夢をたくさん持つのに遠慮はいらない、そしてそこから。

ー杉浦佳浩

夢をたくさん持つのに遠慮はいらない、そしてそこから。


2022年 06月 06日

【今週の自戒】
夢をたくさん持つのに遠慮はいらない、そしてそこから。

昨日朝から3時間慣れない審査員として
しかも日本語スピーチコンテストに。
中国、台湾、トルコ、サウジアラビア、スペイン、フランス
カナダ、イタリア、珍しいところではキルギス
まさに地球1周ライブ感があるものでした。

10名の方々の日本語スピーチを審査するという役割でした。
登壇の皆さんは夢について日本語で語るもの
素晴らしい数々、審査より夢の方に思考が傾き
何度もうなづき、何か込み上げてくるものも
まさに夢をたくさん持つことは遠慮はいらない
皆さん心の声に耳を傾け、びっくりするような
夢を持って、しかも遠く離れた日本のために。
有り難い。
あの熱量だと、必ず何か行動が伴うと思います。

88カ国1500名を超える方々が参加したこの
スピーチコンテスト、まさに変わり者の集団。
変わりものが、世の中を変えていく
事を起こしていく。
そんな方々との交わりを一層増やしていこうと
決めました。
耳を澄まして心の声に素直に。
そしてそこから実行していこう
変わり者の時代を面白おかしく。
今週も
よろしくお願い申し上げます。

【町おこしの共通点】

小林正観さんの心に響く言葉より…

商店街には200軒くらいの店があるのだが、お客さんが来なくなり、ほとんどの店が午後7時に閉めてしまう。
そして7時を過ぎると、商店街はまるでゴーストタウンのようになり、人がそこを通るのが怖いと思うくらいに暗くて、人通りが少なくなってしまう。
昼間も閉める店が次第に増え始めている…ということでした。

面白いことに、その相談をしている商店街の人たちが、自らこんな話をしました。
「つい最近、24時間営業のコンビニが商店街から離れた所(町の外れ)にできたのだが、その店はなんと、開店後1ヵ月で、全国にある店舗チェーンの中で1番の売り上げを示した」。
そういう事実をその商店街の人たちは知っていながら、自分たちの店を午後7時に閉めてしまうという事実に、私は大きな声で笑ってしまいました。

例えば、商店街全体の営業を8時まで、あるいは9時までにしようとするのが難しいことは、充分にわかっています。
私の提案は、全体をそういうふうにすればよいではないか、 という話ではありません。
私の提案はいつも同じです。「一人勝ち」をする、変わった「ドンキホーテ(変わり者)」が出てくればいいということ。
町おこしや村おこしには「ドンキホーテ」が必要なのだ、ということです。

町おこしや村おこしに成果があった所には共通点があります。
三つの条件のうち一つ以上を持っているということですが、三つの条件とは以下のものです。

1.その町や村で育った人が一度都会の方に出て行き、そこで学生時代を過ごしたり、社会人として生活をしてから町や村に戻って何かを始めた。
2.ある都会に住んでいた人が、そこでの仕事を辞め、その町や村に移り住んで何かを始めた。
3.その町や村を出たことはないが、町や村の外に多くの友人、知人を持っている。

そういう人が、例えば宿を始めたり、民芸品店を始めたり、喫茶店を始めた、ということが、町おこし、村おこしのきっかけになっているのです。
外の世界と交流を持ち、外の世界を知っている人が何かを始める、ということが、町おこし、村おこしの成果が見える条件でした。
しかも、その人たちは、皆で協調してお互いに足並みをそろえてやって行くというやり方は、最初からはとらなかったのです。
まずは、すべての人が「ドンキホーテ」であったということでした。

「ドンキホーテ」であるとはどういうことかと言うと、ただ自分が好き勝手にそれをやっていく、ということにほかなりません。
周りの人と協議をして共同歩調をとってやっていくというやり方をしている間は、多分、何も打開できず、何も新しい動きにはならないでしょう。

町おこし、村おこしには、必ず「ドンキホーテ」の存在がありました。
バカになって変わっ たことをやっていて、初めは町や村の人から「何、バカなことをやっているんだ。あんなことをやっても食べていけるわけはないのに、くだらないことをやって」と言われるような人です。
そして、その変わった人が、町の人や村の人たちの白い目、批判的な目、軽蔑的な目をものともせず、ニコニコとそれを継続的にやっていくうちに、次第に外の人がそこに来て、その店や宿が注目されるようになり、外からの人々との交流が盛んになって、その派生として周りに店ができたり宿ができたりする、ということが起きたのでした。

つまり、町おこし、村おこしには、必ず核になる「ドンキホーテ」(変わり者)が常にいました。
バカになる、バカになりきれる人が必ずいたのです。

そして、その人たちは、結果的に一人勝ちをしていきました。
その町や村で一人勝ちをしていく人の存在というのが、実に重要なことなのです。
共同歩調をもって、みんなで同じスタートを切ろうとすることはなかなか難しいからです。

『ただしい人から たのしい人へ』弘園社

本書の中に「正しく一人勝ちする方法」という文章がありました。

『一人勝ちをした場合には、町や村の人たちから妬まれ、嫉妬されるという話をよく聞きますが、それは、一人勝ちをして得た潤いや富を、自分の中に貯め込んでしまった結果として、批判をされてきたということだと思います。
その利益を自分で貯め込まずに、周りの人たちのために使うこと。
例えば、宿を経営しているのであるならば、その土地の野菜を使ったり、魚や果物を買い入れたり、食器にその土地の陶器や木材を使ったりするというようなことです。
そのように、宿が貯め込むのではなく、宿が儲けた分を地域の経済に寄与するかたちで使っていったならば、その人は必ず「潤っていてほしい」という周りの人たちの気持ちの上に乗っていくことになります。
そして、実際にそのようにやっている人は、周りの人からの「この人には裕福でいてほしい」「この人の事業がずっと順調であってほしい」という 想念の上に乗って、楽しく仕事を続けることができるわけです。
ですから、「地域の現状が停滞しているではないか」とか「全然生き生きとしていないではないか」と批判することは簡単ですが、批判をするよりも、まず自分が「ドンキホーテ(変わり者)」になり、率先してやっていくこと。
そして、自分の考え方で一人勝ちをし、その一人勝ちをしたときに決して驕(おご)り高ぶらず、周りの人も潤うように富や喜びを分けていくこと。
そういうことをし続けていれば、必ずやその地域は活性化し、その「ドンキホーテ」さんも、皆と明るく楽しくやっていくことができるのです。』

正観さんは、商店街の活性化では、「一人勝ち」する人が出てくればいいといいます。
一人勝ちというと、いかにも自分のことしか考えていない身勝手な人のようですが、一軒、行列のできる流行る店が出てくれば、その店を目指して商店街に人の流れができます。
すると、その繁盛ぶりをみて、その近くに、意欲のある人が店を開きます。
最初から商店街全体をよくしようと考えると、全員の利害が反するので、その話し合いだけで何年もかかり、結局は何も手が打てなくなってしまいます。

これはどんな事例にもあてはまることです。
たとえば、会社全体の売り上げを上げようとするのではなく、誰か一人の変わり者が、自分の属する部門だけ、あるいはその店舗だけ、飛びぬけた売り上げを上げれば、やがてそれが事例となり、全体に波及します。

どんな変革もたった一人から始まります。

町おこしをするなら…
バカになりきれる「変わり者」を目指したいと思います。

上記の【町おこしの共通点】については人の心に灯をともすより引用しています。