心をあらためてみる、捉え方を変えよう

ー杉浦佳浩

心をあらためてみる、捉え方を変えよう


2022年 07月 11日

【今週の自戒】
心をあらためてみる、捉え方を変えよう

たくさんの経営者
たくさんの会社員
を見てきました。
経営者ならまだ腹を括って
火中の栗を拾う人もいる。
会社員で、役職に関係なく
そこまで?と思うくらい
課題、仕事に向き合う人がいます。

そのような向き合い続ける方々へ
なぜそこまで仕事に没頭するのか?
という質問を投げかけてきました。

30代、40代トップスピードで走り切れる期間
その大半費やすのが仕事、せっかくの時間
たくさんの経験を積める
楽しんでみる、やりきってみる
楽しいと思ってやってみる
そんな回答が返ってきました。

なんでこんなことをやらないといけないのか?
と文句ばかり、私のやる仕事はここにないと
すぐにやめていく。そんな人も見てきました。

入社以来ずっと成果数字に拘ってきた
ある会社の名物社員だった人から
久しぶりの連絡
会社に提案していた大きなプロジェクトを
会社がOKしたとのこと。構想から10年近く
その人の仕事への姿勢を会社は見ていたんだと。

その時、その方は最高の笑顔だったと思います。
人生を、仕事を楽しめる心持ちの方々と
ご一緒できますように。
今週も
よろしくお願い申し上げます。

【人生をいかに楽しんで生きるか】

藤尾秀昭氏の心に響く言葉より…

江戸時代中期の人に貝原益軒(かいばらえきけん)という人がいます。
1630年に生まれ、85歳まで生きていましたから、当時としてはかなり長命です。
この人は若い頃から思想学問に打ち込んだ人で、生涯200冊を超える著作を残していますが、81歳の時に書いた『楽訓(らくくん)』、84歳(亡くなる前の年)に書いた『養生訓(ようじょうくん)』が有名です。
特に『養生訓』は当時も大ベストセラーとなり、今日も多くの人に愛読されています。

さて、『養生訓』というと、 健康法を説いた本のように思いますが、 益軒が説いているのは、人生をいかに楽しんで生きるかということです。
「人間の命は私物ではなく天地のものだから、 つつしんで、よく養ひて、そこなひやぶらず、 天年を長くたもつべし」 というのが、益軒の根本的な考えです。
これが益軒が生涯追求してきたテーマであり、 『養生訓』はその集大成の著書といえます。
それ故、その『養生訓』は本質をついています。

例えば、養生の術についてこういいます。
「養生の術は安閑無事なるを専(もっぱら)とせず。 心を静にし、身をうごかすをよしとす。

身を安閑にするは、かへって元気とどこほり、 ふさがりて病を生ず。
これをもって、四民(あらゆる職業の人)ともによくつとむべし。
安逸(あんいつ)なるべからず。
これ即ち養生の術なり」

また、日常生活の中で、面倒くさがってはいけない、とも教えています。
「煩(はん)を厭(いと)うはこれ人の大病なり。
これ人事の廃(すた)れ弛(ゆる)み、功業の成らざる所以(ゆえん)なり」(『慎思録(しんしろく)』)

面倒くさがらず、勤勉に努めないと事業は成功しない、 ということです。
現代に生きる私たちも自戒しなければならない言葉です。

最後に、 益軒の説いている三楽(人の楽しむべき事三あり)を紹介します。
「一には道を行ひ、ひが事なくして、善を楽しむにあり。
二には身に病なくして、快く楽しむにあり。
三には命ながくして、久しく楽しむにあり。
この三楽なくんば、いかなる大富貴をきはむとも益なかるべし」

この稿を書きながら、ゲーテの「処世のおきて」を思い出しました。
「気持ちよい生活を送ろうと思うなら」 といって、ゲーテは次のように説いています。

「済んだことをくよくよせぬこと。
滅多なことに腹立てぬこと。
いつも現在を楽しむこと。
とりわけ人を憎まぬこと。
未来を神にまかせること」

達人の言は古今に不変のようです。

『生きる力になる言葉』致知出版社

中国の孟子の言葉にも、君子の「三楽」があります。
君子とは、徳が高く品位のあるもの、人格者のことです。

一、家族が無事であること
二、天に恥じない行動をしていること
三、すぐれた才能を持つ人を見つけ出し、教育すること

名経営者の晩年は必ず、教育に帰結するといいます。
松下幸之助翁は「松下政経塾」をつくり、稲盛和夫氏は「盛和塾」をつくり、永守重信氏は「京都先端科学大学」をつくりました。
すぐれた才能を持つ人を見つけ出し、教育することこそが、未来の日本や世界のためであるからです。
だからこそ、教育に対してかぎりない魅力と、楽しみを感じるのです。

「人生をいかに楽しんでいきるか」
くよくよせず、腹を立てず…
好奇心いっぱいに、人生をおもしろがって生きてゆきたいと思います。

上記の【人生をいかに楽しんで生きるか】については人の心に灯をともすより引用しています。