第88回ご縁結びのコーナー 株式会社EDEYANS 片山さん 〜オモシロ社名ですが、事業はど真剣 清掃DXを実現へ〜

ー杉浦佳浩

第88回ご縁結びのコーナー 株式会社EDEYANS 片山さん 〜オモシロ社名ですが、事業はど真剣 清掃DXを実現へ〜


2022年 05月 19日

第88回ご縁結びのコーナー 株式会社EDEYANS 片山さん 〜オモシロ社名ですが、事業はど真剣 清掃DXを実現へ〜   

会社HPはこちらです。

最近、新設登記される社名を見ていると、漢字だけってかなり少数派になってきていると感じます。カタカナよりもアルファベット表記が多数派になりつつあるようになってきたかなと。今回の片山さんの会社名が、EDEYANSなんかカッコいい?でもよく見るとオモシロイ。イーデヤンスをアルファベット表記にして社名に。創業メンバーでお酒も入りつつ社名をどうするか、そんな議論の中で、イーデヤンスの響きがなんとなく耳触りがよかった、翌日にはこれで行こうと決めていたそうで、スピード感、実行力あることも社名の意思決定から感じ取れるのが片山さんです。清掃DXというまだあまり一般化していない領域で社会へのお役立ちをしようと奮闘中であり、会社設立前から仲良くしてくださっている片山さんについて今回はお伝えしたいと思います。

【2019年6月会社設立1周年記念に】

◆何度も何度も質問攻めに、そこが出会いでした


【最初の出会い2017年11月30日片山さんは中央一番後ろ】

この写真の時、片山さんは大学生でした。ちなみに起業をしていく方々を対象にした研修会の講師を私がさせていた時のものです。場所は本町、人数は6,7名ほど。その中でお二人の方からの質問攻めにあったことが懐かしいです。その中で一番熱心に私の話を聞き、質問を投げかけてくれたのが、片山さんでした。大学生でなんでこんなに熱心なのか?片山さんから、『杉浦さんの話していることが全くと言っていいほど理解できなかった、自分が何も知らないことに気付かされました』と当時を振り返ってくださいました。

◆大学時代、休学〜起業へ 私との再会

片山さんは、愛媛県出身、サッカー少年で育ったそうで、高校のときには親元を離れて、松山北高校に。そこで優秀な選手に囲まれて挫折を経験したそうです。夢だった全国大会にも出れなかった、サッカーに自信をなくしていた、勉強もしてこなかった。それでもサッカーしかないと思って、学校推薦で岡山の大学、そしてサッカー部へ。大学に入って愕然としたのがサッカー以外は何もなし、都会の楽しさ、楽しい大学生ライフ、そんな期待もあったのですが。無縁の世界、さらに強烈な上下関係、ピラミッド構造の毎日、ここで上を目指すのはキツすぎる、1ヶ月で退学の道を決めます。そこから香川県の全寮制予備校で猛勉強し、翌年、見事大阪の大学に合格。この時ほど、両親に感謝したことはないと真剣に話していた片山さん。資金面や精神面で支えてもらえたと話していました。素晴らしい家族愛ですね。

サッカー以外で頑張った末、翌春の大学、志を持って新たなことにチャレンジしようと意気揚々と入学したのですが、大阪があまりに楽しすぎたそうで、当初の志はどこかに消えてしまい、バイトとサークル活動に精を出していたところ、

「このまま楽しい大学生活に浸っていてはあかん、そう思いました。そして両親に申し訳ないと」

そこから、経営者、起業家になりたい。でもどうやったら?良いか?それも分からない。いろんなコミュニティに参加するうちに、社長に近い存在になって勉強しよう、社長の鞄持ちをしよう、側近になろうと。そのうえで日本ではない、海外で活躍する経営者に会おうと1年間大学を休学してベトナムのハノイに向かいます。ハノイでもすったもんだが在りながらも持ち前のバイタリティで乗り切り、元コンサル出身の経営者にお世話になって起業のイロハ、準備に入ります。

片山さんがベトナムで学んだこと

・マーケットにチャンスがないとダメ。そこで一番のスピード感、先行投資できるか?

・キャッシュフローをとにかく良くすること。お金がなかった。先にお金をもらえることを意識する

・イノベーションの余地があるかどうか

と自分で感じたそうです。大切なこと、実地で学んだことは大きいですね。

帰国後、インターン先の社長から、民泊の清掃は困っている運営会社が多いよという一言から、調べていくに従って上記3つにも合致する、よしやってみようと、なにも、だれからも教わることなく電話をかけ始めたそうです。ここでもまずはやってみるその大切さ。個人事業主としてスタートしようとしていた頃、前述の私の講演会に参加するところに繋がります。そこから数カ月先、コンタクトのない中、たまたま私が入居したコワーキング施設で、杉浦さん!と声をかけてもらってビックリ、そこで片山さんと再会したという、ご縁がある、繋がっていくスタートになっていきました。

 

◆会社の成長と突然の売上減 そこからの必死の努力

個人事業主としてスタートした民泊の清掃事業、自分で営業電話をし、既存業者の値段を潜って安くする自分が清掃に行く見よう見まねで清掃のやり方を学ぶ、大学初期に頑張っていたサークル活動の人脈をフル回転して手が足りなくなってきた状況でどんどん巻き込んで人数を増やしていきました。そして会社設立を2018年6月に法人を登記し経営者としてスタート、折りしもインバウンド全盛期、マーケットの拡大とともに順調に成長し、1期目の売上は1.1億円を達成

どんどんこのままの勢いで成長しようとパートアルバイトも含む仲間も300名をいつしか突破していました。2期目の目標は?と尋ねると2.5億円と元気に返事がありました。実際、上期では1億円を突破していてこれは本物だと思っていたところ、マーケットの消失を経験することに。実際、片山さんからは売上の90%は吹っ飛びましたと。2019年後半の日韓外交問題で、韓国人旅行者の極端な現象と2020年初めには中国で大きな問題になっていたコロナショック、これでインバウンド事業者のほぼ全ては大きく傾くことになりました。そこで大きく沈む、流れに逆らえない、いえ片山さんは何か絶対にできるはずとして、除菌、消毒事業を急速に立ち上げ患者が発生した法人の事務所や宿泊所の契約を取りに行くようにしました。そのスピード感が功を奏し、2期目は1期目を下回ることなく、1.5億円の売上を確保するに至ります。この機転力、機動力、多くの経営者が赤字覚悟と行っている中で増収で結果を残したことは大きな自信に繋がったと思います。除菌消毒事業を本業とするのか?その答えはNO、新たなマーケットを見定め、事業をシフトしていく3期目はそう決めて、大手シティホテルを開拓し始めます。小さな民泊事業者よりも、まとまった部屋数がある、しかも都会に集中している、元々大阪拠点から、2期目から東京に自身は居住しながらマーケット開拓に奔走します。徐々に減っていく除菌消毒事業から、大手ホテルチェーンへ売上も展開でき、4期目の現在、3.5億円の売上に着地見込みだそうです。この大手ホテルを顧客化していく中で見えてきたことが、大手でもデジタル化、いわゆるDX化が遅れている状況。そこで自分達が使いやすい清掃業界向けのシステムを開発し始めます。清掃の指示書、クリーニング後のレポート、請求・支払関連を周辺のシステムと連携、関わる業者間で共有見える化を行えるようなシステムを、今年の4月にローンチいたしました。それがJtasです。

自社で清掃を行いつつも、システム開発販売会社としての領域を持とうとしています。業界へのお役立ちが本当に楽しみですね。

システムの概要は上記のとおりです。かなりの業界へのお役立ちにつながると感じています。

◆経営者の繋がりを作った方が良いと秀吉会を紹介

関西に、かなりマニアックな経営者会があります。それが秀吉会。よくある事務局の営利目的の経営者会ではなく、事務局専任社もなく、経営者が自主的に運営している、そして互いに守秘義務契約を交わして決算状況を開示し、かなりお節介にも歯に衣着せることなく、かなり厳しい発言が飛び交い、時には発表している経営者さんが悔し涙を流す場面もある関西ならではの経営者会です。そこに会社員時代から長らく関わらせていただき、時には私も発言させていただいたりしています。そして新たな会員も紹介したりする中で、片山さんに「秀吉会にオブザーバー参加しない?」と誘いました。この誘いが片山さんに対する最大の功績?と思っています。ご本人からも経営者としての成長は秀吉会に入っていたから、いろんな経営者の考え方、危機的状況からの大転換もなし得たとコメントをもらっています。

初めて参加された時の印象を尋ねると、「怖すぎて怖すぎて、泣いている経営者もいてこんな怖いところには入れないと思いました。杉浦さんから入りますと言えと言われなかったら、無理だと思っていました。」と、20代半ばでかなり恐ろしかったことと思いますが、一旦覚悟を決めて秀吉会に飛び込んだことで、お節介な先輩経営者さんが、片山さんのポテンシャルを評価し、今では入会基準に満たない経営者は会の運営が厳格になっていることから入会出来ないのですが、当時は特例で入会出来たこと、それも片山さんの人徳だと思っています。

その後、秀吉会の経営者のみならず、関西のスタートアップ界の大先輩、関西のみならず東京の経営者からも可愛がられて成長されていく片山さんを私自身誇らしく思っています。

◆先輩経営者のストリート・スマートの松林さんからコメントを

・片山さんと出会った時の印象

若くて夢に満ち溢れた学生という印象でした。学生時代に起業しようと決めたけど自信がなくて就職をした私と違って、学生時代に起業をして初年度から大きな売上を上げていることがすごいと感じました。

・経営者としてどんな成長を見ましたか?

常に先輩経営者から学ぼうとする積極的な姿勢が素晴らしいです。

アドバイスをもらってからの行動がとても早く、改善力が高い経営者に成長されています。

インバウンドに関わる事業だったためコロナウィルスの拡大では相当大きな打撃を受けましたが、困難な状況を乗り越え増収しており、経営者として大きな進化を遂げられたのを間近で見させて頂きました。

・片山さん、イーデヤンスの未来予想

清掃オペレーション事業だけでなく、清掃業務をデジタル活用で効率化するサービスの展開もしていて業界全体をDXするという大きなビジョンを持っています。これまで見てきた彼の成長力を武器にビジョンの実現は間違いないと確信しています。

【右がコメントを寄せてもらった松林さん】

 

◆片山さんからのコメントを


上記の記事内にもありましたが、私の事業家としての人生は杉浦さんの勉強会に参加したところから始まりました。あそこでとにかくわからないことを杉浦さんに躊躇なく質問し続けた自分を少し褒めてあげたいです(笑)(杉浦さん優しく質問にお答えいただき本当にありがとうございました!)

そこから杉浦さんのご紹介で大阪の経営者会、秀吉会に入会させて頂き、多くのご縁で今の私、EDEYANSがあること、これは紛れもない事実です。明らかに入会基準に満たしていない中でも入会させて頂いた理事メンバー、もちろん大プッシュ頂いた杉浦さんにも感謝しきれないです。。あの場でプッシュ頂けてなかったら今どうなっているのか想像もできません。

2018年にインバウンド隆盛期に民泊清掃事業でEDEYANSを創業し4年が経ちましたが本当にジェットコースターのような日々を過ごしてきました。2020年世界中で猛威を振るった新型コロナウイルスは弊社にとっては大打撃。売上が9割ダウン、このまま会社を潰してしまうかもしれない、会社に巻き込んで社員となってくれた友人、その家族を路頭に迷わせてしまうかもしれないと不安に駆られる日々を過ごしましたが除菌消毒事業を立ち上げなんとか会社を立て直しもう一度成長軌道に乗せることができました。
現在はホテルに対して清掃業務請負、バックヤード業務効率化システムジェイタスの開発販売などホテルの困りごとをテクノロジーとオペレーションで解決していく事業を創っていっています。これからホテルは新型コロナの収束に伴い宿泊需要は増え、徐々に元の状態に戻ってくるでしょう。その際に必ず課題になってくるのが人不足です。このままではホテルのフロントスタッフ、清掃スタッフが足りず、長時間労働化し離職が続いてしまう。その課題を解決したくホテルバックヤード効率化システムのジェイタスを開発しています。ジェイタスをより多くのホテルに導入していただきホテルで働く人々の業務の軽減に少しでも貢献したいと自ら(EDEYANS)も業務を請け負い、その大変さを身に染みて分かる分強く思っています。ようやく迎えるコロナ後の時代にホテルのバックヤード業務を効率化し、生産性を高め、これからのホテルにとってなくてはならないサービス、プロダクトを創り日本の宿泊業を下支えし、日本の観光立国の復活に少しでも貢献してきたいです。

大きなお役立ちを実現しようとしている片山さんを今後も応援したいと思っています。大変楽しみな会社であり、経営者です。