自然な成り行きに逆らわず、正直をなりわいに。
2019年 07月 01日
【自分は何者でもない】
伊集院静氏の心に響く言葉より…
若い頃の旅と、或る程度、歳をとっての旅とは、勿論、違いがある
私が若い人に、安いチケットを買って、まずは日本から出てみるこ
…自分が何者か?
を知ることができるからだ。
ではどういうことを知るかと言うと、
…自分はまだ何者でもない。
ということを知ることにつきる。
日本に住んでいる時は、親が守ってくれたり、家柄があったり、学
では若い時だけに、
…自分は何者でもない。
という考えが必要なのか、と考えると、そうではない。
たとえば、六十歳を越えて、定年を迎えている人がいるとすれば、
ここまで寿命が延び、日本人の六十歳から七十歳の人たちが、どの
ところが、現役時代に人一倍働き、仕事で成果を上げ、会社からも
…えっ、あの部長が、今そんななんですか?
という例が多い。
その人が仕事を十分にやって来て、人望もあり、あとは退職金で悠
…なぜか?
再出発ができないのである。
別に、再出発でなくても、残る余生をうまく過ごせない。
再出発のケースなら、自分は半生でこれほどのことをやって来たと
自分にふさわしい新しい仕事なり、時間の過ごし方に対して、対応
その原因の最大の要素は、
…自分はカクカクシカジカの者である。
と当人が考えているからである。
…自分は何者でもない。
という考えを持てないのだ。
しかしよくよく考えれば、それだけ素晴らしい仕事をした人、その
実は、この実感をともなうものこそが、生きている仕事、時間なの
…自分は何者でもない。
この考えがすんなり自分の体に入るようになることが大切なのであ
旅の話から、妙なことを書いたが、人生は晩年をどう過ごせるかで
『一度きりの人生だから 大人の男の遊び方』双葉社
「我々は遠くから来た。そして遠くまで行くのだ…」 という、イタリアのパルミーロ・トリアッティの言葉がある。
また、「我々はどこからきたのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」と題された、フランスの画家、ポール・ゴ
どんなに財産があろうと、肩書や名声があろうと、死んでしまえば
そのことを、重要な節目節目に思い出せるかどうかで、人生は決ま
「裸にて生まれて来たに何不足」
我々はもともと裸で生まれてきたのだ、と覚悟を決めれば何でもで
定年退職に限らず、人生を再出発させなければいけない時は、旅と
見知らぬ土地、見知らぬ人、見知らぬ宿と出会い、「自分は何者で
一度きりの人生、覚悟を決めて生きてゆきたい。
上記の【自分は何者でもない】については
人の心に灯をともすより引用しています。