笑って、山に登り続けよう、準備を怠らず

ー杉浦佳浩

笑って、山に登り続けよう、準備を怠らず


2022年 03月 21日

【今週の自戒】
〜笑って、山に登り続けよう、準備を怠らず〜

事業という山、それも飛び切り大きな山
登りきった人に会いました。
その方、
自分の登ったこと、やり遂げたこと
誇らしげに話すこともなく、
もう次の山を探している、登る準備をしている
笑顔がホント素晴らしい方、
こう在りたいなと思いました。

あるお若い経営者さんと話していて
とにかく大きな山に登りたいと思っている
大きなことをやり遂げたいと。
私に一生懸命話してくださいました。
私がそのやろうとしている領域に詳しいことを知らずに。
なんどかヒントをと思いましたが、
通じることも無く。
数千メートルの真冬の山に、
装備なし、半袖短パンで登ろうとしている
そんなイメージ。
あまりにも準備不足、無謀のレベルでしたので
キチンと伝えました。
そこまでお節介をと思ったのは、
素敵な笑顔だったから。
そしてその山に登ろうとする意欲は
心から称賛されるべきと思いました。

たくさんの経験をすること
たくさんの失敗経験も大切
心の態度を積極的に
彩りある人生に
笑顔を忘れずに、
今週も
よろしくお願い申し上げます。

【まず、笑ってみる】

中村天風師の心に響く言葉より…

いいですか、「神や仏に救われたい」なんて考え方をもっているかぎりは、 みなさん方の将来の人生を、みなさん方がいだいている夢や希望や願望のとおりに築きあげることなんてできませんよ。
これが、私のいちばん言いたい点なんであります。
なんべんもくり返しますが、「天は自ら助くるものを助く」なのです。

自分自身の生命、自分自身の人生というものは、自分が守らなければならない。
また、守れるように各人にその力が与えられているのです。
それは心の態度が積極的なときに発揮せしめられるのです。
ですから、自分の人生を、自分がほんとうに守っていこうとするならば、 日常の人生に生きる場合、心の態度を、いかなる場合であろうとも積極的にすることです。

よしんば身に病がおこった場合であろうと、運命にままならない状態が生じた場合であろうとも、その心だけは、病や不運の虜(とりこ)にさせないことです。
わかるかい?
もっとはっきり言えば、「たとえ身に病あれど心まで病ませない、たとえ 運命に非なるものあれど心まで悩ませない」ということですよ。
病になっているのは肉体であって、あなた方の心は病になってやしないんですよ。
それを一緒になって、心まで患わしたり悩ましたりしてちゃいけないって言ってるんですよ。
これがいちばん大切なんであります。

運命だって、心の力が勝(まさ)れば、運命は心の支配下になるんです。
昔から言うでしょう。「勇気は常に勝利をもたらし、恐怖は常に敗北をもたらす」
また、もう一つの言葉に、「断じて行えば鬼神もこれを避く」と。

これはいずれもみな精神態度が積極的でなければならないことを、言っているのであります。
心の態度が積極的というのは、いついかなる場合であっても、心の尊さを失わず、また強さを失わず、さらに正しさと清らかさを失わないというのが、積極的ということなんです。
どうですか、みなさん方。
自分自身でおごそかにお考えください。
これまで人生に生きてこられたときの心は、自分自身がいちばんよく知っているはずですから。

何ごとも事なき日はさもあらば、ちょいとでも体の具合が悪いとか、自分の思うことが叶えられないとき、あなた方の心はその出来事にたちまち組み伏せられて、積極の反対である消極になっていやしませんか。
たとえば、朝おきてちょいとでも熱があると、あたふたして、「なにか悪い病気かしらん、これがもとで死ぬんじゃなかろうか…」 なんてこと考えたり思ったりしたことないかい。
大人でも変わったやつになると、もう死ぬ前から遺言かいたりしてね、死んだ後のことあれこれ悩んだりしてる。

尊さも強さも正しさも清らかさも、どこかへ吹っ飛んでしまって、自分自身、情けないほど滅入ってしまって、暗く、弱くなっちゃって、哀れ惨澹たる状態になってる人のほうが世間には多いんですよ。
世間には多いって言わないと、あなた方に失礼ですからね。(笑)

『君に成功を贈る』日本経営合理化協会

池波正太郎氏の小説「真田太平記 五」の中にこんな一節があります。

『「危難に遭遇したときは、まず、笑うてみよ」 と、横沢与七は(向井)佐助に教えた。
数人の敵の刃や槍に囲まれ、 (もう、これまで……) 死ぬる覚悟をさだめたとき、与七は、「まず、笑うてみよ」 と、いうのである。
笑えるわけのものではないが、ともかく、むりにも笑ってみる。
すると、その笑いが、思わぬ力を呼び起こしてくれる。
むりに笑った笑いが、「なんの。ここで倒れてなるものか」という不敵の笑いに変わってくる。
ともかくも、まず、些細な動作を肉体に起こしてみて、そのことによって、わが精神を操作せよというのだ。』

これはまさに、中村天風師のいう「肉体は病気になっていても、心まで病気になってはいけない」というのと同じです。
「笑う」という肉体の操作をすると、心が変わってくる(落ち着いてくる)、ということです。

また、アメリカの著名なジャーナリストのノーマン・カズンズが重度の膠原病(こうげんびょう)で倒れたとき、「笑い」の療法で治ったのは有名な話です。
お笑いのビデオを見たり、本を読んで笑い漬けの生活を送ったら、見事奇跡が起きたのです。

たとえ、病気になったとしても、心まで病気になってはいけない…。
どんな状況になっても、「まず、笑ってみる」ことができる人でありたいと思います。

上記の【まず、笑ってみる】については人の心に灯をともすより引用しています。