花が綺麗なのは咲かない時期があるから、しっかり根を張ろう

ー杉浦佳浩

花が綺麗なのは咲かない時期があるから、しっかり根を張ろう


2022年 02月 07日

【今週の自戒】
〜花が綺麗なのは咲かない時期があるから、しっかり根を張ろう〜

先日、4年ぶりに連絡を下さった経営者さん、
いったい何事?もらったメッセージには、
社会課題へのアツい想い、事業が順調に成長している証、
その上で私に明確となっている相談事
ちょっと唐突感あってビックリしているものの
事業の《根っこ》がはっきりしていることが
短文であっても理解できました。

たまたま翌日の空き時間を申し上げたら、
これがピタッとタイミングも合って。

私と出会った頃はまだまだ収益も見えなかった時
でも利益を追求せず、カツカツの中で、
自社の理念、大きな社会変革への挑戦のために
踏ん張り続けていたそうです。
来期で丸10年になる、大きな花が咲くと
実感しました。
私になんで?ってお聞きしましたら、
都内のある駅前で私を見かけた時
なんか杉浦さんに相談しようと。
それもご縁ですね。お互い笑顔で。

高い理念を掲げて、大した努力もできない人もいれば
真っ暗な地中でもがきながら硬い岩盤を突き上げ
突き動かし、ついには地表に出て芽を出す人もいる。
多様性の世の中、
頑張り方も自由ですが、能力のない私には
長時間仕事に向き合うこと、それしかない。
たった一度の人生、花の咲く人生のために
もっともがこうと。
常に成長できる人でありたい。
今週もよろしくお願い申し上げます。

【個人事業主の覚悟】
田中真澄氏の心に響く言葉より…

《個人事業主は長時間労働で勝負する覚悟を》

事業(商売)では立ち上がりの10年間を辛抱強く生き残れるかが勝負です。
その間は商売一筋に全時間を仕事に賭ける意気込みと覚悟が必要です。
「長時間労働に勝る商法なし」の言葉通り、寝ても覚めても商売商売、寝言にも商売商売の状況に自分を追い込むほどの長時間労働が創業時には求められます。
成功した創業者の自伝には、その様子が異口同音に記されています。

昨今は、サラリーマンから特定の会社・団体に属さず、自らの専門力を活かす個人事業主、いわゆるフリーランサー(自由業)に転じる人が増えており、そうしたフリーランサーの仕事先を斡旋するエージェントも増えています。
職種はシステムエンジニアのようなIT関連のものが大半ですが、パソコンを使用しての仕事ですから、どこに住んでいても仕事ができるのが特長です。
こうしたサラリーマンから転身した独立事業主は、どうしてもサラリーマン的な発想から抜け出せない人がいて、長時間労働や休日労働を否定的に受け止めてしまい、クライアントの要望に応えられない人もいて、仕事を失うケースも多いようです。

私はフリーランサーの集まりであるエージェント主催のセミナーに出講した場合、必ず訴えるのは事業主としての覚悟です。
事業主は労働基準法が適用されないことをプラスの特典と考え、休日労働も長時間労働も大歓迎し、とにかく10年間は仕事一筋に徹することが最も大切であると強調するのです。
ところが若いエンジニアの間には、私の提言を素直に受け入れようとしない人も見受けます。
そういう人は長時間労働=悪という考え方が身に付いているようです。
特に最近の政府が推進している働き方改革の政策の影響で、長時間労働をマイナスに受け止める世論が多くなっています。

この傾向に疑問を投じているのが作家の向谷匡史(むかいだにただし)氏です。
氏は2018(平成30)年1月9日付産経新聞の「iRONNA」欄でこう述べています。
「『働き方改革』は喫緊の課題として大いに進めるべきである。(中略)だが、『長時間=悪』という一律的、短絡的な考え方に、私は反対である。
ことにジャーナリズムにおいて労働時間を長短で線引きすることは不可能だ。
取材の途中で『あっ、時間だ』とUターンしていたのでは仕事にならない。
(中略) 現代社会は多様化の時代だ。
性的マイノリティの存在を認め、『みんなちがって、みんないい』という金子みすずの詩を引きながら、『働き方改革』となると、『みんな同じでみんないい』という大合唱になる。
多様性が叫ばれる一方、なぜ『労働時間』だけが一律に長短で議論がなされるのか。
なぜ『みんなちがって、みんないい』という発想にならないのか。
0か1かというデジタル時代が、物事の価値観を画一化しているように私には思え てならない」

この向谷氏の提言に私も同感です。
今年、私への年賀状に、某事業主は「働き方改革は亡国の政策です」と書いてきましたが、確かに国民誰もが長時間労働は悪いという発想を抱くようになれば、これは危険なことです。
長時間労働をよしとしないで、懸命に働くことを止めてしまったら、中小零細企業主は大企業と伍して争うことができなくなるからです。

『朝礼・会議で使える 田中真澄の61話』ぱるす出版

法人企業はもう少し割合があがるが、個人企業の10年後の生存率は、わずか1割にも満たないという。
だからこそ、起業してから最初の10年が大事なのだ。
起業はゼロからイチを作ること。
何もない真っ白なキャンバスに、事業という絵を描くことだ。

「死に物狂いで」とか「一心不乱に」、「命がけで」という言葉は、会社の働き方改革では死語に近い禁句だ。
しかし、起業する当事者なら、これは当たり前のこと。
自分が必死の思いで貯めたお金や、拝み倒して借りた銀行や親戚からの資金を自分の事業に投資し、それを回収するのは並大抵の努力ではできない。
ましてや、自分の土地を、銀行に担保として差し入れているなら、なおのこと。
倒産したら全部根こそぎ取られてしまう。

労働基準法は労働者を守るための法律。
事業主には適用されない。

もし、起業したら、覚悟を決め…
365日、必死の努力を10年は続けたい。

上記の【個人事業主の覚悟】については人の心に灯をともすより引用しています。