ご縁結びのコーナー第45回 OLTA株式会社代表 澤岻優紀様

ー杉浦佳浩

ご縁結びのコーナー第45回 OLTA株式会社代表 澤岻優紀様


2018年 10月 16日

いろんな出会いを日々いただいていることに感謝しています。その出会いにも
いろんな感慨がありますが、これほどのビックリが連続したのはここ最近
無かったと思います。そのビックリのお相手が、澤岻(たくし)さんでした。
そのビックリを最初にいくつかお伝えしました後に、澤岻さんへのインタビュー
を掲載したいと思います。
 
★出会いにビックリ
まず、澤岻さんとOLTA社の最初の出会いがビックリでした。
それは、澤岻さんがテクノロジーで女性の直面する課題を解決するプロジェクト
「Womenwill」に、Google社で取り組まれている時にご縁があった岸田さんを
通じたものでした。なぜか?
その岸田さんが兼業宣言をしたその兼業先がOLTAという会社だったのです。
それから同社の事業概要をお聞かせいただくことになりました。
ご縁の不思議ですね。
 
★メンバーにビックリ
岸田さんから一度会社へということでお誘い頂き、OLTA社を訪問。
そこで事業概要についてお話を伺ったのですが、素晴らしいと思ったのが
この会社への参画者。
 
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CEOの澤岻さんは、野村證券株式会社で上場事業会社の資金調達業務に従事。
CSOの武田さんはソニー株式会社にてPlayStation等の経営戦略策定を担当。
CMOの岸田さんは大手外資IT企業にてブランドマーケティングにベンダー
として所属。CFOの浅野さんは三菱商事、楽天にて財務部所属。
COO兼CTOの高家さんは野村総合研究所でSlerとして大手銀行Webシステム
開発のマネジメント・ディレクションを担当。
 
ほとんどの皆さんが、大手企業での成果・実績をひっさげて20代ではなく
30代中心に集まられており、なかなかこのメンツでの起業にビックリした
次第です。「大手企業から起業→活躍」のよいモデルケースになられる予感を
当初から感じた次第です。
 
★圧倒的なビジネスモデルにビックリ
一番大事なビジネスモデル、スキームのスタートからの構築。
どれをとってもビックリの連続でした。2017年4月に起業し、まだ2期目で
ありながら、スキームの根幹はすでに固まっている感じです。
起業同時にMUFGデジタルアクセラレータに選出されている。
シード期に5億円を調達している。そして、起業から8ヶ月ほどで
オンライン完結型ファクタリングを提供している。
このスピード感、本当にビックリです。
 
この手のビジネススキームで利用者側が心配するサービス提供側の
実績についても、MUFGのアクセラレータ時に相当のデータ提供を受けて
それらをAIで解析するなど、圧倒的なデータを保有しての与信管理、結果、
サービス提供から半年ほどで申込社数が殺到している状況です。
 
中小企業にとって大事な運転資金、しかも数日間の数十万~数百万の
資金ニーズに対し、金融機関はスピーディに対応できていない状況。
その状況において同社は24時間以内の売掛金の現金化に対応しています。
今までの常識である3社間ファクタリングですが、
同社は2社間で行うところもまたビックリ。
売掛先への通知も不要で、サイレントに現金化できるところもビックリです。
先にも書きました「売掛金を24時間で現金化」、これも凄いのですが、
非対面、オンライン完結、そして手数料も相当安い2%~9%だそうです。
中小企業の心強い味方ですね。
 
このようなビックリの連続の同社、銀行の既存マーケットを荒らす
というよりは、銀行が過去から対応できていなかった少額、
スピーディな資金ニーズにアプローチしているところ、マーケットニーズを
キチンと把握しているところが本当に将来を感じる素晴らしさだと思います。
このOLTA社を引っ張る澤岻さんに興味が湧いてきたところで
以下にてインタビューを試みました。
 
★少年時代はどんな少年でしたか?どんな夢?
理屈っぽいというか頑固というか、「みんなが当たり前」と思っていることを
そのまますんなりと受け入れられない、一言で言うとめんどくさい少年だったと
思います(笑)
例えば、高校や大学への進学などといった人生のターニングポイントに際して、
まわりのみんなが「どこの学校を受験するのか」と考えている中、
「そもそもなぜ進学するのか、それが何のためになるのか」といったことを
自分が納得するまで日々考え続けていましたね。
 
会社経営については、高校生の頃にちょうどライブドアのように若い経営者が
世間を賑わせていたこともあって、「会社を経営するということは
どういうことなのか」とぼんやりと興味を持ち始めました。そういった
きっかけもあり、大学は関西にある神戸大学の経営学部に進学しました。
ただ、経営「学」だけあって、理論や事例はたくさん学ぶ機会はありましたが、
「実際の経営がどういったものかは結局やってみないとわからないな、
まずは就活して大企業に入ろう。」と当時はそう思い、普通に就職活動をし、
新卒で大企業へ入社することになります。
 
★起業家を目指すキッカケ、それはいつ頃?
新卒で野村證券の投資銀行部門に入り、上場企業の資金調達アドバイザリー
業務に携わっていました。大学でコーポレート・ファイナンスを専攻して
いたこともあり、学んだことを実践で活かせる投資銀行での仕事はとても
エキサイティングで、かつ一般水準よりも高い額の給料をもらっていました。
在籍年数が増えていくにつれ、任せてもらえる仕事や責任範囲も広がり、
給料もさらに上がっていきました。しかし同時に、「このまま投資銀行での
キャリアを積み重ねていくことは自分の人生にとって幸せなことなのか」と
ふと立ち止まって考えたときに自信を持ってイエスと言えない自分がいて、
そうしたもやもやを抱えながら仕事に向き合うようになりました。
会社を辞める1年くらい前です。
 
そんなもやもやを上手く飼い慣らせるわけもなく、「ファイナンスだけでは
なく、事業もできる人になりたい、会社経営に携わりたい」といった想いが
いよいよ強くなっていき、転職エージェントに相談してみたり、
ご縁あって何社か面接を受けたり、「本当に自分がやりたいことは何か、
それができる場所はどこか」という問いに向き合っていました。
ただ、よくよく考えると、そういった自分の「やりたいことを最大化」
するためには「起業」が最適な手段なのではないかと思うに至りました。
 
しかしまだこの段階ではどういう領域で起業するのかは、
決めていませんでしたが、2016年に29歳の誕生日を迎えたときに、
「納得のいく形で節目ある30歳を迎えたい」という思いもあいまって、
翌日に上司に「辞めます」と伝えました。完全に見切り発車ですね。笑
具体的な起業プランがないまま会社を辞めてしまったので、
「とりあえず1年くらいはベンチャーでアルバイトでもしながら起業準備して
アイデアを練ろう」という感じで、退職後は起業アイデアとリサーチをしながら
死なない程度の生活水準で過ごしていました。笑
 
ファクタリングに注目したのは、日本のファクタリング市場がレガシーで
改善できる余地が非常に大きいと思ったからです。ファクタリングは、
実は海外ではメジャーな資金調達手段なのですが、日本では手形取引などの
独特な商習慣もあり、あまり利用されてこなかったんですね。
でも最近は大企業を中心としたペーパーレスの動きに連動して手形取引が
どんどん減ってきていまして、逆に企業間の信用取引が増えていっている。
中小企業にとってはこの手形の代替的な資金調達としてファクタリングが
じわじわと広がってきている。そんな背景もあります。
加えて、野村證券での経験も少なからず影響していると思います。
 
大企業だと、直接金融や間接金融、さらには流動化などといった様々な
資金調達手段がある中で、適切なタイミングで適切な資金調達手法を
「選ぶ」ことができるのですが、中小企業は、全体的に銀行借入への依存度が
非常に高く、資金調達手段を選ぶことはおろか、最悪の場合、唯一の選択肢
である銀行借入ですら困難な企業が日本全国に多数あることを知り、
中小企業が銀行借入だけに頼らない選択肢をつくることそれ自体に大きな
社会的インパクトがあるのではないかと考えました。
 
★メンバーとの出会いはどんな感じで?
僕らが挑戦するこのファクタリングの領域は、
「金融のレガシーマーケット」、「AI」、「地方創生」、「中小企業」など
といったテーマが絡んでいて、それぞれ呼応するテーマは違えど、
クラウドファクタリングが与える社会的インパクトの大きさに惹かれて
集まった人がほとんどですね。
 
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僕も含め野村證券や三菱UFJ銀行などといった金融系出身のメンバーもいれば、
ソニーや三菱商事、楽天など異業種の会社出身のメンバーもいるなど、
多様なバックグラウンドを持った人が集まったチームであることは
大きな特長です。一つ言えるのが、
「強みを持った個人が、その強みを最大化できるポジションで活躍すれば、
必ず会社は成長する」と僕は考えていまして、会社のフェーズに合わせて
強みを持った人を積極的に迎え入れる採用活動は継続的に行っています。
 
★起業して苦労したこと、また逆に良かったこと
起業して苦労したことは、、、
うーん、、、すみません、あんまりないですね(笑)
というより、苦労と認識しないようにしている、という言い方が正しい
かもしれません。細かいレベルでいうと、ファクタリングに対する偏見や
知名度の低さから、取引を見送られそうになったり厳しいことを言われることが
よくありますが、そのたびに、「こういった困難があるからこそ、新しい
ファクタリングを世の中に提示し変化したときのインパクトは大きい。
チャンスだ!」と心の中でつぶやきながら粛々と問題に取り組んでいます。
 
僕は「社会に新しい価値を提示するためのすべての活動」を行う組織が
スタートアップだと考えていまして、そうした活動に課題や困難があることは
もはや付き物だと考えています。ただ、これも周りの優秀なメンバーと一緒に
取り組んでいるからこそであるので、チャレンジングな課題や困難に立ち向かう
たびに、チームメンバーに支えられていることの有り難みを感じています。
 
★今後の夢、社会へのインパクト
クラウドファクタリングは、そもそもまだあまり正しく認知されていない
資金調達なので、まずはなにより、一社でも多くクラウドファクタリングの
認知度を上げていきたいです。資金調達と聞くと、「時間がかかる」、
「めんどくさい」といった印象を持つ中小企業経営者の方は多いと思います。
OLTAのクラウドファクタリングは、そうしたストレスを感じさせない、
「はやい・かんたん・リーズナブル」な新しい資金調達です。
カスタマーサポートにかなり力を入れていますので、
はじめての方も安心してお使い頂けるサービスです。ぜひ一度ご利用ください。
 
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この世界で既に巨大なマーケットになっている米国には、2012年に創業した
同業者が3年で取引社数2万社、累計取引件数1500万件、累計取扱高3兆円を
突破と、たった1社でこの規模、成長性となっています。
これから日本にこの新しい仕組みが広がり、元気な中小企業が増えていくことに
大きな意義を感じます。いつの日か、この出会いのビックリが懐かしいと
思う時が早晩来るように思います。同社と共に汗をかきたいと思っています。
 
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※このコーナーは、お世話になっている、
ブレイン・サプライ社が毎月発行している【ブレイン・サプライ通信】に、
私が日々の出会いの中で、仲良くして頂いております、
企業様、経営者様について話題をお伝えするコーナーである
【今月の縁結び】と連動している企画です。
内容に若干不明な場面もあるかもしれませんが、ご容赦下さい。