第96回ご縁結びのコーナー 株式会社We Are The People 安田さん 〜素敵な社名!これからの時代はまさに人、個人が生き生きする時代にならないといけないのです〜

ー杉浦佳浩

第96回ご縁結びのコーナー 株式会社We Are The People 安田さん 〜素敵な社名!これからの時代はまさに人、個人が生き生きする時代にならないといけないのです〜


2023年 01月 06日

第96回ご縁結びのコーナー 株式会社We Are The People 安田さん 〜素敵な社名!これからの時代はまさに人、個人が生き生きする時代にならないといけないのです〜

  

株式会社We Are The PeopleのHPはこちら。

 

ここ数年多種多様な方々から、独立相談をいただける幸せ。こんな私にこれほどのプロフェッショナルな方が相談?もうその時点で上手く行くこと間違いなし。そうお答えする方々も実際多いです。その中でも独立後すぐにマッハのスピードで勢いに乗り多様な場面でご活躍をされている安田さん、人事領域のプロフェッショナルですが、独立後は経営者に寄り添い経営に近い立場でご支援をされています。NOHAIRS仲間でもあり、出会いからたくさんのやりとりをさせていただき私も勉強させていただいています。安田さんとの出会い、独立のきっかけ、現在のご活躍に至るまでお伝えしたいと思います。

【安田さんの独立お祝い会2021年10月:中央手前が安田さん】

 

◆出会った時、記事上でナンパされたのは私の方です。その時衝撃の相談も。

2019/5/22に記事上で面識のない安田さんの存在を知った日です。へー、世の中にこんなすごい人がいるんだ、というのが最初の印象。記事中だけでお会いすることはないと思っていました。その記事のタイトルがこちらです→【ロールモデル】「枯れない人」が、20代、30代でやってきたこと 記事冒頭で私と安田さんが似顔絵で2ショット。その記事の似顔絵も。

なんか最高ですよね。これ本当に嬉しかったです。記事化してくださった佐藤留美さんに感謝しかないです。

記事のpicks数が1800を超えていて、好意的、共感してくださるコメントも多数でした。

私の感想と違ったのが安田さん、この私の記事をご覧になって、『こんな人がいるの?会ってみたい』すぐに、佐藤留美さんに連絡、そこから私へ、興味がある一度お会いしたいと。え?ほんと?って思ったのですが、すぐに安田さんを繋いでもらってコンタクトし、一度当時の職場に訪問し、あれこれ話している時に、明確に覚えているのが、『私も独立ってできると思いますか?ニーズありますか?価値があるのか?』という質問でした。その時の写真が以下です。

写真にある文言がまさに自分らしくあれば全く問題ない。と思ったので心配ないですよ。ただやり方、進め方はあるので任せてくださいと伝えました。詳細は後段で。安田さんのご経歴を次のパートで。

 

◆人事のプロフェッショナル 挙げた拳を下ろしたことのない鉄の意志

安田さんのご経歴についてHPより。

1967年生。1989年に南山大学卒業後、西友にて人事採用・教育訓練を担当、子会社出向の後に同社を退社し、2001年よりグッチグループジャパン(現ケリングジャパン)にて人事企画・能力開発・事業部担当人事など人事部門全般を経験。2008年からはジョンソン・エンド・ジョンソンにてSenior HR Business Partnerを務め、組織人事や人事制度改訂・導入、Talent Managementのフレーム運用、M&Aなどをリードした。2013年にアストラゼネカへ転じた後に、2015年5月よりラッシュジャパンにてHead of People(人事統括 責任者・人事部長)を務める。2021年7月末日をもって同社を退社し、自ら起業した株式会社 We Are The Peopleでの事業に専念。 ソーシャル経済メディア「NewsPicks」ではプロピッカーとして活動

 

西友→グッチ→ジョンソン・エンド・ジョンソン→アストラゼネカ→ラッシュジャパン→株式会社We Are The People

という新卒と独立その間の4社が全て外資。外資でよく耳にする〇〇にいました発言、よくよく聞くとそれってクビじゃないの?ってことが間々ありますが、安田さんはもちろん解雇されての転職ではなく全て自ら自分のステップアップ、キャリア形成にと経験を積んで来られました。

最初のキャリアでは、西友の店舗でエアコン王(当時は家電販売担当)と呼ばれるくらい販売実績があったそうです。その後人事へ、そこで厳しい経営状況に陥った時、退職勧奨をする立場に。ここで会社に残る選択のない状況に理解を求め合意解約を取り付けていきます。生涯、人事キャリアの立場で400名ほどの退職勧奨の経験で会社に残った人はほぼゼロに近いそうです。まさに挙げた拳を下ろしたことのない鉄の意志を貫いて来られました。これは、残っても未来のない社員への確信、ある意味、安田さんの優しさの表現と感じます。(この優しさが今の日本に不足していますね)

安田さんのキャリアについての素敵な記事、「板挟みの自分」を嘆くひまはない。最後まで向き合い続ける人事になもご覧ください。

【安田さんの企業人事としての実績(ありとあらゆる経験値)】

 

人事の仕事を徹底的にやり尽くして来られた安田さん、私がお会いした際には、人事を通してブランディング(インナーブランディング)の領域、事業を成長軌道に持っていく、人事領域の自分の分身を複数創っているそんなレベル感でした。そこで私に次のキャリアについて話がありました。

 

◆外資や大企業ではない何かに役立ちたい

50歳を過ぎて、なんの心配もない状況で、私との出会いで独立を意識するようになった、私に誑かされたと笑顔で話す安田さん。私が明確に覚えているコメントに『外資や大企業とは違う世界で活動、役立ちができるか?』ということでした。外資だから、大企業だから、今の立場で仕事ができるというコメントを耳にしていた安田さん、地方企業、いわゆる中小企業、ベンチャースタートアップの界隈で自分の腕試しをしてみたいと思っていたところに私が、できますよとある意味誑かして今に至ります。

私が質問したのは1点→今の会社は副業OKですか? OKです。それで十分です。

私が提案したのは2点

・私の仲良しの先、経営者を紹介します

・私の企画で勉強会を開催したいです

安田さんはすぐにOKでした。勉強会開催は、虎ノ門ヒルズにて開催、100名以上の方々にお越しいただき、私の関与先、仲良しの方々に安田さんの存在感、プロフェショナル度、を理解してもらい紹介しやすい環境を作りました。

2019年12月に開催した勉強会は以下のとおりです。

『社外の「ロールモデル」から学ぶ プロフェッショナルへのキャリアプラン』

紹介者である、佐藤留美さん、経営者代表で働き方改革に関する社団運営もされていたストリートスマート社の松林さんに協力を得て上記を開催しました。

【虎ノ門ヒルズでのセミナー開催時の写真】

 

◆副業当初から今もお世話になっている徳永さんにコメントいただきました

私が一番最初にご紹介したのが、アンビシャス社の徳永社長。安田さんのキーワード、東京以外、ハートのある社長、まさに同社が最初に浮かびご紹介しました。その徳永さんが安田さんについて喜んでコメントを寄せてくださいました。

 

①安田さんとはどんな人でしょうか?どんな感じの人か?

杉浦さんからご紹介頂いてもうすぐ、3年になります。株式会社 We Are The Peopleのサイト記載の通り、「人材の成長を事業計画・戦略のド真ん中に置く。」という信念と、弊社が掲げる「志の高い人格者を輩出する」という理念は根底が同じと考えており、お会いしてすぐに意気投合しました。メディアの露出が増えてからも、気さくで、謙虚さを忘れず、私もそのように人と接したいと考えていることもあり、気が合い、公私ともに仲良くさせて頂いています。

 

②仕事ぶり

1990年前半から一貫して人事畑を歩まれ、かつ複数の企業で責任を果たされた経験からの意見は、当社のようなベンチャー企業にとって「道標」となっています。人事戦略をどうすべきか、ミッションビジョンバリューの制定、労務問題への対応等、経験の乏しい当社が方針で迷った時、「それで良いと思います」「こういう場合はこうすべきです」と方向性を指し示して下さいます。また、当社が本店を置く大阪では、中々優秀な人事を採用し辛いという事情があります。そのような事情の中、迷ったら相談でき、道標になってくれる安田さんにとても助けられています。

 

③会社の何かが変わりましたか?どういう影響があったか?

先に書いたことと繰り返しにもなりますが、「人」に纏わること全般での安心を得ることができました。人事制度構築や性格診断ソフトの見極め・研修内容等、迷ったら安田さんに意見を求めるようにしています。

アンビシャスは引き続き、人材の成長を中心に事業を進めて参ります。組織が大きくなるに連れ、より安田さんのご意見を頂戴することが多くなると思います。引き続き、ご支援、何卒宜しくお願い致します。

 

というコメント、何か良いことばかり聞き出したみたいですが、実際はこの通りです。私のご紹介のたくさんの会社が安田さんの考え方、言葉で救われたと思っています。心から感謝しています。徳永さんコメント有り難うございました。

【安田さんが大好きと話す大阪での一枚】

 

◆労働は生きること 仕事より楽しいものはない 独立後の風景について聞きました

上記の言葉、同感です、私も。インタビュー時がちょうど、サッカーワールドカップの時、熱狂している世の中、会社員、就業時間を繰り上げるという会社まで。仕事に熱狂できない人がいかに多いかを安田さんと共有していました。スポーツ観戦に熱狂する、それ以上に自分の今の仕事に熱狂する。それがまさに仕事よりも楽しいものはない、労働は生きることに繋がったと思います。

この言葉が出てくることはまさに、今、株式会社We Are The Peopleの仕事に熱狂している、楽しくてしょうがない。そこに間違いなしです。

昨年の1月に安田さんに人事として大切なことについて、りそな銀行さんの経済リポート【りそなCollaborare】の私のコーナー【岡目八目リポート】で【中小企業の人事のあるべき姿:7つの重要なこと】〜今日から会社の「しわ」を伸ばしましょう!これは自画自賛ですが素晴らしい記事だと思っています。是非ご覧いただきたいと思っています。

ポイントだけを列挙してみます。

1.「中小企業の人事をサポートする」という思い

  日本企業にありがちな「人を管理する人事」とは根本的に違うもので、ずばり「人事=経営戦略」

2.これまでの歴史に向き合う

  これまでの成長の歴史に向き合わず、自分(2代目経営者)のつくりたい未来の話ばかりしてしまっている

3.トップがロールモデルになる

  メンバーが付いてこないことに関しては、もう一つ、トップがロールモデルになっていない

4.フィードバックは「オン・ザ・ジョブ」が鉄則

  フィードバックは「オン・ザ・ジョブ」、つまり仕事の中で行うこと

5.【OS】は他社でつくらせるものではない

  自分たちの会社のOSを他人がつくれるわけがない。

  つまり、人事制度をつくるときに人事コンサルに任せきりにしてはいけない。

  それではメンバーにトップの意図が伝わりません

6.メンバー皆で考える。【事例】安田さん流「一日がかりの社内会議」

  「この会社って何」という本質を、経営者ではなく、メンバーが話すこと  

7.すべての部門がハッピーである

  「虐げられている部門があっていいわけがない。それを是としている限り、組織全体のエンゲージメントやモチベーションは決して上がりません」

この7つを見ただけでも上手くいっていない会社の雰囲気が見えてきます。不思議なもんです。

【新旧人事の違いこれから人事のあり方】

独立して1年半、安田さんに現状についてお聞きすると、

できることはいっぱいある。世の中広いな、多様性が広がった。IT企業もあれば、金融、猫カフェまで。全ての関わりある会社を見ていて楽しい。

企業は人である。そこは全く変わらない、外資系以上に人間関係で悩んでいる人は多い気がする、上司部下の関係性中の悪さも気になる。会議で発言しない、資料を作らない、多様性(ジェンダー)への理解がまだまだな感じ。肌感で言うとトップ0.5%程度しか現実を理解していない。さらにトップレベルから引き離されている様に感じる。自分の役割として本質を分かりやすくしていきたい。そのためにももうちょっと自分がマイルドにならないと(自分は圧力が強いかなと感じている)。

 

日本企業(特に大企業、中小も)感じること、経営者、経営の中枢がディテールを掴んでいない。ファイナンス、数字面に弱い、利益の見通しの甘さ、売上損益の見込み、全ての階層について数字で語れる人がごく僅か。外資では数字を根拠にレポーティング能力が試される、本国にいる上司、ボスにきちんと報告する義務がある。なーなーなんてあり得ないのはご存知の通り。

 

私が気になっている解雇権についても聞いてみました。(私自身、企業の弱体化を経営側から見た際にこの権力に問題があると思っています)意外にも安田さんはそこではないという見解。そこに至るところに労使のギャップを埋める努力が足りない、プロセスを踏んでいないことが大きい。法制化の部分もあるがもっと事前にやるべきことはある。別の角度から弁護士がお粗末特に中小企業経営者に寄り添う弁護士が少なすぎる、会社の強気を代弁してくる人が少なすぎる。

 

同年代のサラリーマンに対してどう思いますか?の問いに。50〜60歳になって急に慌てる人が多い、ハッピーになっている人を見たことがない。企業側もお荷物にしない、過去の成功体験そのDNAを資産として活用することはまさに人的資本主義どう上手く使っていくか、もっと深掘りしていくべき、年功序列型賃金を変化させていく。早期退職をその後の活性化施策として一石を投じることも大切。ショック療法も必要。

安田さんから同世代に3伝えたい点

①過去の仕事人としての自分をきちんと振り返る

②収入と支出のバランスを観る

③改めて人生をどう生きるか(スイッチを入れよう)

最終的に、自分のキャリアは自分で切り開く覚悟を持つ。自分のバリューは何なのか。絶対にあるはず、応援される人になること。

 

ベンチャー、スタートアップを見ていて感じることも聞いてみました。安田さんの耳に入ってくる中に、『ベンチャーだから』に異を唱えることが多いそうです。人を大切にしない、目先のことばかり、今はそのフェーズではない、組織を大切にしないアイデアは一流だがエンゲージメントなんてあったもんじゃない。それでは通用しない。人と組織を理解しない、喉元過ぎればじゃないが、その場その場を凌いで結果、後で大きな痛手を被ること、そこを理解していない経営者を一定数見受ける。歴史感ある中小企業経営者の方がよっぽど肌感が合うと話します。

 

最後に独立してまだ1年半ですが今後について聞いてみますと、

来るもの拒まず、死ぬまでこの仕事を続ける。これまで以上に多くの方にリーチしていきたい。多様性ある方々と触れ合うことで、精度と説得性が上がっている。自信が増し、自分のレベル、クオリティーが再確認できていている。もっと日本に貢献できるできるだけたくさんの企業に関わっていきたい。

と話してくださいました。普段から私の懇意先に全力投球でお世話になりっぱなし、本当に感謝しています。

昨年初めて、佐渡島にご一緒くださり、なんて楽しいんだ!と次は?ということで離島シリーズに積極参加も表明、見聞を広げることも欠かさないという姿勢です。

私も成長し、長いお付き合いを願う方です。今回のインタビューでそれがさらに増長した次第です。感謝を込めて。

【安田さんを紹介してくださった佐藤さんと3人で】

 

◆最後に安田さんにコメントをいただきました

 

「地球上のどこに行っても通用する人事のプロになろう」と決めて、外資系企業の人事職の世界に足を踏み入れた34歳の頃からしばらくの間、私のキャリアゴールは「(外資系企業の)日本法人の人事責任者になること」でした。全ての経験は「その日」のため。そして思い描いた通り、そのポジションに就くわけですが、その先のビジョンは実はありませんでした。あるとしたら、より大きな企業でよりグローバルに「プロ人事部長・安田雅彦」としての市場価値を上げ、高いお給料をゲットしていこう、というそんなことぐらい。今、考えれば本当に「しょうもない」話です。

 

いや、しょうもない話でもないかもしれませんが、そう言い切ってしまえるぐらい、杉浦さんとの出会い、ご紹介頂いた皆様とのお付き合い、そこから広がった世界、見えるようになった風景は、私を全く別のところに導いてくれました。杉浦さんはもちろんのこと、皆様には本当に感謝しております。

 

「人事」は十人十色、百社百様だと思っています。であるが故に、どれだけ多くの「人事」に携わってきたかは、プロフェッショナルとしての「打ち手の成功確率」に大きな影響がある。自信になる。ご縁のおかげで幸いにも毎日忙しくさせて頂いておりますが、この日々の皆様との出会いこそが、50代半ばを過ぎようとしている私の「刀」を絶えることなく研鑽してくれていることは間違いありません。まだまだいけます。これからも宜しくお願いいたします。

【楽しかった佐渡島での一コマ惑星ならぬ恒星直列?】