ご縁結びのコーナー第44回 株式会社ネットオン 代表取締役 木嶋 諭 様

ー杉浦佳浩

ご縁結びのコーナー第44回 株式会社ネットオン 代表取締役 木嶋 諭 様


2018年 09月 19日

人財採用環境は益々悪化するばかり。そんな中で、無料で人財採用の
ホームページ、採用マーケティングツールの作成、応募者集客ツールを
提供している会社が本日の木嶋さんです。サービス提供から約1年で
導入社数が8,000社を超える圧倒的な支持を得ている【採用係長】
運営をされています。先日は資金調達も得て益々事業にドライブがかかる
木嶋さんに話を伺いました。
 
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★早い段階からの起業
『まわりの起業家のように華々しい経歴は私にはないので。』と控えめな
感じで木嶋さんのインタビューは始まりました。そう言えばあまり木嶋さんの
過去についての情報を私が知らなかったため、『え?エンジニア出身?ですか?』
とちょっとびっくりしたのが、木嶋さんの経歴でした(大学では理系出身)。
 
しかし、お聞きしていくと起業家、経営者家系でいらっしゃることが見えて
きました。お祖父様、お父様共に経営者で、お祖父様は戦争から帰国後に
神戸でドイツ人、ワインバーガーさんという方と共同で輸入商社を設立、
化学系の商材を取り扱ったり台所商材でヘンケルのハサミや包丁を輸入して
国内に卸していたそうです。私の小さな頃の思い出にも確実に残っている
ヘンケルの調理用ハサミ、母親が大事に使っていたことを思い出します。
 
その輸入元が木嶋さんのお祖父様であったんですね。不思議なご縁を感じます。
またこういった海外からの輸入商社さんも港町神戸ならではというように
思います。また、お父様も輸入関係のお仕事を継続しながらも高級輸入家具を
取り扱っていらっしゃいましたが、バブル崩壊の影響を受けて厳しい経営環境
の中で奮闘されていたそうです。
 
木嶋さんの学生時代は、あまり打ち込んだものは無かったそうです。
また、自分と向き合うこと、自己分析もすることは無いままの、ごく普通の
高校生活、大学生活もテニスサークルに属した普通の学生でしたと木嶋さん
ご自身はおっしゃいますが、普通ではないと思ったのが社会人への入り口の
部分。大学のゼミ教授から推薦された某大手企業には入社しないと決意し、
特段の就職活動はしないで、当時、時代の潮流として話題性があった
【ビジネスモデル特許】。その中身を見て、特許事務所がオモシロイとの
思いを抱き社会人のスタートをきりました。ほとんどの学生が流されている
【就社】でなく【就職】の選択をされています。
 
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ただ、入所後、単調な書類作成に辟易し、ここではないと思って8ヶ月ほどで
退職、IT企業へと方向転換し、4社に応募して、3社からオファーがあったそう
です。そのうち1社のSAPを取り扱う大手企業系列のコンサル会社に入社し、
大企業相手に仕事をしていたそうですが、大企業とだけ仕事をしていてはダメ
と判断しここも8ヶ月で退職されています。
サラリーマン時代に、ホームページ数の爆発的な伸びに即応したサービスが
これから必要と思い起業を決意。中小企業向けサービスを創って行くことを
決断したそうです。社会人経験1年半での起業の決断はなかなか出来ること
ではないと感じます。
 
 
★起業後の紆余曲折
起業前から、ITの可能性を感じていたこと、ECに未来を感じ、
ショッピングサイトには簡単にWEBデザインが出来ていないことから、
いろいろ海外サイトを調べていると、ウクライナが本拠地の
「TemplateMonster.com」に出会い、これだ!ということで、交渉し、
当初【サイト屋ドットコム】と名乗りつつ、この日本側の窓口として
販売をスタートしました。ITの商材といっても、まさに海外の商材を
日本国内に販売する、親子3代続くある意味【貿易商社】の血が
ここに受け継がれていると思いました。
 
世界を意識しているところから、24歳の2004年10月に、
(株)グロービズ(グローバル・ビジネスの略)と法人登記したそうです。
後に会社名が酷似しているところから某社から内容証明が届き、
あわてて現在の(株)ネットオンに変更したそうです。
 
翌年には【インターネット看板の開発、販売及び当該看板と連動した
ユビキタスシステムの開発、販売】のビジネスプランを発表し、
「incueitステップアップ助成金」最優秀賞を受賞。2007年には台湾、
2008年には中国へと子会社を設立し、20代で華々しい起業家となって
行かれました。様々なサービス、アイデアを実行、具現化するもの、
一発屋的な動きが重なり、継続的成長やご自身が思い描く実績を伴った
企業成長には程遠い状況がその後続き、「このままではダメ」と
2010年頃から本気の経営、勉強不足を反省し、いろんな勉強会に
顔をだす様になったお蔭で、まわりの経営者の動きが見えるように
なったそうです。
 
 
★本気の起業家へ。秀吉会へ入会
勉強会に顔を出しながらもなかなか実績が伴わない中、2014年に
秀吉会に初参加。ビックリ。正直ビビったそうです。
(HPも告知活動も一切ない秀吉会ですが、先日、NewsPicks
取り上げられました。)この会に入会し鍛えてもらったことが本当に
大きかったと木嶋さんは話します。ここで秀吉会会員の経営者から
的確なアドバイスを貰うことで、稼ぐこと(インターネット広告ほか)
とやりたいこと(新規事業/人材関連事業)を切り分け、集中することで
売上も着実に伸びていったそうです。
 
2016年11月に、同年2月からスタートしていた【採用係長】のクラウド型
サースモデルとして、本格的に展開を開始し、冒頭のとおり短期間で
圧倒的な伸びとなっています。まさに世の中の流れを掴んだ実績、
証拠だと思います。
(クラウドバージョンの【採用係長】をリリースしたのは、2017年6月。)
 
 
★資金調達から今後に向けて
どんどん導入社数が伸びるサービスも、当初は無料版からの導入である
ことから、資金調達の必要もあり、私の方で同様のクラウド系サービスを
提供する他社の起業家や、親身に相談に乗ってくれるベンチャーキャピタル、
その他プロの投資家さんをご紹介させて頂きました。その後、それぞれの
意見を上手に吸収し、今年6月に1億円の資金調達を実施されました。
 
サービス名の【採用係長】。木嶋さんらしい控えめなネーミングですが、
人事部の存在が無かったり、採用系を専門とする人材がいなかったりする
100名以下の中小企業が多いなかで、まさしく時代にマッチした、カユイ
ところに手が届くサービス名だと思います。30万社への導入を目指します。
今まで主流であった、折込広告、タウンページ等々の紙媒体採用の時代から、
スマホで応募、採用できる採用インフラの時代への変化がこれから
予想されます。
 
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上場も視野に入れ奮闘される木嶋さんに、これから大いに期待したいと
思います。
 
 
※このコーナーは、お世話になっている、
ブレイン・サプライ社が毎月発行している【ブレイン・サプライ通信】に、
私が日々の出会いの中で、仲良くして頂いております、
企業様、経営者様について話題をお伝えするコーナーである
【今月の縁結び】と連動している企画です。
内容に若干不明な場面もあるかもしれませんが、ご容赦下さい。