しました。弊社は、社内ベンチャーでありながら独立性が重視されるビジネスのため、親会社からの出資がゼロであるなど、世の社内ベンチャーとは大きく異なった性質を持った会社です。
サントリー経営幹部からも「サントリーの売上を考えなくてよい」「業界のために尽くしないさい」との言葉をもらい枠にとらわれず、業界再編に取り組んで参りますので、未熟な私私ではございますが、何卒、お力添えのほど、よろしくお願いいたします。
【白石さんといつも兄弟シリーズで】